公開日: 2020/06/22
更新日: 2022/08/26
バイク乗りなら誰もが一度は目にしたことがあると思われる、アメリカンなイラストが表紙を飾るフリーペーパー「オンザロードマガジン」。その表紙のイラストをはじめ、誌面制作全体を手掛ける発行人・編集長を務めるのが、GAO(ガオ)ニシカワ氏だ。
企業にクリエーターとして勤務した後、ハーレーダビッドソンとの出会いがきっかけで退職。単身アメリカ大陸を横断し、その2年後にシカゴからロサンゼルスを結ぶ約4000キロの旧道、ルート66を走破した。バイク専門誌からの連載オファーをきっかけに、自らの体験や素晴らしい出会いを発信したい、アメリカの路傍の風景を描いた「ロードトリップ・アート」を一人でも多くの人に見てもらいたい、と考え、フリーペーパー「オンザロードマガジン」を自費出版することになったのだ。
キャッチコピーは「The Wheel Junkie」。ホイールが付くすべての乗り物が好きな人のために、という思いを込めた。創刊時は2000部だったが、2020年現在、毎号3万部を発行。ハーレーダビッドソン正規ディーラーをはじめ、バイクショップやパーツ・用品店、自動車やアウトドア関連店舗、飲食店などを中心に全国1000店舗以上で配布されている。
誌面制作の傍らGAOニシカワ氏は企業や雑誌、広告媒体などのためにイラストを制作。また、自らのブランドの立ち上げや、個展開催など幅広い活動を展開している。直近では日本郵便の2020年賀状ににフェアレディZ S30の50周年記念イラストが採用されている。
「オンザロードマガジン」はバイク、クルマはもちろん、アパレルや食、ガレージなど幅広いジャンルを網羅し、誰が見ても楽しめる内容となっている。ファンからの情報提供も多く、誌面制作のためのネタは尽きることがないという。
定期的に渡米する目的は誌面の取材、イラストのネタ集め、そして思う存分走るためだという。「自ら走るからこそ分かることがある。巡り会える景色がある。そして気付きがある」。その行動力が魅力の根源にあり、GAOニシカワ氏が生み出すクリエイティブは多くの人に支持される。
毎号発行人の「好き」が詰め込まれたオンザロードマガジン。好きなことを仕事にしてそれを貫き通すことは、たやすいことではない。しかし、さまざまな難題が立ちはだかる今の時代だからこそ、「好き」が生み出す無限のパワーを忘れずにいたい。
人気記事ランキング