公開日: 2025/12/25
更新日: 2026/01/05
私たちの日常生活や社会活動を支える“生活インフラ”として、不可欠な存在であるクルマ。今回、その燃料であるガソリンと軽油の購入時に課せられる税金の一部、「暫定税率」が廃止される。
与野党6党は11月5日、ガソリンの暫定税率を年内に廃止することを決定した。2025年11月13日~12月11日にかけて、廃止時の価格と同水準となるように段階的に補助金を引き上げ、12月31日に廃止する方針だ。また、軽油についても同様に、11月27日までに暫定税率と同額となるよう補助金を増額。2026年4月1日より暫定税率を廃止するという。段階的に補助金を拡充していくことで、ガソリンと軽油の需要増加による給油待ちの渋滞や、ガソリンスタンドの一時的な在庫切れといった、流通の混乱を防いでいく。
暫定税率は1974年に道路整備を進めるための特定財源として導入された税率。2009年からは一般財源化され、道路整備以外にも財源として使用されている。ガソリンはガソリン税に、軽油は軽油引取税に暫定税率が含まれており、ガソリンは1Lあたり25.1円、軽油は1Lあたり17.1円が購入時に課税されていた。
これまでにも暫定税率は、クルマやバイクなどを利用するユーザーにとって金銭的な負担となっており、廃止を求める声が上がっていた。日本自動車連盟(以下、JAF)が2025年4月~7月にかけて、全国15万人以上のユーザーに実施した自動車税制に関するアンケートによると、98.8%の人が「自動車にかかる税金を負担に感じる」と回答。また、ガソリン税などにおける暫定税率についても97.4%の人が「反対」と答えており、この結果からも自動車税制がユーザーにとって負担であることが伺える。
今回の廃止は、長年高騰が続くガソリンや軽油などの価格が下がり、より安く買えることから、ユーザーにとっては嬉しいニュース。しかし、自動車税制にはいまだに多くの課題が残ったままだ。暫定税率以外にも、2019年に廃止された自動車取得税に代わって導入された「環境性能割」や、ガソリン税に消費税が課せられるという「Tax on Tax(以下、二重課税)」など、自動車の取得や保有、使用にかかる税金が多く存在しており、依然としてユーザーにとって負担となっている。
この問題に対してJAFは11月、先述したアンケートの結果に基づき、暫定税率や環境性能割などの廃止や二重課税の解消といった要望をまとめた、2026年度「自動車税制改正に関する要望書」を公開した。現在、国による暫定税率以外の税制についての見直しは行われていないものの、こうしたユーザーの声を無視することはできないだろう。
クルマは、日常生活において不可欠な存在であり、バイクもまた、仕事や趣味などで様々な人に利用されている。今回の暫定税率の廃止により、金銭的負担は軽減されたが、ガソリン税や石油税に消費税がかかる二重課税といった問題は未解決のままだ。この課題に対し、国がどのように対応していくのか、今後の動向が注目される。
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