公開日: 2026/02/09
更新日: 2026/02/24
2025年の新車国内出荷台数が33万7100台(推定値 二輪車新聞調べ)となったことが分かった。2024年に32万台を割り込んだことから、今後を占う意味でも2025年はさらに下げるのか、あるいは回復するのかが注目されていた。結果は前年比5.4%増の34万台弱となり、コロナ禍前の2019年を上回る回復ぶりを見せた。
2021年は37万8720台、2022年は36万8793台、2023年は37万7082台。コロナ禍において密にならない移動手段として注目されたことなどから、新車国内出荷台数はコロナ禍前の2019年と比較して3万台以上も増加した。
しかし2024年、いわゆるコロナバブルが弾け一気に台数を6万台近く落としてしまい、32万台にわずか111台ショートの31万9889台となっていた。そのまま台数を減らしていってしまうのか、はたまた回復に向かうのか。もし、2024年のように数万台単位で減らしてしまうことになれば、30万台を割り込むこととなってしまう。2025年の出荷台数は、これからの二輪業界の動きを探る意味でも大きな意味を持っており、注目されていた1年でもあった。
そして、このほど二輪車新聞社が発表した2025年の出荷台数(推定値)は、33万7100台。前年比5.4%増となり、33万台以上に復帰。コロナ禍前の2019年の台数である33万2106台をも超える結果となった。
各クラスの台数を見てみよう。原付一種は10万6300台(前年比3.5%減)、原付二種は10万7200台(同4.8%減)、軽二輪は6万3800台(同46.6%増)、小型二輪は5万9800台(同11.5%増)となり、軽二輪クラスと小型二輪クラスは前年の台数を上回った。特に軽二輪は2024年よりも2万台以上もの増加で、言ってみれば、軽二輪のプラスがそのまま台数に反映された格好となった。
次に各クラスの内容を見ていくと、原付一種の出荷台数は10万6300台。2023年に10万台を割り込んだが、2024年には再び10万台に復帰した。前年比では3.5%のマイナスとなったものの、2年連続して10万台以上を記録している。
原付一種クラスにおける2025年の大きなトピックといえば、『新基準原付』の登場。今さら説明するまでもないが、排気量125cc以下で、最高出力が4.0kW以下に抑えられたものだ。ただ、新基準原付モデルが実際に発売されたのは2025年の後半。ホンダのDio100 Liteの発売が11月20日で価格は税込23万9800円。50ccモデルのDunkは税込22万9900円だったので、排気量が拡大されても価格面では50cc時代と大きくかけ離れるということはなく、また、原付二種のDio100ベーシックが税込25万800円なので、それよりは低く設定されていた。だが、発売自体が11月後半だったこともあり、出荷台数への影響はそれほど大きくなかったようだ。
だが、2026年は新基準原付の動きがダイレクトに出荷台数へ反映されることとなる。ホンダからはディオ以外にスーパーカブシリーズも発売されており、ヤマハはJOG125ベースの車両の投入を正式に発表した。スズキもアドレス125やアヴェニス125をベースにしたモデルを投入する可能性は高い。これらがどうユーザーに受け入れられていくかによって、原付一種クラスは大きく台数が左右されることになる。原付一種は今年が大きな勝負の年になりそうだ。
原付二種クラスは10万7200台で、2018年から8年連続して10万台以上を達成。2023年に原付一種の出荷台数を抜いてボリュームゾーンとなったが、2025年も出荷台数はトップで、3年連続して最大のボリュームゾーンは原付二種となった。
原付一種に新基準原付が登場し、その影響がどう出てくるのかによって、2026年における原付二種の動きも大きく変わってくるはずだ。ただ、新基準原付は排気量が125ccまでとなっていても、最高速度は30km/h以下、二段階右折、二人乗りNGなど50cc以下の原付一種と交通ルールは同じ。その点に不便さを感じているユーザーは、今後も変わらず原付二種に魅力を感じるだろう。
大きく出荷台数を伸ばしたのが軽二輪クラスで6万3800台。6万台以上となるのは、コロナ禍以来のこととなる。
