公開日: 2023/07/07
更新日: 2023/07/12
Zの血統を受け継いだカジュアル・レトロスポーツバイク「Z650RS」を、バイクジャーナリストの小林ゆきさんがインプレしました!
外観は70年代に往年の名車と言われるZ1、Z2、そしてその兄弟の「ザッパー」と呼ばれるZ650をオマージュし、現代の技術で蘇らせたモデルで、ネオクラシックというか少しレトロ。プラットフォームとしては、現代のZ650のフレームやエンジンを使って2気筒となっています。ですが角ばったZの雰囲気はどこにもないぐらい、非常にレトロシックな雰囲気を醸し出しています。
シート高は800mmで、20mm高いハイシートも用意されています。800mmというと、スポーツバイクとしては高いと思われるかもしれませんが、横に立つと、私が所有しているシート高790mm のGPZ900Rと比べると低い感じがします。そして足つきに重要なサイドの張り出しですが、往年のZ650と違って2気筒なので、シートは上から見た感じ、だいぶ前が絞れています。丸みが綺麗に削れていて、その下に往年のZ1、Z2のような風情のあるサイドカバーが付いています。
ザッパーは日常の足として非常に人気があったということなんですが、Z650RSも同じ雰囲気を感じます!
私のスペックは身長160cm、手足短め。同じぐらいの身長の方よりも手も足が4cmづつ短いのですが、シート高800mmはどうかというと・・・・とっつきの良さがすごいです!
体は左に寄せていますが、右足はしっかりステップを踏めていて、膝が90°曲がるくらいステップが高めに付けられています。最近のバイクだと身長175cmぐらいの方に合わせてステップが低いものが多いのですが、スポーティーに走る為の高さかもしれません。そして地面に着いている左足は、なんとカカトまで着いています! 少し真ん中に座り直しても足の母指球がしっかり地面に着いています。
では、またがったままバイクを起こせるかどうか。大事なのはハンドルの位置関係ですが、ハンドルポストからしっかり上に、手前に引けたハンドルになっているので、私の短い腕でも肘を曲げて握れます。超楽ちんです。そのおかげで腕に力を入れずに簡単にバイクを起こせました! すごい軽いですね。ですが、バイクを起こした状態だと左足の母指球がギリギリ届く感じなので、しっかり腕で支えてあげる必要があります。
足を踏み替える前に両足着地をトライしてみますが、流石に両足を着くのは難しいですね。つま先つんつんです。ですが、サスペンションがいい感じに沈んでくれるので、もう少し体重がある方であればもっと沈むと思います。
では、足を踏み変えてみましょう。シートは高級感あるタイプの表皮なので、滑りは良くないですね。少しオイリーなワックスをすれば滑るかもしれませんが、しっかりグリップするタイプのシート表皮になっています。ですがシートそのものが結構丸みがあるので、踏み変えを阻害する要素はないし、ステップも全然邪魔しません。
それでは、サイドスタンドが払えるかどうかやってみます。ちょっとしたツノが出ているので、ギリギリ届きます。出すのもつま先でも出せますし、足が長い人であれば、カカトでそのまま出せると思います。
装備重量は188kg。650ccというと大型2輪の括りになってしまいますが、400ccのゼファーぐらいの気軽さです。グラグラさせても何とかなりそうなポジション関係で、駐車場などに出し入れする際には、何にも考えずに軽さを楽しめると思います。大型2輪免許を取ったばかりの方や、まだまだリッタークラス不安な方、日常使いに気軽にバイク乗りたいよという方にはもう絶対おススメですね! 小柄なライダーでも、1日あれば楽ちんに色々出来るようになると思います。
デザイン的にも火の玉カラーがカッコよくて、シンプルかつカッコいいというのは、歴史に残る名車の普遍なんだなという風に感じます。カワサキの650ccエンジンは全体的な重心バランスにスゴく定評があって、どっしり感もありつつ、乗ってしまえば軽そうだなというね。これからどんどんスタンダードになっていきそうな感じがしました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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大型バイクに気軽に乗りたい方に絶対おススメ
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