公開日: 2020/06/23
更新日: 2021/07/13
訪日外国人観光客に「あなたの好きな日本食は何か」という質問をすれば、多くの人が「寿司」と答えるだろう。いまや日本だけに留まらず、世界中の老若男女を魅了している「寿司」。これを、より身近なモノものとして定着させたのが回転寿司である。この、〝回転〟という形態を成り立たせているのは、レーンによる寿司の移動だ。レーンには、来店客をもてなす様々な工夫が施されていることをご存じだろうか。今回はそんな、回転寿司屋に関するトリビアを紹介していく。
回転寿司屋に行った際、寿司はレーンの上を回りながら各席を通過していく。どっち回りか思い出せるだろうか。正解は、右(時計)回り。実に9割のお店が採用している。この理由は、日本人の多くが右利きであることに関係している。寿司を食べる際、多くの人は右手に箸を持つため、流れてくる寿司を取るのは、ほとんどの確率で左手となる。この場合、右から左へ皿が流れていく方が取りやすいのだ。また、利き腕だけでなく利き目も関係している。こちらも多くの人が右目であるため、右から流れてくる方が視界に入りやすいと言われている。つまり、商品の取りやすさ、選びやすさを考慮して、多くの店舗ではレーンを右回りにしているのだ。ちなみに、いつも右回りで寿司を回しているお店が左回りに変えたところ、3割以上売り上げが減ったという報告も存在する。
他にもレーンには、スピードや形にも工夫が施されている。スピードについては、多くの店舗で「秒速4㎝」が採用されている。これは、人間が身近な物を見た時から落ち着いて確認することができ、また、取ることができる速度なのだという。形については、扇形にパーツが連なっている特徴があるが、これはカーブを曲れるようにするためだ。
最近はオーダー方法にも変化が表れている。食べたいと思う寿司をタッチパネルで注文し、厨房から直線型の高速レーンで客席まで届けられる回らない回転寿司屋が増えてきているのだ。この動きには、タッチパネルでのオーダー率が増えているという背景がある。Jタウンネットが昨年1月19日(土)~2月25日(月)にかけて行った「回転寿司、レーンの寿司を取る?取らない?」というアンケート(総得票数2070 票) では、5人に1人が「レーンの寿司は絶対に食べない」という結果が明らかになった。この結果が示すように、回転寿司も変化しているのだ。
土日にもなると、多くの家族連れでにぎわいを見せるが、その人気の理由は、美味しく安く、それでいて自分の好きなネタを取ることができるところにある。回転寿司は海外にも進出し、広く認知され始めている。もはや日本を代表する食文化の一つと言っていいだろう。
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