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「Ori & Kaito」人との出逢いが織りなす、旅の魅力を発信

公開日: 2025/08/19

更新日: 2025/08/21

バイクで世界中を冒険するYouTubeチャンネル「Ori & Kaito」。今回、BDSグループの事業を一般ユーザーにも広く知ってもらいたいという思いと、2人の日本のバイクマーケットを紹介したいという考えが一致し、BDSグループをYouTubeで取り上げてもらうことに。それに先駆け、2人の活動についてインタビューを行った。

バイクで世界中を冒険する「Ori & Kaito」

コロンビアのカリ市出身。GB250クラブマン、ヒマラヤ450を所有。はじめはバイクに興味が全くなかったが、カイトさんの影響で関心を持ち、日本で二輪免許を取得。英語対応の教習所ではなかったため、時折カイトさんが通訳として同行していたが、基本的には1人で通っていたという
コロンビアのカリ市出身。GB250クラブマン、ヒマラヤ450を所有。はじめはバイクに興味が全くなかったが、カイトさんの影響で関心を持ち、日本で二輪免許を取得。英語対応の教習所ではなかったため、時折カイトさんが通訳として同行していたが、基本的には1人で通っていたという

――― YouTubeチャンネル「Ori & Kaito」は、バイクによる旅をメインコンテンツとしており、2人の飾らない人柄と相まって、チャンネル登録者数は25.4万人(7月中旬時点)と、多くの視聴者から支持を得ています。YouTubeに関する話をお伺いする前に、まずは、2人のキャリアについて教えて下さい。

オリ
 私はコロンビア出身です。高校卒業後、コロンビアからフランスへ移住しました。父がゲストハウスを運営しているため、そこで海外の人と触れ合う機会があり、私は異なる国を見て、新しい発見をしたかったのです。また、新しい言語を勉強したかったので、フランスの語学学校に通いました。その後フランスの大学に入学し、卒業しました。

カイト 僕は日本人の父とカナダ人の母を持つハーフで、日本で生まれ育ちました。慶応義塾大学卒業後、財閥系の不動産デベロッパーで海外事業に従事していましたが、仕事を通じて次第に「西洋の建築や都市デザインを本格的に学びたい」という思いが強くなり、会社を退職しました。そして、本場ヨーロッパで建築を学ぶため、フランスへ渡ることにしたのです。

――― 2人ともすごい行動力ですね。出会いの場はフランスということ。

カイト
 僕もまずはフランス語を勉強するため、語学学校に通いました。そこで出会ったのがオリです。その後付き合うようになり、一緒に生活をしながらオリは大学に通っていました。僕は建築事務所で働きながら大学院に通い、都市開発などを学びました。

八王子市出身。250TR、ヒマラヤ411を所有。はじめてバイクを整備したのはフランスにいた時。当時、レストアのスキルが全くなかったため、マニュアルを見ながら作業。以来、多くの失敗も経験したが、周りの方からアドバイスを受けながら、少しずつレストアスキルを磨いてきたという
八王子市出身。250TR、ヒマラヤ411を所有。はじめてバイクを整備したのはフランスにいた時。当時、レストアのスキルが全くなかったため、マニュアルを見ながら作業。以来、多くの失敗も経験したが、周りの方からアドバイスを受けながら、少しずつレストアスキルを磨いてきたという

――― 現在、山口県に住んでいると伺いましたが、なぜ山口を選んだのでしょうか。

カイト
 人口減少と過疎問題に対して建築家としてどのようなことができるかをテーマに、大学院の論文を書いたのですが、その時思ったのは、「これを実行しない手はない」ということでした。そこでオリに、大学を卒業したら日本の田舎に引っ越さないかと提案し、許諾を得て2018年、縁もゆかりもない山口市に移住しました。

――― YouTubeを始める前、山口ではどのような生活を送っていたのでしょうか。

カイト
 工場の内装デザインなど、建築関係の仕事をフリーで行っていました。また、オリと一緒に地域の町おこし隊に加わり、人が来ないようなビーチにバーを作り、1日で200人もの来客がある有名なスポットにしたこともあります。この他、カフェを運営していた時期もありました。

オリ 私は高校のALT(外国語指導助手)をしていました。本来、ALTは海外在住の外国人しか応募できませんが、当時はコロナ禍で外国人が日本に全然いなかったため、私たちが運営していたバーに、高校の先生がスカウトに来たのです。それで、やってみることにしました。

