カワサキ記者発表

川崎重工から独立分社化し「カワサキモータース」発足。2035年までに先進国向け主要機種の電動化を完了

公開日: 2021/10/08

更新日: 2022/09/06

「モーターサイクル&エンジンカンパニー」を分社化

川崎重工業株式会社は10月1日、「モーターサイクル&エンジンカンパニー」を分社化し、カワサキモータース株式会社として発足した。これを受け10月6日、都内で新会社の事業方針説明会を開催した。

説明会ではまず川崎重工業の橋本康彦代表取締役社長執行役員が挨拶。その後、カワサキモータースの社長に就任した伊藤浩代表取締役社長執行役員が事業説明を行い、続いてカワサキモータースジャパンのトップとなった桐野英子代表取締役社長が挨拶した。

カワサキモータース設立により、迅速な意思決定が可能に

挨拶に立つカワサキモータース・伊藤社長(左)とカワサキモータースジャパン・桐野社長(右)
挨拶に立つカワサキモータース・伊藤社長(左)とカワサキモータースジャパン・桐野社長(右)

伊藤新社長は、「川崎重工の1部門であったモーターサイクル&エンジン事業は、川崎重工のなかでは唯一、消費者を対象としたB to Cビジネス。そのため、川崎重工内でも異質な存在となっており、意思決定にも時間を要していた」としたうえで、今後は迅速な意思決定が可能となり、消費者の変化への素早い対応が実現できる、と期待感を表明した。

カワサキモータース設立にあたり、次の目標項目を掲げている。

① 自律的事業経営を徹底。B to C 事業の特性を活かし、意思決定のスピードを向上
② ポストコロナを見据えた新たなライフスタイルの提案など、顧客に密着した製品・サービスの提供により、ブランドを強化
③ 環境規制対応、電動化や先進安全技術などの進展を見据え、業界内での連携を強化するとともに、市場を活性化


分社化の目的としては、「モノでなく幸せを売る」事業を構築し、モーターサイクル&エンジン事業の持続的な成長を加速させることで企業価値の向上、ブランド強化を実現し、川崎重工業グループを初めとしたステークホルダーへの貢献を掲げている。

<center>オフロード四輪「TERYX KRX 1000 eS」</center>
オフロード四輪「TERYX KRX 1000 eS」

カーボンニュートラルに向けた取組みについては、二輪に関する電動化の推進として、2025年までに10機種以上を導入すること、2035年までに先進国向け主要機種の電動化(BEV/HEV)を完了させること、水素燃料のエンジンの開発にも取組むことを発表。オフロード四輪車については、BEV・HEV四輪車の開発に加え、2025年までに5機種を導入することについても明らかにした。

<center>説明会の会場に展示されたEV二輪研究車</center>
説明会の会場に展示されたEV二輪研究車

説明会会場には、開発を進めているというハイブリッドモデルも展示。高速道路、市街地、ワインディングなど、道路特性に合わせエンジン、モーター、エンジン&モーター併用の3パターンで走行するという。開発途上にありながらも、情報公開するところにカワサキらしさを感じさせる説明会となった。

将来的な成長イメージとして、カワサキモータースは2021年度の売上高予想4100億円に対し、2030年は1兆円(2021年営業利益6.1%⇒2030年営業利益8.0%以上)を見込んでいる。

人気記事ランキング

50cc時代に幕。2025年4月1日、『新基準原付』スタート!

道路交通法施行規則が改正され、4月1日より適用される。これにより、原付一種にしか乗れないユーザーで...


2024年新車国内出荷台数、約32万台でコロナ禍以前の水準に

2024年の新車国内出荷台数は32万0300台(二輪車新聞調べ・推定値)となり、コロナ禍以前の水準となった...


二輪免許取得者数33万6943人でコロナ前の水準に戻る。年齢別ボリュームゾーンは20~24歳

二輪免許の取得。これは免許区分に関わらず、バイクに乗る、という意志の表れである。つまり、この数字...


Ninja1100SX SE足つきインプレ。「正直、いけるか?」160cmと162cmの本音と対策!

カワサキ「Ninja1100SX SE」を、“しゃべり屋ライターバイク乗り”の柴田直美さんと、BDSバイクセンサーイ...


バイク希望ナンバー制、令和8年度導入へ

クルマには既に導入されているが、バイクへの導入は見送られていたナンバープレートの『希望番号制度(...


『登録手続き申請書メーカー』運用開始。これからの申請書はスマホでサクサク作成!

自動車検査登録手続きのデジタル化に取り組む国土交通省は2月6日、関東運輸局の千葉運輸支局で移転登録...


世界的に拡大する電動アシスト自転車市場、日本の国内販売台数は80万台超と“ママチャリ”以上

電動アシスト自転車という言葉を聞くようになって久しい。初めて国内で販売されたのは1993 年。あれから...


『ガチ乗り系トライク』APtrikes250、販売開始!

2024年9月号で紹介した株式会社カーターの『APtrikes250』。BDSレポートWEB版でもかなりアクセスがあり...


オフ車選びに悩んでいる方必見! 人気オフロードバイク足つき比較

HONDA「CRF250L」、YAMAHA「WR250」「セロ-250」、KAWASAKI「KLX230」! 250ccクラスのオフロード車4台...


【トップインタビュー】ハーレーダビッドソン ジャパン 野田 一夫 代表取締役

2022年、ハーレーは登録台数において1万台突破という大きな実績を上げた。これは過去6年間における最高...


SE Ranking