EV電動バイク電動キックボード

新しい時代の完全なるマクアケ!? 人気高まる『電動モビリティ』

公開日: 2020/08/03

更新日: 2022/08/26

すでに目標の25倍以上。応援購入金額1億円を突破したグラフィットのプロジェクト

 このところ、小誌において掲載頻度の高い記事がある。電動バイクや電動スクーターといった類の『電動モビリティ』だ。エンジンを搭載しておらず、動力となるモーターをホイールの中にセットすることが可能であるため、ボディデザインの自由度が高い。原付一種相当の製品の中には、一般的なスクータータイプのほかにも、キックボードにモーターを取り付けたような立ち乗りタイプの車両もある。


 もちろん、そうした変わり種だけではなく、スポーツ系のモデルもある。一例を挙げれば、6月号で取り上げた電動バイクブランド「XEAM(ジーム)」が取り扱いを開始した「スーパーソコ」や「ゼロ・モーターサイクルズ」のモデルがそれ。しかも、原付一種から大型二輪、スクーターからスポーツ系まで幅広くラインアップしている。まだインフラの整備などの課題はあるものの、いまや電動バイクは競争力のある製品として、エンジン搭載モデルのライバルと言えるポジションを確固たるものとしつつある。

 また、単に競争力のある製品というだけではない。消費者からの関心度もかなり高い。それを示しているのが、「glafit株式会社(以下、グラフィット)」がクラウドファンディングサービス「Makuake(以下、マクアケ)」で立ち上げた電動モビリティのプロジェクト「X‐SCOOTER LOM(以下、ロム)」だ。このプロジェクトは、目標金額400万円で5月28日にスタートし、8月25日の終了まで残り50日となった7月6日時点で、応援購入金額が1億円を突破。もうすでに25倍以上となっている。プロジェクト終了までは、まだ1か月以上あるので、さらに上乗せされることは確実。

 このグラフィット、過去にもマクアケで大反響を読んだプロジェクトを展開している。2017年5月30日から開始した「glafitバイクGFR-01(以下、GFR)」のプロジェクトだ。目標金額300万円に対して、集まった応援購入金額はなんと1億2800万円超。これは、当時のマクアケの最高記録。目標の40倍以上という結果からも、期待値と関心度の高さがうかがえる。もうすでに3年前には、消費者に訴求できる製品を送り出していたのだ。また、グラフィットは昨年1月にヤマハと資本業務提携を結んだことを発表するなど、二輪業界とも関わりが深い企業なのである。

ユーザーニーズはある。電動モビリティが街なかにあふれる前がビジネスチャンス

残り50日の時点で既に応援購入金額が1億を突破した「X-SCOOTER LOM」プロジェクト
残り50日の時点で既に応援購入金額が1億を突破した「X-SCOOTER LOM」プロジェクト

 GFRに続くのが、今回のロム。同車は立ち乗りタイプの電動モビリティ。その立ち乗りという性質上、短距離移動が主体だろうから、インフラが整備されているか否かは問題とはならない。むしろ、そのような「ちょっとそこまで」の“チョイ乗り”に特化することが、ロムのデザイン(カタチではなく仕様・コンセプトなども含めた『デザイン』)の真価であり、注目を集める要因ではないだろうか。

 このロムは、GFRを手がけたグラフィットの製品であるため、立って乗れる電動モビリティというだけのものではない。公道走行を想定し、フロントには安定感のある12インチホイールを採用。また、正面を向いて乗れるので、自然でバランスの取りやすい姿勢で乗ることができ、操縦安定性も良い。テスト値では、1回の満充電で40㎞の走行が可能で、用途に合わせて「High25㎞/h以上」「Mid 25㎞/h」「Eco 10㎞/h」のモードが選べる。

 バッテリーは着脱可能で、60㎞走行が可能な大容量タイプも用意。また、学習機能を備えたパナソニック製BMS(バッテリー・マネジメント・システム)が搭載され、ユーザーの行動に合わせた航続距離や電池残量をスマホアプリに表示することも可能。さらには、折りたたんで持ち運べるコンパクトボディ。詳しくはグラフィットのサイトで確認できる。ロムには、同社のこれまでのノウハウや新しいアイデアがギッシリと詰まっているのだ。

カラー展開はホワイト、モカベージュ、スカイブルー、マットブラックの4色
カラー展開はホワイト、モカベージュ、スカイブルー、マットブラックの4色

 これらの製品を世に出しやすくなっている背景のひとつに、広く一般から出資を集めることのできる、クラウドファンディングサイトの存在がある。マクアケに限らず、様々なクラウドファンディングには、電動モビリティを含めた、二輪に関する多種多様なプロジェクトが立ち上がっている。今後、二輪関連の情報を収集する際は、クラウドファンディングのチェックは欠かせないだろう。

 まだまだ街中で電動モビリティを見ることは少ない。しかし、目標の何十倍という応援購入金額が集まるグラフィットのプロジェクトからも分かるように、ユーザーニーズがあるのは確かだ。『先んずれば制す』という言葉があるが、街中にあふれる前が、大きなビジネスチャンス。商材として興味を少しでも持ったなら、まずは問い合わせて話だけでも聞いてみるのもいいだろう。

「現在、当社では、販売店・メンテナンス店を募集しています。お問い合わせ頂ければ、営業よりご連絡いたします」(グラフィット広報)とのこと。問い合わせ方法は、グラフィットのサイトに行き、「CONTACT US」をクリック。CONTACTページの「GENERAL INQUIRIES」にある「お問い合わせフォーム」に必要事項を入力して送信。それで完了だ。

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