公開日: 2025/09/18
更新日: 2025/09/20
今回はバイクジャーナリスト小林ゆきさんとBDSバイクセンサーイメージガール竹川由華さんが、人気のCRF250LシリーズとKLX230シェルパの比較インプレを行いました。この3台で迷うユーザーが多いと聞き、オフロードワールド様にご協力いただいて実現! バイク選びの参考にしてみて下さい!
小林―――こんにちは、バイクジャーナリストの小林ゆきです。
竹川―――皆さんこんにちは、BDSバイクセンサーのイメージガール、「たけはん」こと竹川由華です。よろしくお願いします。
小林―――茅ヶ崎にあるオフロードワールドさんで場所をお借りして、皆さんが気になるオフロード車、250ccの比較をやっていこうと思います。今回借りたのは、ホンダのCRFとカワサキのシェルパです。これらはユーメディアグループさんからお借りしました。カワサキのKLX230シェルパ、ホンダのCRF、CRFの250Lの〈s〉ですね。何が違うかというと、シート高が違ったりしますが。
竹川―――なるほど、〈s〉が付くだけでシート高も変わってくるんですね!
小林―――そうなんです。車両もちょいちょい違う部分や似ている部分があるので、まずは恒例の足つきインプレをやっていこうと思います。
●ホンダ「CRF250L〈s〉」シート高880mm/車両重量141kg
小林―――まずはホンダのCRF250L〈s〉から試します。このモデルはシート高が880mmもあります。身長160cmなので、大体155cm〜157cmぐらいの方の参考になるかと思いますが、一応またがってみます。本当に「一応」って感じですね。
まず、左側に立って足を乗せますが、もうこの時点でツンツンです。真ん中に座ったら全く足が届かないので、バイクを起こすときは左側にオフセットしてバイクを起こします。このCRFは水冷エンジンなので車重は少しありますが、140kg台ですね。由華ちゃんみたいに両足はつかないので、踏み替えます、踏み替えます、踏み替えます。大事なことなので3回言いました(笑)。決心して、せーの、よっ!
完全に足が浮いている時間が結構あります。そして、私の足の長さだとサイドスタンドを払うのも届かないので無理です。もし私ぐらいの身長で、あえて〈s〉を選ぶベテランさんというか競技経験のある人は乗ってもいいかもしれません。なら、先にサイドスタンドを払ってからまたがるという方法になりますが、その場合は先にギアを入れておくのが大前提です。
オフロードバイクのいいところって、そこまで重くないことなんですよね。身長が高い180cm以上の方だと、逆に250ccって小さすぎて体格に合わないと思うんですけど、これだけ車格があれば、ちょうどよく乗りこなせるんじゃないかと思います。
●ホンダ「CRF250L」シート高830mm/車両重量141kg
小林―――続いては、ホンダのCRF250Lです。こちらは〈s〉が付かない標準モデルで、シート高は830mmです。50mm違います。このCRFシリーズは、ロングセラーで、これまでに何度も仕様変更があったり、ネーミングで逆転現象が起きたりしました。例えば、LDがあったり、Lの方がシート高が高い時代もあったりしたんですよね。今回ご紹介しているのは、1年ほど前のモデルですね。 LとLSがある、今の現行モデルだと思っていただければと思います。
私、身長160cm手足短めなので、155cm〜157cmの方に参考になるかと思いますが、またがっていきます。なんか改めて見ると前のシュラウドが立派だなという感じがします。まず、このまままたがります。よいしょ。前がシュッとしているから、なんとか真ん中に近い位置に座り込めます。ステップに足を乗せると、私の場合はぎりぎり母指球がつくかつかないかぐらいです。このまま押し上げるのは厳しいので、左側にオフセットしてから腕の力で押し上げます。
すごい軽い! しかも、サスがかなり柔らかいですね。バイクを起こした瞬間に「シュッ」と沈む感じがします。なので、起きた状態だと、サイドスタンドが邪魔に感じるほど、かなり真ん中に座れてる気がします。両足はつかないので踏み替えますが、地面がすごく近く感じますね。ライダーが乗車姿勢の時に、サスが沈んでいるので実際のシート高は830mmもないかもしれません。
そして、サイドスタンドを払います。さっきの880mmでは全然届かなかったけど、ツノがないからやりづらいけど、これならなんとか払える! ということで、意外とまたがってみると足つきフレンドリーに早変わりって感じですね。
●カワサキ「KLX230シェルパ」シート高845mm/車両重量134kg
小林―――続きましては、カワサキのKLX230シェルパです。この辺がみんな悩むところですよね。シェルパなのに、シート高が845mmあります。
竹川―――Lより15mm高くなりますね。
小林―――シェルパは元々スーパーシェルパというモデルで、ヤマハのセローの対抗馬的な存在で、もっとフレンドリーな感じだったんですが、スペックは845mm。ただし、CRFよりは軽いです。こちらは134kgで、CRFの141kgと比べると差があります。この違いは、エンジン形式が違うからなんです。こちらは空冷エンジンで、CRFは水冷です。スペック的には軽いことになっていますが、実際にどう感じるか、またがってみましょう。
由華ちゃん、そういえばこれ、またがったことあるよね?
