公開日: 2020/06/22
更新日: 2022/09/06
日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会の自動車工業4団体は4月10日、合同オンライン記者会見を開催。新型コロナウイルスの感染防止対策に一致団結して取り組むことを表明した。
自工会の豊田章男会長は、世界のGDP9000兆円のうち3カ月で15~20%が失われた。人類がコロナの脅威に打ち克つ日は必ず来るが、このままではその前に日本経済が疲弊し、崩壊しかねない。自動車産業は、崩壊の歯止め役として役に立ちたい、との認識を示した。そのうえで、売上の大幅減や資金繰りが悪化している中小の部品メーカーを対象にファンドを立ち上げ、資金提供を行う考えを表明した。
この背景には、個社としてではなく、業界全体で自動車産業に従事する技術者などの雇用を維持する、という狙いがある。これは、人材(技術)のマッチングを念頭においており、高度なスキルを持つ人材が仕事を失ったとしても、自動車産業内でその技術を必要としている企業とのマッチングをはかることで雇用を守る、というものだ。
このほか、マスクの自給自足や人工呼吸器製造に関する生産支援についても明らかにした。
「自動車産業でマスクを生産する。まだ提供できるほどの品質も数量も確保できていないが、これらは自分達の身を守るために使う。そしてその分、少しでも需給緩和に寄与できればと考えている」
人工呼吸器については、製造を期待する声があることを明かしたうえで、
「医療器具は人の命に直結するもの。クルマも同様であるため、製造がどれだけ難しいかを理解している。まずは、医療機器メーカーで、生産量を少しでも増やせるような生産工程の改善など、我々のノウハウを活かせるサポートを始める」
かつて経験したことのない未曽有の状況に直面している日本経済。日本を代表する産業がリーダーシップを発揮し、苦境打開に向けて動く。その手腕に期待が掛かる。
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