公開日: 2023/05/16
更新日: 2023/05/23
“Adventure Touring 日常から世界一周までを叶える、新世代ジャストサイズオールラウンダー”をコンセプトにした「XL750トランザルプ」を、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが足つきインプレ! スタンダードシートとローシート(別売り)の2つをまたがってきました!
まずは、シート高850mmのスタンダードシートから。
私のスペックは身長160cm、手足短め。肩幅は32cmほどで、同じ身長の方と比べて約10cm短いです。バイクの横に立つと、さすがに大きいですね。お尻の尾てい骨ぐらいにシートがあります。上から見ると、シート自体は少し細くなっていますが、その下は意外と張り出しています。もう1つ、私は肩幅が狭い分腕のリーチが短いので、ハンドルと乗車位置のバランスも注目ポイントです。
では、地面が芝生で若干傾いているので、慎重にまたがってみると、乗り込んだだけでサスペンションが動いたのが分かりました。地面の傾斜によるものですが、右足でしっかりステップを踏んでいる状態で、左足はかかとが着きそうなぐらいの足つきです。
続いて左足から右足に踏みかえてみると、右足は地面に届いていますが、ひざを伸ばして、ギリギリつま先がつくかどうか・・・。諦めの境地でございます(笑)サイドスタンドは全く払える状況にございません。850mmのシート高だと、私の身長と短足ではサイドスタンドは払えないということが分かりました。
そして、注目すべきはまたがった時のハンドルの位置関係。ごく自然な位置にハンドルが来ています。リッタークラスのオフロード車だとグラッとなった時に、ハンドルが遠すぎて小柄な方だと支えきれないことがありますが、その心配はなさそうです。
続いてローシートにまたがっていきます。シート高は820mm。
場所を移動して、今度は砂利道の上。小柄な体重に合わせて、リアサスペンションは一番柔らかい状態にしてもらっています。サイドスタンドを立てた状態でまたがってみると、真ん中に座っても片足はギリギリつま先が届いています。では、またがった状態から車体を起こせるか。装備重量は208kgです。少し腕の力を使いながら起こしましたが、サスが沈むので、立てた状態でも左足の母指球でしっかりと車体を支えられています。
オンロードのリッタークラスのバイクはやはり重心の位置がちょっと高いですね。スポーツバイクを乗りこなせる方はそこだけ気にしていれば、全然大きさ重さは感じないと思います。むしろ、車重は208㎏ですから軽い部類です。
注意しなきゃいけないのは、滑りにくいシート表皮であること。踏み替える時にシートの表皮とライディングパンツが擦れる音が少し聞こえます。オフロードに特化しているためですが、ズズズッと少し引っ張られます。ですがエンジン位置が割と低いところにあるので、どっしりとバイクが固まっており、両足は付かないですが、足の踏み替えもちょっと練習したら怖くなくなると思います。
さて、サイドスタンドを払えるかどうか・・・。本当にギリギリで足が届きますね! 現在、コンバットシューズを履いて靴底が分厚くなっているのもありますが、サイドスタンドが出し入れ出来ました!バイクがどっしり構えててくれるので、足元が砂利でも、グラッとこないです。
とういうことで、そんなに身構えることなく乗りこなせそうなバイクであることが分かりました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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