公開日: 2026/10/02
更新日: 2026/10/13
日本二輪車普及安全協会(以下、日本二普協)は9月10日、「二輪車の安全運転を考える」をテーマとする第5回シンポジウムを開催した。当日は、ヤマハ発動機の中嶋真澄さんやブリヂストンの佐藤潤さんら4名の講師による講演とパネルディスカッションを実施。二輪車・用品メーカーや警察関係者など、約100名が参加した。
第5回となる今回は、茨城県警察本部交通部交通総務課管理官の山田洋史さん、山梨県立巨摩高校教頭の小澤幸生さん、ヤマハ発動機品質保証本部品質統括・品証部安全普及グループリーダーの中嶋真澄さん、ブリヂストンタイヤソリューションジャパンMCタイヤ販売本部の佐藤潤さんの4名をゲストに迎え、講演とパネルディスカッションを行った。
はじめに、日本二普協の髙橋亮専務理事が挨拶に立った。
「このシンポジウムを通して、個の安全啓蒙から、関係団体が連携した安全啓蒙活動への強化、その結果として、より多くの人の目に留まり、その先の行動変容に繋げられるよう、新たなアイデアや観点を見出せればと思う」
講演では、まず茨城県警察本部の山田さんが、「二輪車に係る交通安全対策」をテーマに、同県における取り組みについて講和。過去5年間(2021年~2025年)の県内データにおいて、二輪車の死亡重傷率が四輪車の約6倍となっている現状に触れ、二輪車事故防止に向け「交通安全かわら版」を定期的に作成・配布し、分かりやすい情報提供に努めていることなどを紹介した。
次に巨摩高校教頭の小澤さんは、「高等学校における二輪車通学とその指導について」をテーマに講演。学生のバイク運転技術の向上をはじめ、公共の場におけるマナーや規範意識を高め、地域社会との良好な関係を築くことを目的に、安全運転講習会(年2回)や、通学時マナーアップ運動(年3回)などを実施していると説明した。
続いてヤマハ発動機の中嶋さんは、「二輪車の安全を考える~ヤマハ発動機の安全ビジョン~」をテーマに、“人機官能×人機安全”の思想に基づくセーフティシステムアプローチについて紹介した。同社では、「被害抑止/防衛アシスト」「危機予知アシスト」「緊急回避アシスト」「被害軽減」という4つの考え方から運転支援を行っていると説明。具体的な取り組みとしては、急ブレーキが発生した時に全ての方向指示灯が点滅する「エマージェンシーストップシグナル」や、後方ミリ波レーダーユニットで後方車両を検知し車線変更の判断を支援する「ブラインドスポットディテクション」などの開発事例を挙げた。
ブリヂストンの佐藤さんは、「タイヤ安全点検の重要性」をテーマに登壇。ビギナーライダーの多くはタイヤへの関心が薄く、空気圧不足や変摩耗が生じている現状を挙げ、“安全は足元から”という認識の浸透が必要と説いた。また、バイクのタイヤはわずか名刺1枚分ほどの接地面積でライダーの命を支えている、とその重要性を説明。その上で、タイヤの日常点検の大切さについて次のように語った。
「二輪車用タイヤは1ヶ月に約5%、自然に空気が抜けるため、最低でも月1回の点検が不可欠。また、異物が刺さっていた場合に修理時間を確保できるよう、バイクに乗る前夜や当日ではなく、ツーリングなどから帰宅したタイミングでタイヤの状態を確認することを推奨している。なお、タイヤの交換時期は、法律上の使用限界である0.8㎜まで使い切るのではなく、本来の安全性能を維持できるメーカー推奨値での早期交換が望ましい」
講演後に行われたパネルディスカッションでは、ゲスト4名による討論を実施。高齢ライダーへの安全啓発活動をはじめ、日本の交通ルールへの理解不足から生じる外国人運転者の事故・違反を防ぐための取り組みなども紹介した。またバイク通学を行う高校生に対して、月1回のタイヤ空気圧点検の実施や、ヘルメットだけでなく胸部プロテクターの着用も検討してもいいのではないか、といった提言がなされるなど、多角的な視点から議論が交わされた。
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