コラム

子どもに多い乗り物酔いのメカニズムとは⁉

公開日: 2020/06/22

更新日: 2022/08/26

 どんなに技術が発展し、どんなにモビリティが進化しても、いつの時代も〝存在〟するものがある。乗り物酔いだ。子どもほど起こりやすいと言われているが、実際のところはどうなのだろうか。今回は、乗り物酔いに関するメカニズムや予防グッズなどについて見てみることにする。乗り物酔いはなぜ起こるのか。これは、人間の体の仕組みや、乗り物に乗ったときに感じる揺れやスピードなどが関係している。人は目から入る情報と、耳の中で感知している情報を使い、体のバランスを保っている。また、筋肉や関節で、揺れとスピードという情報を得る。これらの情報は脳に伝達され、脳は何度か経験した揺れやスピードを記憶し、同様の経験をした際に対応できるよう、姿勢を制御できるように備える。

 しかし、経験したことのない揺れやスピードを感じると、脳はその情報を処理しきれなくなり、不快という判断を下す。その結果、体内環境を整える自律神経が乱れ、吐き気や嘔吐、めまいなどの不快な症状が発生するのだ。一般的に、子どもほど酔いやすいと言われているが、これは、子どもの脳や自律神経の発達は、大人に比べ未熟であり、乗り物に乗る経験も少ないためである。

 乗り物酔いの予防としては、十分な睡眠をとる、空腹を避けるなどいくつかあるが、最も効果的なのは、酔い止め薬を飲むことだろう。この酔い止め薬だが、どのような人が、どのような時期に購入しているのだろうか。都内の大手ドラッグストアに勤務する薬剤師の山田さん(仮名)は、

「遠足や林間学校などが行われる時期や夏休み期間に、子ども連れの方が買われていきます。また、行楽シーズンには子ども連れの方だけでなく、年配の方にも売れています」と話す。酔い止め薬は子どもだけでなく、大人にも需要があるというわけだ。リサーチパネルが2018 年に行った「酔いやすい乗り物はありますか?(複数回答可)」というアンケート(回答総数:12万7086 件)では、「乗り物酔いにはならない」と回答した人が35・6%であった。つまり、残りの約60%以上の人が、大人になっても乗り物酔いの症状が起きているのだ。

 個人差はあるものの、薬を飲むことである程度、乗り物酔いは緩和される。しかし、服用の問題として山田さんは「酔い止め薬は、他の薬と併用すると副作用が出る可能性があり、常に服用できるわけではありません」と指摘する。

 しかし、この問題については、昨年より日本で発売されている「魔法のメガネ」が解決に役立っていることをご存じだろうか。2018年にフランスの自動車メーカーシトロエンが発売を開始した、ドライブを快適にするリラクゼーションメガネ「シートロエン(SEETROËN)」がそれ。同製品は、レンズ縁が4つもあるデザインになっており、乗り物酔い止め有効率95%を誇るスグレモノ。税別1万5000 円と高価なものであるが、乗り物酔いに悩む人は、検討してみてはいかがだろうか。

 なお、乗り物酔いは精神的な要因が大きく影響する症状でもある。そのため「酔い止め薬を飲んでおけば大丈夫」などと声をかけたり、自分自身にそう言い聞かせたりすることも、効力のある薬と言えるだろう。

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