コラム

「接触確認アプリ」効果発揮のポイントは、 人口の6割以上のユーザーが使用すること!

公開日: 2020/07/29

更新日: 2022/09/06

 5月25日に緊急事態宣言が全面解除となり、約2カ月ぶりに観光地やショッピングモールなどが営業を再開した。これに伴い、閑散としていた街並みに活気が戻り始めた。けれども油断は禁物だ。いま求められているのは、第二派への備え。そこで、政府は感染拡大防止対策の一つとして、当初の予定から1カ月遅れの6月19日より「接触確認アプリ〝COCOA〟」の運用を開始した。これは、どのようなモノなのだろうか。

 接触確認アプリとは、新型コロナウイルスに感染した人と濃厚接触した可能性がある人を、速やかに把握するためのスマホ用アプリ。日本でスマホ(アイフォンとアンドロイド)を展開しているアップルとグーグルが共同開発したアプリをベースに、政府が日本版としてアレンジしたもの。同様のアプリは、すでに海外でも導入されている。

 基本的な仕組みは、例えば、AさんとBさんが濃厚接触と判断される、「1m以内に15分以上」に一緒にいたとする。このとき、ブルートゥース機能を使って、ユーザー同士の接触を検知するというもの。自分がいつ何人と接触したかが表示され、これをもとに「接触回数が増えてきたから人混みを避ける」などの行動に役立てることができる。もし、Aさんが後に陽性であると分かった場合、Aさんは保健所の指導のもと、発行された処理番号などのデータをアプリに登録する。すると、2週間以内に接触した人のスマホに通知が届くようになっている。これにより接触者は、外出を控えるなどの早期の対策ができるだけでなく、アプリで申告をすることで、保健所が接触者の拡大状況を把握することができる。

 気になるのはプライバシーがどこまで保護されるのか、だが、このアプリで記録されるデータはすべて匿名化・暗号化されており、住所や名前、電話番号、GPSによる位置情報などの個人情報は記録されない。また、接触に関するデータは国に管理されず、個々のスマホのみで記録されるため、「誰が感染者であるか」「いつ、誰と、どこで接触したか」など、一切特定できない仕組みになっている。さらに、アプリ上のデータは2週間経つと消えるといった対策も取られている。

 日本ではプライバシーに極力配慮した仕組みになっているが、海外のアプリは様々である。中国や韓国では、個人情報や行動履歴などを国が把握するのに対し、欧米などでは、日本と同様のブルートゥースを活用した、プライバシー保護の機能が高い仕組みを採用している。

 接触確認アプリを使用する際“カギ”となるのは、いかに多くのユーザーに利用してもらうか。専門家によると、アプリを使う人が少ないと接触が見つけられず、「人口の6割以上」が使うことで、効果が出るという。日本は、最小限の情報活用という仕組みで、多くの人に使ってもらおうとしているが、同アプリは、義務ではなく、任意のものであるため、どのように普及させるかが大きな課題となる。

 接触確認アプリを上手く運用することができれば、自分だけでなく、大切な人を守るための新たなツールとなることは間違いない。コロナ時代の新たな日常を取り戻していくために、いまできることに取り組むことが重要だ。

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