公開日: 2020/06/22
更新日: 2022/09/06
ホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)は2月25日、埼玉県和光市にある「和光市民文化センター・サンアゼリア 小ホール」で報道関係者を集めて「2020年 ホンダライディングギア報道説明会」を開催した。
冒頭、HMJの加藤千明社長が挨拶。
「直近3年間を振り返ると、国内市場は最大のボリュームゾーンである原付一種の減少に歯止めがかかりません。それでも37万台規模で横ばい微減という状況を維持できました。ホンダでは新機種を投入し、30代までの『ミレニアル世代』や、60歳以上の活動的な『アクティブシニア』の興味・関心をつかむことで、国内の二輪市場を底支えできたものと考えています」
その結果、2019年のホンダの国内二輪販売台数は17万4000台を達成。全体需要が横ばいもしくはわずかに減少するなか、2018年から台数、シェアともに伸ばした。
「2017-2019中期計画では、『商品』『販売網』『販売フロントオペレーション』の3つを変革することにより、『量の拡大』と『質の向上』を実現し、健全で永続的な国内二輪ビジネスの構築を目指してきました」
2017-2019で目指したことはほぼやりきることができたが、唯一、達成できなかったのが、国内二輪市場最大の課題である『市場の活性化』だと話す。
「2020-2022の中期計画では、ビジネスとしての量と質を追求していくことに変わりはありませんが、『量の創造』と『質の進化』を求めていきたい」
二輪に興味や関心を持った人がもっと気軽に、もっと手軽に乗れる機会を作り、二輪車を身近なものとして感じてもらうような、市場活性化につなげていく施策を今年の4月からスタートさせる予定だという。
「市場活性化において、ソフト面での重要なものの一つが、お客様のライフスタイルを表現する洋用品。これが今まで以上に重要なアイテムになってきています。ドリームネットワークにおいても、『ライディングギアPROSHOP』の展開を加速させています。今後も、市場活性化に向けた新たな洋用品の提案や、ドリーム店店頭の充実、提案力の強化を図っていきます」
『モノ消費からコト消費へ』と言われて久しいが、洋用品は、コト消費を満足させるアイテムとして重要なポジションを担っており、その役割は今後、さらに高まってきていると言えよう。
2020年のホンダライディングギアの取り組みについて説明したのは、HMJ aftermarket本部・部用品部の鶴川弘部長。
「国内市場においては、原付一種の縮小傾向はこれからも続くのではないかと想定していますが、趣味としての二輪車市場は堅調に推移していくと予測しています。そのような中、ホンダの課題は、若年層の新規客を増やし、将来の二輪市場を維持するための市場活性化だと考えています。洋用品についても、バイクの楽しさを広げる商品を継続して提案していきたい。2020年は、車両だけではなく、洋用品を活用した『コト体験』を含めた提案を軸に、販売施策、宣伝広告、商品の3つを展開していきます」
鶴川部長は、グラフなどを用いて説明していたが、その中に注目したいポイントがあった。洋品の品揃えを重要視するユーザーの割合が高かったことだ。ライディングギアが、バイクライフに欠かせないアイテムになっていることの表れだろう。
「商品展開については、これまでと大きな方向転換はありませんが、ライディングギアの位置付けを、『ホンダのFUNモデルの世界観を表現するアイテム』『二輪の楽しみを感じられるアイテム』としております」
やはり、販売店が気になるのは、ウェアだけでなく小物類も展示商品トレンドだろう。
グラフ1が、販売店からのジャケット受注状況だ。原付二種の販売向上に伴い、気軽に着用できるカジュアル系の人気が昨年に比べ伸びている。特に、フード付きの商品は全体を通しても人気が高いという。バイクバイクした商品よりも、気軽に着られる商品が人気だ。
受注トップの「エアスルーUVジャケット」は希望小売価格7500円(税抜)で、値ごろ感がある。これは、価格帯別受注状況においても同様となっており、1万円から2万5000円以下の商品が多くなっている。
また、カラー別に見ると、ブラック、グレー、ホワイトのモノトーン系のカラーが全体の65%を占める結果となっている。
今回の報道説明会の中で、ホンダより「原付二種以上のクラスに、ビジネスチャンスがある」という説明があった。国内市場において、堅調に維持するのは原付二種以上のクラス。このクラスにおいて、中で、車両だけではなく、ライディングギアなどのアイテムを含め、どうバイクライフをユーザーに提案していけるか。それが重要だと感じた。
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