カスタム旧車ショップ

2002年創業のサイドカー専門店、ブリストルドックスの専門スキルを紐解く

公開日: 2021/02/19

更新日: 2022/09/06

 サイドカーとは、その名の通り二輪の横にカー(側車)を取り付けた側車付き二輪車である。19世紀後半に誕生し、3人乗車で荷物も大量に搭載できる実用性から、ヨーロッパを中心に広く普及した。機動性が高く、四輪よりコストが安いため、ドイツは第二次世界大戦で軍用サイドカーを多数製造。悪路の走破性を高めるために、カー側の車輪も駆動する二輪駆動も登場した。

氷上を駆け抜けるサイドカー。今年はコロナ禍で中止になったが、毎年1月には氷上走行イベントを池田氏自ら主宰する
氷上を駆け抜けるサイドカー。今年はコロナ禍で中止になったが、毎年1月には氷上走行イベントを池田氏自ら主宰する

 この二輪とも四輪とも異なる歴史あるサイドカーが、現代においてどんな魅力を持つのか、都内唯一のサイドカー専門店「ブリストルドックス」代表の池田氏に話を聞いた。

「サイドカーの操縦性はバイクとは全く異なります。左右非対称の為、加速した時はカー側に回り込みます。減速すると逆に本車側に進路を変えます。これがサイドカーの独特の挙動であり、この特性を理解することで敏捷な動きを楽しんだり、ハイスピードでのコーナーリングを手に入れたりすることができます。面白いのは パッセンジャーが乗ったときには更にその特性を高めることができることです。この独特な操縦性を理解し、乗り味を楽しみながら自分の技術を向上させるのが、サイドカーライディングの醍醐味です」

<center>Mutt Motorcycle サイドカー</center>
Mutt Motorcycle サイドカー

 そんなサイドカーの製作・セットアップには特殊なスキルが要求される。一般的な業販システムや、ディーラーネットワークでは決して賄えない。

「当社ではサイドカーの販売はもちろん、カーの装着や側車付車検の取得、チューンアップやレストアなど幅広いご要望に技術と知識でお応えしています。サイドカーの車体の大きさは乗用車とほぼ変わりません。二輪の軽快性や四輪の実用性とは相反するモノなので、ユーザーにはダイレクトに当社にお問い合わせをいただきます。現在のサイドカーユーザーは一般二輪ユーザー以上の高齢化が進んでいます。私も年齢を重ね、在庫やメンテナンスで多くのサイドカーを預かれる大型店舗から自分の目が行き届く理想の大きさの店舗に移転しました」

 昨年、杉並区から現在の調布市富士見町に移転。目が行き届くサービスを、池田氏自ら行う体制が整ったという。最近では軽二輪のサイドカーに注目が集まり、このところ問い合わせが増えてきている。なかでも新登場の「MuttMotorcycleサイドカー」は特にその存在感が光っている。これまで大排気量が中心であったサイドカーの世界に小排気量車の参入は、ユーザー獲得への新たなアプローチとなるだろう。

「当店はサイドカーを駆る楽しさをご案内するだけでなく、エンスージアストの探究心にお応えするプロショップとして長年、多くのサイドカーリストに厚い信頼をいただいています。何時でもサイドカーに興味をお持ちになった全ての方に向け、常時エントランスを解放しております。是非ブリストルドックスにご来店いただき、サイドカーの魅力に触れてみてください」

<center>ブリストルドックス代表 池田澄生</center>
ブリストルドックス代表 池田澄生

ブリストルドックス
調布市富士見町4-32-10
042-444-0206
http://www.bristoldocks.jp

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