EV電動バイク

『電動バイク=スクーター』そんな方程式を覆す電動バイク、次々登場!

公開日: 2020/06/22

更新日: 2022/08/26

原付二種から大型まで、モーターサイクルタイプの電動バイクが登場

電動バイクのイメージって、どのようなものだろう。近頃では、ハーレーダビッドソンが「ライブワイヤー」を発売(現時点では日本未導入)、KYMCOが「RevoNEX」を発表するなど、電動バイクの世界は広がりを見せてきているが、まだまだ「電動バイク=スクーター」というイメージが根強いのではないだろうか。だが、その認識を覆すようなバイクが日本に登場した。

電動バイクブランド「XEAM(ジーム)」を展開するMSソリューションズが新たに取扱いを開始したモデルだ。これまで同ブランドでは、原付一種と原付二種の電動スクーターを販売してきたが、この3月、新たなメーカーの機種をラインアップした。オーストラリアに本社を置く電動バイクメーカー「Vmoto」社が2015年に立ち上げたEVモビリティブランド「SUPER SOCO(スーパーソコ)」だ。ジームが扱うスーパーソコのラインアップは、以下の通りとなっている。

原付一種クラスは、最高時速65㎞を誇るスクーター「CUX(シーユーエックス)」。原付二種クラスは、最高時速75㎞のモーターサイクルタイプ「TC(ティーシー)」「TSX(ティーエスエックス)」の2モデル。

軽二輪クラスは、最高時速90㎞のスクータータイプ「CPX(シーピーエックス)」、最高時速95㎞のモーターサイクルタイプ「TCMAX(ティーシーマックス)」の計2モデルで、全クラス合わせて5モデル。いずれも3月に発売されている。

そしてもう1モデルは、アメリカに本社を置く電動バイクメーカー「ZEROMOTORCYCLES(ゼロ・モーターサイクルズ)」の「SR/F(エスアールエフ)」。なんと、最高時速200㎞のモーターサイクルタイプの大型二輪モデルで、4月20日より販売されている。ジームのWEBサイトを見ると分かるが、モーターサイクルタイプが4モデル加わったことで、ラインアップを一見しただけでは、ここが電動バイクブランドのサイトとは思わないのではないだろうか。

ジームのWEBサイトを見ると分かるが、モーターサイクルタイプが4モデル加わったことで、ラインアップを一見しただけでは、ここが電動バイクブランドのサイトとは思わないのではないだろうか。

200㎞/h近くでも、聞こえてくるのは「シュイーン」というモーター音

<center>ほぼ同軸上にあるモーターとピボットがパワー感の秘密の一つ</center>
ほぼ同軸上にあるモーターとピボットがパワー感の秘密の一つ

スペックや外観はWEBサイトを見れば分かる。では、実際の雰囲気やサイズ感はどうなのか。MSソリューションズは4月7日、千葉県袖ケ浦市にあり、日本自動車連盟(JAF)公認のレーシングコースである「袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ」で、メディアや二輪販売店限定の試乗会を開催。新型コロナウィルスの感染予防策として、ブリーフィングなどは屋外で行われ、参加者にはマスク着用、手指消毒が義務付けられていた。

用意されたのは、スーパーソコの5モデルと、SR/F。3月以降にラインアップに追加された全車種。外周は、最高速度の高いSR/F専用とし、内側のコースがスーパーソコの5モデル用の試乗コースとなっていた。

ひと言で感想を言えば、電動バイクはとにかく『静か』だ。パワーモードで走行した場合、SR/Fはホームストレートエンド付近で190㎞/hほどに達するとのことだが、それだけのスピードが出ていても、モーター音だろうか、「シュイーン」という音とタイヤの転がる音しかしない。スーパーソコも同様だ。目の前で、バイクがサーキットを走っているというのに、周囲からは鳥のさえずりが聞こえてくる。なんとも不思議な感覚。各モデルの試乗の様子を見ていると、スロットルに素直な反応を見せているようで、スタートや加速にダルさは感じられない。

サイズ感は、SR/Fは大型バイクという佇まいだが、大き過ぎることもない。一般的な大型二輪のネイキッドモデルのサイズ感と言える。

スーパーソコは、軽二輪のモーターサイクルタイプのTCMAXで、200㏄や250㏄ というサイズ感。クラス上の400㏄のボリューム感はない。原付二種のTCやTSXとさほど変わらない印象だ。それだけに、女性でも、小柄な人でも扱いやすそうでもある。

また、スーパーソコは、TCMAX以外のモデルに2バッテリー仕様の設定があり、CPXなら航続距離は最大140㎞になる。使い勝手も良さそうだ。 

今回の試乗会で感じたのは、日本市場に投入されている電動バイクもしっかりと進化している、ということ。ユーザーがバイクを購入する際に、エンジンのバイクとモーターのバイクが比較される時代は、すぐそこまで来ているのではないだろうか。

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