竹川―――もうあります!
小林―――しかも、なんかすごいらしいじゃないですか!?
竹川―――世界で一番最初にこのバイクの足つきインプレ動画をアップしたのが、BDSのチャンネルがはじめてだったんじゃないかな、って思ってます(笑)
小林―――では、小林ゆきがまたがっていきます。横に並ぶと、意外とシートが前の方まで高いなと思いました。KLX230はシリーズで他にも2種類あって、そちらはもっと高いんですよね。
では、よいしょ……。あ、本当だ。CRFに比べて明らかに高いです。しかも、お尻を乗せてもそこまで沈まないですね。真ん中に座ると起こせないので、やっぱり左に寄せてから起こします。よいしょ…。起こすと急に「シュン」と沈むから、サイドスタンドがいい感じの位置になります。
足を踏み替えます。よいしょ。CRFに比べて、シートの形がちょっと角ばっている感じがします。引っかかりを感じる人もいるかもしれません。そして、サイドスタンドですが…。これ、さっきも苦戦したんですよ。よいしょ。払えないんだよな…。バネが硬いんですよね。だから、届いていても力がかけられない。もし私ぐらいの脚の長さで苦労する方は、バイク屋さんに相談してツノをつけてもらうといいかもしれません。
竹川―――ツノをつけることができるんですか?
小林―――できますね。溶接したり、後付けパーツがあったりすると思います。ちょっとこれ硬いよ。できない、できないです。なので、シェルパは名前の通り楽々乗れそうな雰囲気ですが、意外としっかりした本格的なオフロード車ベースなので、その余韻が残っている、というお話です。
竹川―――最近オフロードを始めさせていただいて、CRF125は乗ったことがあるんですけど、250ccは見ただけでシート高も高いし、大きいから不安でした。でも、実際にまたがってみると、880mmのシートでもしっかり両足のつま先がつくし、車体もすごく重いわけではないので、自分で起こすことができて安心感がありました。でも、乗り比べてみると、CRF250L、〈s〉がつかない方が一番足つきが良くて、両足で母指球までつくし、車体も重くないので、この3台の中だと一番安心して乗れる車両かな、と感じました。
小林―――私も3台またがり比べましたが、確かにスペック的に足つきフレンドリーなのはCRF250Lです。ただバイクを選ぶときはスペックだけじゃないよ、というのを強くお話したいです。特にシェルパは空冷エンジンなので、水冷に比べるとパワーは劣りますが、インジェクションはすごいので、必要十分以上のパワーを発揮してくれます。オフロード競技もできるベースなので、しっかり走れる人にも満足してもらえると思います。
CRFは競技も含めて楽しめるし、ツーリングだけ楽しみたい人も、足つきの心理的な障壁がなくなれば、意外と大丈夫だよって思えるようになると、荷物満載でもツーリングを楽しめるかと思います。また水冷と空冷なので、高速道路はCRFの方が楽かな、と思いました。
竹川―――用途によって選ぶ基準も変わってくるんですね。
小林―――空冷と水冷だったり、フロントフォークが正立か倒立かなど、ランニングコストという面では、よりシンプルなシェルパの方が整備コストは低く済むかもしれません。皆さん、大いに悩んでください! 足つきのスペックだけじゃないよ、というのが伝わったかなと思います。ちなみに、シェルパで走行している動画もBDSさんのチャンネルで公開されているので、ぜひ参考にしてみてください。
ということで、今日はオフロードワールドさんで場所を、ユーメディアグループさんから車両をお借りして、足つきインプレをやってみました。
竹川―――ぜひ、みなさん優しく相談に乗ってくださるので、実際に店舗に来て足つきしてみてください!
●撮影協力:ユーメディア湘南オフロードワールド様
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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【竹川由華さん略歴】
滋賀県出身のアイドル。愛称はゆうかりん。第二回サンスポGOGOクイーン審査員特別賞受賞。バイク好きの両親の影響で、自身でもツーリングに行くバイク女子。愛車はGPZ750・CBR250RR。2022年3月「BDSバイクセンサー」のイメージガールに就任。バイク好きアイドルとして活動の幅を広げている。
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スペックだけじゃない、オフ車選びのヒント!
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