――― ひとけのないビーチに200人も来るバーを作り上げたというのはすごいエピソードですね。そんな経験を持つ2人が、なぜYouTubeを始めようと思ったのか気になります。

カイト
 オリは先生をやりたくて日本へ来たわけではないので、当時やりたいことがあやふやになっていました。僕は建築が好きだけど、それが2人のゴールではないなと。そこで、2人が好きなことを目標にしたプロジェクトを作ろうということになったのです。僕らは旅が好きで、フランスにいた時には、2人で欧州約20ヵ国を巡ったりもしました。旅をしながら生きていくプロジェクトはないか、世界中どこにいてもできる仕事は何か、と考えた結果、YouTubeに辿り着いたのです。

日本一周で最も印象に残っているのは、人との出逢い

コロンビア一周も経験。ジャングル、標高4000mの山道など、アドベンチャーのような旅だったと笑顔で振り返る
コロンビア一周も経験。ジャングル、標高4000mの山道など、アドベンチャーのような旅だったと笑顔で振り返る

――― 2人のYouTubeチャンネルを見ると、バイクによる旅がメインコンテンツになっています。元々バイクに興味があったのでしょうか。

カイト
 僕はバイクが大好きで10代の頃から乗っており、フランスにいた時も日常的に楽しんでいました。

オリ 私は全然興味がありませんでした。けれども、カイトのバイクの後ろに乗ってツーリングをしたり、レストアを手伝ったりするうちに、私もバイクを運転してみたくなり、日本でバイクの免許を取りました。

――― 最初からバイクに関することをYouTubeに投稿しようと考えていたのでしょうか。

カイト
 はじめは餃子や梅酒作りといった田舎暮らしの動画などを公開していました。いまは削除していますが(笑)。バイク関連の動画をYouTubeに投稿し始めたのは、あるバイクショップの店長のひと言がキッカケです。当時、日本一周に向けGB250クラブマンをバラし、フレームを塗装するなど、レストアをしていたのですが、その店長に『せっかくだから、YouTubeでみんなに見せたほうがいいよ』と声をかけていただき、それは面白いと思ったのです。結果、バイク関連の動画は再生回数が伸びるようになり、これだと確信しました。

――― 6月22日には、日本一周を達成した動画が公開されました。今の率直な感想は。

オリ
 日本は本当に走りやすかったです。どこを走っていても道路はキチンと舗装されている。海外ではそうはいきません。本当にオフロードみたいな道ばかりで、絶景に辿り着くまでがすごく大変です。また、日本はどこにでもコンビニやガソリンスタンド、宿泊施設がある。何より、人がものすごく優しい。私達が困っていると、何度も助けてくれました。

カイト 僕は福島や能登など、ニュースやSNSなどを見て知っているつもりでしたが、実際に訪れると想像とは全く異なる光景が広がっていました。これらは今でも強く印象に残っていますが、一番は人との出逢いです。

――― 過去にはオリさんの出身国、コロンビアでバイクの旅も行っていますね。

カイト
 3ヵ月かけてコロンビアを一周しました。ジャングル、標高4000mの山道、ゲリラ組織のテリトリーなど、まさにアドベンチャーのような旅。絶景に辿り着くまでに、砂漠の中を6時間走ったりもしました。この旅を通じて僕は、知らない世界を知ることで、自分が持っている価値観を見つめ直すことになりました。コロンビアには、電気もガスも通っていない村がある。けれども、そこで楽しそうに暮らす人達と出逢い、生きるって何だろうと。異なる価値観を持つ人と出逢う度に、自分の価値観をアップデートしていくことが、僕らの旅だと思っています。

――― 日本とコロンビアのバイク文化の違いは。

オリ
 コロンビアは貧富の差がすごく激しいので、バイクを持っている人はたくさんいますが、荷物の運搬や通勤・通学といった日常使いの小排気量が多い。ツーリングはお金持ちがする遊びです。また、コロンビアで最も有名なバイクメーカーはロイヤルエンフィールドで、二輪市場の約4割を占めています。

