公開日: 2021/11/29
更新日: 2022/09/06
ユーザーは愛車のエンジンオイルをどのように選択するのか?ベテランライダーを除き、大多数がプロショップや量販店任せでないだろうか。
新車を購入し、ディーラー推奨の純正オイルを定期的に交換していれば問題は起こらない。しかし、これが現在ブームの旧車となると状況は異なってくる。ヴィンテージ、つまり中古車のエンジンは走行距離や保管状態によってコンディションが様々。プロショップの貴方が推奨するオイルが、ユーザーのエンジンコンディションを左右する可能性もある。
高額な化学合成油を使用していれば安心、とはいかないのが旧車の難しいところだ。むしろ、高性能な化学合成油は旧車に適さないという話は以前からユーザー間で囁かれている。化学合成油は低フリクションで過酷な環境でのエンジン潤滑に優れている反面、シール類を優れた浸透性ゆえに攻撃してしまい、オイル漏れを誘発することがある。更に低フリクションが仇となり、スタータークラッチを滑らしてしまい、始動困難となるケースもある。これらの原因全てがエンジンオイルであるか否かの議論は別としても、1パーセントでもトラブルの可能性があれば、高価な旧車ユーザーは敬遠したいものである。「旧車エンジンには鉱物油ベースの高性能オイルを」。現在はこの考えがスタンダードになっているのだ。
そこでお勧めしたいのがPENNGRADE1(ペングレード1) である。二輪用に発売されているV24-Stroke High Performance Motorcycle Oilは部分合成油。優れた粘着力でコールドスタートや高回転時の負荷からエンジンを守る。注目すべきはそのベースオイルの鉱物油の信用性と長い歴史にある。
1800年代後半のオイルラッシュ。生成技術が未熟だったその時代に、高品質な潤滑油が得られたペンシルバニア産オイルは、その鮮やかな濃いグリーンの色からグリーンオイルと呼ばれた。長い間BRAD PENN(ブラッドペン)として発売され、現在に至るまで多くのレースシーンでも活躍してきた。
いかに優れた添加剤をブレンドしても、ベースオイルの性能が低ければ十分な特性を発揮することできず、オイル寿命は短い。ペングレード1は言わばペンシルベニア産グリーンオイルと添加剤の「長所」のブレンドオイルである。なぜこのオイルが旧車に良いのか、それはこのグリーンオイルには、ZDDP(亜鉛・リン等)と呼ばれる耐摩耗成分が多く含まれている。最近のオイル規格は環境重視のため、このZDDPの含有率が低い傾向にある。また現行車は旧車に比べ耐摩耗性などが格段に進化しているため、問題は無いが旧車は、使用している設計やメタル材質が古いので、ZDDPの含有率が高いオイルを使った方が、よりエンジン内部の摩耗が抑えられ、寿命も延びる事に繋がるというわけだ。
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