公開日: 2020/11/17
更新日: 2022/09/06
株式会社ホンダモーターサイクルジャパンは9月9日、神奈川県横浜市にある「ホンダドリーム横浜緑」で「2020年秋冬Hondaライディングギア報道説明会」を開催。この中では、新商品紹介のほか、若年層の獲得に向けた取り組みなどが行われた。
20代や30代といった、若年層へのアプローチ。そこへの強い意気込みが感じられたのが、ホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)が9月9日に、神奈川県横浜市にある「ホンダドリーム横浜緑」で開催した「2020年秋冬 Hondaライディングギア報道説明会」だ。
今の二輪業界にとって、若い世代のユーザーを増やすことは、最重要課題の一つだ。例えば、日本自動車工業会が2年ごとにまとめている、国内4メーカーの新車を購入したユーザーを対象にしたアンケート。今年4月、「2019年度二輪車市場動向調査」が公開されたのだが、購入者の平均年齢は過去最高の54・7歳。2017年度と比べると、2歳も高い数字になっている。新車購入者の平均年齢は調査のたびに上昇しており、今や50代半ばまで上がっている。何十年か前は、「バイクは若者の乗り物」と言われていたが、今や「バイクはおじさんたちの乗り物」になっているのだ。
同調査によると、30代以下のユーザーの割合はわずか12%。前回よりも6ポイントの減少だ。10〜30代を足しても、50代や60代の半分にも満たない。このまま若い世代の割合が減り、高齢化が進んでいけば、間違いなく限界がくるだろう。いまどきの言葉を使えば、二輪業界がサスティナブルな業界、つまり、これまで同様に将来にわたって持続可能な業界であり続けるためには、若年層を取り込んでいく必要がある。
そのような現状のなか、ライディングギア報道説明会では、出席したHMJ社長・室岡克博氏、アフターマーケット本部本部長・畠山隆治氏、部用品部部用品販売企画課・香取亮太氏の3氏とも若年層の拡大について言及。今、バイクを買っている世代だけではなく、購入して欲しい世代にも目を向けていることが感じられた。
ホンダでは、人気アウトドアブランド「モンベル」とのダブルネームの商品を、ドリーム店の専売商品として出しているが、面白い現象が起きているという。
「モンベルファンだけど二輪には関心がない人が、ドリーム店に訪れウェアなどを購入するという話を多く聞いています。バイク好きでないお客さんにもドリーム店に来て頂けるということで、興味関心の喚起につながっているものと感じています」(畠山本部長)
最近、「モトブロガー」の存在が浸透しつつある。YouTubeなどで自分のバイクライフ動画を投稿し、バイクの魅力を伝えている人たちだ。若い世代が多いのが特徴で、グーグルで「モトブロガー」「バイクブログ」などのキーワードで検索すると、何件もヒットする。このモトブロガーたちの投稿で目にする機会が多いのは、キャンプツーリング。特に女性モトブロガーがソロキャンプツーリングを楽しむ動画などは人気が高い。単に若い世代がキャンプを楽しむ動画は、それこそ山のようにあり、注目を集めている。
若い人にも人気のキャンプとツーリングを合わせたキャンプツーリングという「コト提案」。モンベルとのダブルネーム商品という「モノ提案」。ホンダはコトとモノの両方から「提案の質向上」を目指すという。言うまでもないが、ホンダはバイクメーカーである。そこがウェアを作るのだから、ホンダ製品との相性はいい。また、製品の持つ世界観を損なうこともないだろう。
「若い人は、カッコよく乗りたいと思っています。バイクと乗っている自分の姿で1セット。ホンダなら、バイクと用品を合わせたコーディネートができる」(室岡社長)
その言葉通り、秋冬のカタログでは、CBR1000RR‐Rの世界観をベースにしてライディングギアが訴求されている。
「今回、ライディングギアが進化していく中で、深く掘り下げるという意味合いで『深化』というテーマを掲げています。その一環として、バイク乗りのお客様の声を反映した仕様・装備の商品が数多く揃っています」(香取氏)
一例を挙げれば、販売店からの受注状況トップ5に入っている「マーキュリアルマルチウェイジャケット」。このウェアは、5種類の着こなしを楽しめる仕様となっているため、その時の気分や用途に合わせて、どう着るかが選べるのだ。
ライディングギアではないが、若年層開拓に向けたホンダの取り組みのひとつが、ツイッター。
「7月から女子社員をリーダーにして、若い人だけでプロジェクトを組み、発信内容を刷新しています」(室岡社長)
ホンダでは、様々な角度から若い世代を獲得しようという取り組みを行っている。ライディングギアもその一つなのだ。
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