メーカー別で見ると伸長幅が大きいのはカワサキ。2024年は3671台。それが一気に1万3500台と約3.7倍にも増えているのだ。表にはしていないが、販売台数の第3位にW230/メグロS1(4837台)が入っており、同車の登場が2024年11月。その人気ぶりがそのまま直接台数に反映された。このほかカワサキからは2024年11月・12月、2025年1月にKLX230S/SM/シェルパも発売されており、それらも2854台を販売。ランキングで5位に入るなど、人気モデルのひとつとなっている。これらが登場したことによって、カワサキは大きく台数を伸ばした。
相変わらず販売ランキング1位を独走しているのはホンダのレブル250/Sエディション。2025年で8年連続して1位となる。クラスを牽引するモデルがあるのはいいことだが、問題はその人気にかげりが見えた時、どうするのか、である。販売ランキングを参考にするだけではなく、例えば、店の客層やユーザー特性を踏まえて「ウチはこのカテゴリーの販売に特化する」といった中心モデルの設定とユーザー訴求に力を入れるのもひとつの手段。例えば「XSR900ならバイクショップ○○」といったイメージの醸成だ。レブルに人気のある今のうちから、次の手を考えておくことが求められる。
小型二輪クラスは5万9800台。販売ランキングでは、400ccクラスのトップがカワサキ・エリミネーター/SE、401cc以上が同じくカワサキ・Z900RS/カフェ。大排気量はやはりカワサキが強い印象だが、シェアでトップとなったのはホンダ。GB350/S、CB1300SF/SBなどが販売ランキング上位に顔を出している。
このクラスも、軽二輪のレブル同様にZ900RSシリーズが8年連続で1位となっているが、いつまでトップを走り続けられるのかは不明。このクラスも次の候補を探し、ユーザーに訴求していく必要があるだろう。候補の一例としてあげたいのが、ホンダ・CB1000F/SE。同車は発売前から注目度がかなり高かったが、リコールで出鼻をくじかれた感がある。しかし、今も注目度の高さは維持しているので、Z900RSシリーズのライバルとして、あるいは次にクラスを牽引するモデルとして、2026年の動きを注視しておきたい一台だ。
次に中古車市場だが、軽二輪(中古新規)は11万3263 台(前年比5.7%減)で小型二輪が8万0893台(同2.6%減)。マイナス幅は小さいものの、軽二輪は徐々に台数を減らしてきているのが気になる点と言える。
新車市場も同様だが、中古車市場でも大排気量から250ccクラスまでアドベンチャーモデルの人気は高く、オフロードからオンロードまで楽しめることを訴求していければ、さらに多くのユーザー獲得につながるものと思われる。中古ではないが、今年1月30日には、ヤマハからWR125Rが発売される。アドベンチャーモデルの楽しさが原付二種にも広がれば、より一層、人気カテゴリーに成長する可能性を秘めている。また、スズキからもモーターサイクルショーなどで話題となったモデルDR-Z4Sが昨年10月に発売されている。
海外メーカーの動向としては、表4にあるように、11月時点ではハーレーダビッドソンがトップをキープ。BMWモトラッドが肉薄しているものの、残り1か月で400台差をひっくり返すのは厳しい感じだ。だが、この状況が続けば、2026年に逆転する可能性はあるだろう。また、前年比微減ながらも、トライアンフも着実に台数を重ねており、公式サイトでは近日公開予定のモデルが数種類あることを予告するなど、2026年も目の離せないメーカーとなっている。期待感を持たせるようなトライアンフのサイト作りは、販売店としてもヒントになるはずだ。
さて、最後になるが、2026年は、新基準原付がユーザーにどう受け止められるのか、圧倒的な人気を誇るレブルやZ900RSを脅かすモデルは登場するのか、次に代わるモデルを提案していけるのか、海外メーカートップ3に変動はあるのか。このあたりが注目ポイントになるだろう。また、「先んずれば人を制す」という故事成語もあるように、提案・訴求できることがあれば積極的に発信し、ユーザーを自店やバイクに惹きつけておくことが重要となる。そんな動きが求められる1年になりそうだ。
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