カワサキニューモデル足つきインプレ試乗インプレ動画

カワサキ新型「KLX230SM」足つき&試乗インプレ!

公開日: 2023/01/11

更新日: 2023/01/11

KLX230SMのSMとは「スーパーモタード」、もしくは「スーパーモト」の略。実は最近まで、スーパーモタードは絶滅しかけていた分野でした。2000年代前後にブームがあり、オフロードスタイルだけど、オンロードタイヤのバイクを装備した車両が一時期増えました。ですが次第に車種がなくなり、カワサキもDトラッカーXが最後でしたが、今回KLX230SMがラインナップされました!

スポーティーなオフロードスタイルの外装に、オンロードの17インチタイヤ。エンジンは空冷で、装備重量が136kg。シート高は845mmです。私は以前、Dトラッカーのオーナーだったので、今回の登場、非常に楽しみにしていました! KLXとはエンジン型式など何もかも違いますけれども、そちらとも比較していきたいと思います。

気になる足つきチェック!

シート高は845mm。私は身長160㎝の手足短めで、シート高が800mm以上のバイクだと地面に足が届かないのですがどうなるのか・・・。サイドスタンドを立てた状態だと少し低く感じますが、シートはお尻というより腰辺りにあるイメージです。ハンドルは一般的なオフロードという感じで、幅広で高い位置にあり、手前に引けています。そしてライディングポジションからハンドルの位置が近いです。

ではまたがっていきます!以前乗っていた自分のDトラッカーと比較すると、明らかにシートが低い。ですが、左足ベタ着き状態でバイクを支えると、右足は完全に浮いてしまい、ステップを踏むのもギリギリです。そして、サスペンションが容赦ないですね。このまま競技に出られそうなくらい本格的で、体重を掛けてあまり沈みません。

では、またがった状態でバイクを起こします。シートが高いので足の力は一切使えませんが、手の力で起こしてみると、優しくリアサスペンションが沈み込んだのが分かりました。この辺りに技術革新を感じられます。足の踏み変えはというと、左右にお尻を滑らせる感じでどうにかできます。

そして問題の、バイクに乗った状態でサイドスタンドが払えるかどうか・・・。

一瞬の滞空時間が出来てしまいますが、どうにか出し入れできます。ツノがあればもっと簡単に出来るんですが、なかなか厳しいですね。そういう時はバイクを降りて、サイドスタンドを払い、車体を安定させるのにハンドルを右に切ってからまたがります。

Dトラッカーの時はまたがった状態で一切サイドスタンドの出し入れができなかったので、それと比べると全く問題ないと思います。おそらく普通の足の長さの方だったら、サイドスタンドに足が届くと思うので、慣れればなんてことはない。普通のオフロードバイクよりも日常使いしやすいバイクだと思います。

気軽に運べる取り回し


17インチのオンロードタイヤがどれだけ小回りに効くのか。駐車場の出し入れを想定してやってみたいと思います。まずバイクを起こす際、オフロード車の良い所は、とにかく車体が軽いところ。Dトラッカーに比べると全体的に重心が低くてコンパクトなので、押し出しが凄く軽い!何でこんな軽いのっていうぐらい軽いですね。車体を起こす動作が楽ちんです。

ハンドルをフルロックにしてみましたが、高さを全然感じさせない。KLX230SMって物凄く本格的なオフロード車という感じだったのですが、そんなに気負うことなく気楽に押していけます。

続いて、小回りがどれだけできるのか、クルクル回りながら検証していきます。シートの下あたりを腰で支えてバックしてみましたが、軽く小さく取りまわせています。左にハンドルを切って前に押してみますが、軽いので車体を少し寝かせて押すことで、より小さく回すことができます。重心がやや下寄りにあるので、多少グラっとしても全然支えられます。一番やりづらい、右にハンドルを切ったままのバックも、バランスが取りやすくて、女性でも問題なく支えられる車両だと思います。

現代技術を感じる快適な走り心地!

試乗インプレに行ってきます。低速で走っていますが、FIエンジンが素晴らしい。低速での粘りが凄くて、エンストする気がしないですね。息つきもギクシャク感も全くないです。そして、物凄くリニアでコントローラブルな感じがします。バイクに乗り慣れている方で、スロットル操作で何かしたいときに、この機敏で繊細な感じが走りを助けると思います。

もう一つエンジンの凄さを感じるのが、トルクです。低速から回転数を上げていくと、単気筒らしいドコドコ感と共にトルクをめちゃくちゃ感じます。単気筒ってバックトルクの処理がキャブレター時代課題だったと思いますが、非常に扱いやすいと思います。そして4速の限界まで回転数を下げても何とかなっちゃうというね!現代技術って凄いですね。

回転数を下げた状態でも、すごく小回りします。もちろん回転数をしっかり合わせればもっと小回りできると思います。オフロードスタイルで小回りをさせるためのコツとしては、左に曲がる時に右側のエッジに座り、右に曲がる時に左側のエッジに座るようなイメージで、かつリアブレーキを踏んでおくこと。車体のコンパクトさもあるので、キビキビコンパクトに回れる印象です。

高速で走ると気が付くのがブレーキの優秀さ。フロントブレーキが凄くよく効きます!ちっちゃいブレーキなのにしっかり効いて、それを受け止めるフロントのサスペンションが奥でしっかり硬い。

リアブレーキを、ABSが効くまでかなり踏みこむと、足の親指をつつかれているような感覚はありますが、怖いイメージは全然ないです。ABSがついていることで、本当に何かあった時に思い切りブレーキを掛けられる安心感が非常にあります。

日本人のバイクのユーザーの使い方って、オフロード車であってもアスファルト走行がほとんどという話がありますが、そういう意味で、KLX230SMは日常使いにいいバイクだと思います。

感想

KLXは往年の競技性が高いスーパーモタード車両というよりは、日常使いに便利。改めて見ますとシンプルな車体で、装備を削ぎ落としつつも、ABSがついていたり、ヘルメットホルダーがちゃんと鍵付きだったり、オプションでETCの鍵付きボックスが付けられたりと、非常に日常使いに便利だと思います。

ツーリングやタンデムをする際にも、シートにしっかり面積がありますし、荷物を積もうと思えばキャリアを利用できます。スポーツしてみたい方も、ミニバイクコースや体験走行的にサーキット走行もできちゃいます。もちろんスーパーモタードにトライしてみるのもよし!実はオールマイティーに色々楽しめる一台でした!



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