コラム

最近話題の“5G”とは。普及することで何ができるようになるのか?

公開日: 2021/02/19

更新日: 2022/09/06

 去年から耳にするようになった“5G”。日本では「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」が2020年3月より、「楽天モバイル」が6月よりサービスを開始。いま現在、使用可能エリアは制限されているものの、徐々に広がりを見せている。そんな5Gだが、4Gと何が違うか、何ができるようになるかなどは、よく分からないという人もいるはず。そこで、今回はその違いについて見ていく。

 まず、5Gとは「5thGeneration(第5世代移動通信システム)」を略した名称で、次世代の通信規格を意味する。大容量の高速通信を実現しながら、電波の飽和状態を解消するため、いままでのモバイル通信では使われていなかった高周波数の帯域を利用。また、できるだけ遠くに電波を届けるため、特定の方向に集中的に電波を発射するビームフォーミングを活用している。これらによって、混雑した場所でもストレスなくネットワークに接続できるようになるのだ。

 主な特長は「高速大容量通信」「多数同時接続」「低遅延」の3つ。今日、多くの人が利用している4Gと比べると、通信速度は20倍、デバイス接続数は10倍、遅延は1/10に向上する。4Gから5Gへの変化を例えると、クルマから飛行機になったようなもの。つまり、より速く、より多くの荷物(データ)を運べるようになるのだ。実際に、4Gでは数分かかっていた映画のダウンロードが5Gでは数秒で済むなど、通信速度が飛躍的に上がっている。

 5Gが普及すればパソコンやスマホなどだけでなく、様々な電子機器もネットワークと接続することが可能となる。これに、上記の特長を組み合わせながらサービスに対応していくことで、いままでは不可能であった新たなことができるようになると想定されている。具体的には、様々なアングルからの視聴ができるマルチアングル配信や、VRのような3D映像など、大容量のデータ通信が必要なストリーミング映像サービス。さらに、医療現場でのロボットによる遠隔手術や、顔認証での支払い、自動運転、タイムラグの少ないオンライン対戦、複数の家電を1つの機器で操作可能なスマートホームなども期待されている。

 便利なことばかりがクローズアップされている5Gだが、一方でデメリットも存在する。それは、5G通信を行うために利用する電波が、身体に悪影響を及ぼすのではないかという懸念だ。内容は、皮膚に日焼けと同様の症状を起こす可能性や、白内障リスクの高まり、免疫機能の低下、がんへの影響があるというもの。そのため、ベルギーやスイス、アメリカの一部の州などではデモが起きている。他にも、セキュリティーリスクの高まりや、5G対応機器の購入などもデメリットとなっている。

 5Gが普及することで私たちの生活は、より快適なものとなることは間違いない。けれども、不明確ではあるものの、身体に影響を及ぼす可能性があるということを踏まえた上で扱うことが重要なのだ。

人気記事ランキング

【トップインタビュー】ハーレーダビッドソン ジャパン 野田 一夫 代表取締役

2022年、ハーレーは登録台数において1万台突破という大きな実績を上げた。これは過去6年間における最高...


50cc時代に幕。2025年4月1日、『新基準原付』スタート!

道路交通法施行規則が改正され、4月1日より適用される。これにより、原付一種にしか乗れないユーザーで...


2024年新車国内出荷台数、約32万台でコロナ禍以前の水準に

2024年の新車国内出荷台数は32万0300台(二輪車新聞調べ・推定値)となり、コロナ禍以前の水準となった...


セブンイレブンが全国の店舗で値引き販売実施! 目印は緑色の「エコだ値」シール

日本全国に2万1551店(2024年4月末時点)もの、コンビニエンスストア「セブンイレブン」を展開するセブ...


バイク希望ナンバー制、令和8年度導入へ

クルマには既に導入されているが、バイクへの導入は見送られていたナンバープレートの『希望番号制度(...


オフ車選びに悩んでいる方必見! 人気オフロードバイク足つき比較

HONDA「CRF250L」、YAMAHA「WR250」「セロ-250」、KAWASAKI「KLX230」! 250ccクラスのオフロード車4台...


2023年度、二輪車市場動向調査を発表!【後編】

日本自動車工業会(自工会)は2年に1度、二輪車市場動向調査を行っているが、先頃、2023年度の調査結果...


「二輪車市場動向調査報告書」50代を境に、情報源の違いが明確に

日本自動車工業会は4月20日、2021年度版『二輪車市場動向調査報告書』の公開およびオンライン説明会を開...


2023年二輪車市場動向調査「FGI調査(グループインタビュー)」

日本自動車工業会(自工会)が2年に1度、実施している二輪車市場動向調査。前号では「新車購入ユーザー...


保有台数や世帯普及率に見る二輪業界の現状

新車供給が8~9割の水準に回復したことで、中古車相場も適正化に向かい始めた。その結果、コロナバブル...


SE Ranking