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3分でわかる中古車ビジネスの“ツボ” ユーザーとの会話で気をつけたいポイントとは?

公開日: 2024/12/13

更新日: 2024/12/18

イヤだと感じる境界線への配慮、バイクの話に終始しないこと、バイクの話はなるべくユーザー発信を待つ・・・・。ユーザーと会話するときのポイントは『ユーザーファースト』なのだ。

ユーザーの欲していることを知りたくても、ファーストコンタクトで根掘り葉掘り聞くのはNG

※写真はイメージです
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ユーザーニーズを掴む。つまり、どのようなバイクライフを想像し、どのようにバイクライフを送りたいのか。それを知ることで、店としてはさまざまな提案が可能となる。「アウトドアが好きなので、キャンプがしたい」というユーザーなら、キャンプ道具など荷物のいっぱい積める大型のキャリア、道具一式を積み込めるケース・バッグ類、キャンプを得意としている店なら道具そのものなど、バイク本体以外でもいろいろな提案につなげていける。それだけに、来店したユーザーが何を求めているのかをいち早くキャッチすることは、販売において重要なことのひとつだ。

しかし、ここで気をつけたいポイントがある。それは、最初からあれこれと聞き出そうとしないということ。理由として挙げられるのは、自分自身が「人見知り」だと思っている人が高い割合を示していることにある。人見知りについては、数々のデータが発表されているが、あるアンケート調査では大人の約7割が「自分は人見知り」と感じているのだという。他人と接することが苦手という人はかなり多いのだ。

自分がユーザー側だったとして、ある店に初めて行った時、初対面の店員にいくつも質問されたらあまり良い気分にならないという人は、決して少なくないだろう。場合によっては、その店には二度と行きたくない、と感じる人もいるのではないだろうか。東京都のある販売店では、初来店のユーザーに対して心がけていることがあるという。

「来店されたお客さんには様子を見て話しかけますが、ファーストコンタクトでは、相手のことを絶対に根掘り葉掘り聞かないようにしています。もちろん、お客さんが何を欲しているかを知りたいという気持ちはあります。むしろ、すぐにでも知りたいと思います。でも、それはこちらの都合。お客さんは人と話すのがあまり好きじゃないかもしれませんし、下手に質問するとお客さんにとって聞かれたくないことにまで踏み込んでしまうかもしれませんから」

一見客との接客においては、そのユーザーが会話の中で嫌悪感を抱くようになる境界線は分からない。嫌な思いをさせないためにも、ユーザーのことを知りたいという気持ちは抑えるようにしているのだという。

バイクに関係ない話でも、展開次第でバイクに関する提案につなげることができる

バイクに関係ない話でも、展開次第でバイクに関する提案につなげることができる
バイクに関係ない話でも、展開次第でバイクに関する提案につなげることができる

では、前述の店ではどのようにしてユーザーニーズを把握しているのだろうか。それは、簡単に言えば、複数回会うことで徐々に聞き出しているのだ。初めて来店してから納車に至るまで1回しかユーザーに会わない、ということは、そう多くはないだろう。少なくとも初来店時と納車時の2回は会うはずだ。何度か会うことで少しずつ話しやすい雰囲気になっていくのだという。

ただ、そこでも気を付けているポイントがある。バイクとは関係ない話から入るようにしているのだ。例えば女性ユーザーなら、『オシャレなカフェ』などをテーマに選ぶ。最近、女性ユーザーがバイクでオシャレなカフェ巡りをしているという話をよく聞くので、それをさり気なく話に挟むのだという。初めからバイクの話をするのではなく、会話の中で話をバイクにつなげていくことで、ユーザーの描いているバイクライフを掴んでいく。

バイクに関する話をする時は、なるべくユーザー側から発信してもらうこともポイントのひとつ。例えば、シート高。小柄な人だからと「シート高が高いのが気になる」と言われる前に先回りしてシート高を低くする提案をしてしまうと、怒らせてしまうことがある。足つき性は大事なことだが、足つきが悪いままのバイクに乗ってはいけないということはない。シート高を下げると見た目のバランスが変わってしまうため、それを嫌がる人もいる。「足がちゃんとつくという安心感が欲しい」と相談されたら、ローダウンシートやシート加工などを提案するほか、ユーザーの欲しいバイクをレンタルしている店であれば一度乗ってもらって確かめてもらう。

イヤだと感じる境界線への配慮、バイクの話に終始しないこと、バイクの話はなるべくユーザー発信を待つ・・・・。ユーザーと会話するときのポイントは『ユーザーファースト』なのだ。

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