公開日: 2020/09/22
更新日: 2022/08/26
Ninja ZX-25Rはスクリーミング・インラインフォー・パワーをコンセプトに開発された、スーパースポーツモデル。Ninja ZXシリーズを名乗るのにふさわしいサーキット走行性能の高さに加え、街乗りでの快適性も併せ持っている。
新設計の水冷DOHC並列4気筒エンジンは、他のNinja ZXシリーズからのフィードバックを受け開発。33kW(45PS)のクラス最高出力を誇り、高回転域でのパワーはもちろんのこと、日常での使い勝手を考慮したトルクフルな低中回転域での出力も兼ね備えている。開発責任者である川崎重工技術本部の山本哲路さんは、
「エンジンはZXR250の高回転での性能と、バリオスの低中回転の性能を合わせ持つという特性があります。4気筒化するにあたり、どちらかの性能だけでなく両立させることにこだわりました。また、入念なチューニングを行い、1万7000rpm以上の高回転域を実現する4気筒らしい上質な回転フィーリングと、甲高い抱擁感のあるエンジンサウンドを作り込みました」と語る。
高回転と低中回転を両立したエンジンを搭載し、サーキットなどでの扱いやすさだけでなく、街乗りでも軽快なハンドリング性能を発揮する。また、4気筒エンジンの幅広化に伴い、フレームパイプの寸法拡大を極力抑え、車体やニーグリップエリアの幅を現状の250㏄クラスに収めている。そのため、同クラスからの乗り換えユーザーに対しても、違和感を与えない車体サイズとなっている。
ZX-25Rは、4気筒エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出すための高性能な装備を多数採用。新設計の高張力鋼製トレリスフレームをはじめ、クラス初となる最新のライダーサポート機能「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」や「KQS(カワサキクイックシフター)」などを搭載している。
エキパイのヘッダーパイプとコレクターパイプのレイアウトは、Ninja ZX-6Rを参考にしており、ヘッダーをつなぐジョイントパイプが低回転のパフォーマンスを強化している。また、マフラーに関しては、車体下部に備え付けられた4・5Lの大容量チャンバーによってサイレンサーの小型化を実現しているため、シャープな外観と低重心化、マスの集中化が図られている。
待ちに待った250㏄クラス4気筒バイクの登場に反響が集まっているが、なぜこのタイミングで開発に至ったのだろうか。この経緯について前出の山本さんは次のように説明する。
「2008年に発売したNinja250Rやモデルチェンジを行ったNinja250が広く受け入れられたことで、ユーザーからアップグレード志向の声が挙がるようになりました。そのため、構想としては2008年以降からありましたが、この度、ユーザーの声と開発サイドの『かつての250㏄4気筒の胸をすくようなフィーリングを感じて欲しい』という想いが合致し、開発に至りました」
メーカー希望小売価格(税込)は「Ninja ZX-25R」が82万5000円、「Ninja ZX-25R SE /SE KRT EDITION」が91万3000円。カラーリングは標準モデルが「メタリックスパークブラック」、SEモデルが「メタリックスパークブラック×パールフラットスターダストホワイト」、SE KRT EDITIONが「ライムグリーン×エボニー」となっている。国内販売台数は5000台を予定。
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