日本のバイクの凄さを世界に発信していきたい

BDSグループをYouTubeで取り上げるため、柏の杜会場を見学
BDSグループをYouTubeで取り上げるため、柏の杜会場を見学

――― 6月21日には「柏の杜オークション会場見学ツアー」に参加。そして本日(6月25日)は、実際にオークションや検査の様子なども見学されました。BDSオークションに対して、どのような感想を抱きましたか。

カイト
 見学に来る前は、BDSグループのことを知りませんでした。また、なぜBDSオークションが日本一なのかも分かりませんでした。けれども見学を通じて、検査が大きな要因になっているのだと実感しました。1台のバイクを約20分かけて検査し、点数化している。あれだけ精密な検査をした上でこの点数があるからこそ、多くの人から信頼されているのだなと。だから、落札する側だけでなく、出品する側も安心して取引できる。また多くの会員店が参加しているから、単価も上がる。このような、すごく良い循環が生まれているのだなと思いました。

――― 展示場見学では、テンションが上がっていましたね。

カイト
 目の前に広がる展示場の台数を見てビックリすると同時に、ここにあるバイクが一定期間で入れ替わるのかと考えた時に、この会社はとてつもなくすごいことを行っているんだなと思いました。毎週、何千人もの人がトレードを行い、億単位のお金が動いている。BDSのように、オークションというカタチで二輪業界を支える方法もあるのだなと、ものすごく感動しました。

――― どのようにBDSグループを紹介してくれるのか楽しみにしています。2人はYouTubeを通じて様々なことを発信していますが、視聴者にどのようなメッセージを届けたいと考えているのでしょうか。

カイト
 大きく言えば、何かに挑戦すること、そして知らないことを知ることの楽しさです。だから僕らは、知らない場所に行き、そこで様々なことを感じ、それをシェアしています。ただ走るだけではなく、どこで、どのような人と出逢い、どんな会話を交わし、そこから何を学び、そして自分の目で何を見るかを大切にした旅にしていきたい。僕らを通して、人との出逢いを通じた旅の楽しさを視聴者が感じられるような、チャンネルになればいいなと思っています。

オリ 私達は再生回数を増やすために旅をしているわけではありません。本当に行きたい、知りたいと思う場所に行っています。視聴者や再生回数のことを考えて動画を作り始めたら、きっと私達が楽しめなくなってしまう。本気で楽しめるものってなんだろう、と考えて動画にしています。

――― 日本一周を達成したことで、ひと段落着いたのかなと思います。今後の展望はどのように考えていますか。

カイト
 今後の情勢次第ではありますが、来年の4月からユーラシア大陸横断の旅をスタートします。まずは日本からバイクと一緒にフェリーで釜山へ渡り、そこからウラジオストクを目指します。そして、モンゴルや中東沿いを走り、最終的にはスペインを目的地とする予定です。いま、この旅に向けて新たな相棒となるバイクのレストアを進めています。海外の旅では、部品を簡単に手に入れられなくなり、自分達でバイクを直さなければいけない。そのため、再びレストアをすることで、スキルアップを図っています。さらに、運転スキルも磨いていきます。

――― 新たな冒険まで、まだ時間がありますよね。他にも計画していることがあるのでしょうか。

カイト
 オリのお父さんが登場するコンテンツが人気で、日本の新幹線に驚愕する動画は、YouTubeの週間ランキングで1位になりました。近々、再びオリの両親が日本に遊びにくるので、この様子も投稿していきます。また、日本のバイクマーケットの動画を出していきたいと考えています。そのため、今回BDSグループを見学させていただきました。僕らは海外ユーザー向けのチャンネルもあるので、両方のチャンネルを通じて、日本のバイクって凄いんだぞ、と発信していきたいと思います。

――― 今後の投稿を楽しみにしています!

【Ori & Kaitoプロフィール】
🇯🇵と🇨🇴夫婦がバイクで世界中を冒険するチャンネル。誰も体験したことないアドベンチャーをお届けしています。
◎Ori & Kaito YouTubeチャンネル
シーズン1: 旅に使うバイクを作る
シーズン2: 日本一周→バイク事故で入院のため中断
シーズン3: コロンビアで1週間のバイクアドベンチャーツアーに参加
シーズン4: 日本一周再開→2台共バイクが故障のため中断
シーズン5: コロンビア横断編
シーズン6: 日本一周再開&完走
◎Instagram
◎X(Twitter)
◎TikTok
◎コロンビア横断特集サイト




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