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「第46回東京モーターショー2019」開催。ビッグサイト開催初の130万人超を動員、クルマ・バイク離れを吹き飛ばす盛況!

公開日: 2020/06/24

更新日: 2022/08/26

前回開催比約7割増の来場者数を達成。試乗体 験型プログラム参加者数も約6倍に

 とにかくエリアが広い。モーターショーはモーターサイクルショーとは違い、四輪メーカーの出展が主体なので、会場規模はもともと大きいのだが、今回の「第46回東京モーターショー2019(以下、TMS)」は、東京ビッグサイトが「ARIAKE EXHIBITION」会場、TFTビル横の「DRIVE PARK」会場、ゆりかめもの青海駅近辺のMEGA WEBが「FUTUREEXPO」会場、東京ビッグサイト青海展示棟の「AOMI EXHIBITION」会場と、さらにエリアを拡大。そして、そこをつなぐシンボルプロムナード公園が「OPEN ROAD」。ゆりかもめ2駅分がまるまる会場となる広さなのだ。

 会期は10月24日(木)から11月4日(月)の12日間となり、前回の10日間から2日間延長。会場、会期ともに大きくスケールアップされた。それに伴い、来場者数も大幅に増加しており、総来場者数は実に130万0900人を記録。前回が77万1200人だったので、実に約7割も増えたことになる。

 また、TMSの来場者が100万人を突破するのは、総来場者数が142万5800人を記録した2007年の「第40回東京モーターショー2007」以来、実に12年ぶりのこと。当時の開催場所は千葉県千葉市にある幕張メッセだったので、東京ビッグサイトに会場が移ってからは、初めて来場者数100万人をオーバーする開催となった。

 規模と会期が前回を上回った今回のTMSだが、出展社数は前回の34ブランドから23ブランドへと減少した。それでも、開催前に自工会会長の豊田章男氏が会見で掲げた「来場者数の目標100万人」を大きくクリア。

 この「100万人」という数値について豊田会長は、「箱根駅伝、甲子園、高知のよさこい、徳島の阿波踊り――。こうした誰もが知るイベントは、いずれも100万人規模となっています。誰もが知っているという1つの目安が『100万人』なのだと思います」と語っている。

 激増したのは、来場者だけではない。電動キックボードなどの試乗体験型プログラムの参加者も約2万9000人と過去最高を記録した。前回が約5000人だったので、6倍近くの人がプログラムを楽しんだことになる。昨今、若者のクルマ離れやバイク離れが度々報道されているが、そんなニュースを吹き飛ばすほどの盛況ぶりとなったのが、今回のTMSだったと言えるだろう。

久々に登場した4スト250㏄4気筒が、 会場とSNSで大きな話題に

SNSで話題沸騰のカワサキ「Ninja ZX-25R」
SNSで話題沸騰のカワサキ「Ninja ZX-25R」

 二輪の国内4メーカーが出展していたのは、東京ビッグサイトの「ARIAKE EXHIBITION」会場。TMS開催直前に各メーカーから概要が発表されているが、その時点ですでにネットで大きな話題となっていたのが、カワサキの「Ninja ZX-25R(ワールドプレミアモデル=以下、WP)」。

 10年ほど前に新車市場から姿を消していた、久々の4スト・250㏄・4気筒モデルだ。SNSでは、好意的な意見が数多く見られ、ツイッターでは一時期「Ninja ZX-25R」がトレンド入りするほどの盛り上がりを見せていた。10月25日にはカワサキモータースジャパンが「2020年秋頃に導入予定」とリリースを出し、それに呼応するように「欲しい」「買いたい」という声が、様々なSNSで見られた。

 会場でも、特に80年代や90年代のレプリカ全盛時代を知る人に強く訴えかけるものがあるのか、40代以上と思しき人が「Ninja ZX-25R」に熱い視線を送っていたのが印象的だった。

 もちろん、カワサキの目玉は「Ninja ZX-25」だけではない。WPモデルはほかに、「Z H2」「W800」がある。この「Z H2」は、Zシリーズと「Ninja H2」が融合したような、「Sugomi」デザインをまとい、スーパーチャージドエンジンを搭載したモデル。「Ninja ZX-25」と「Z H2」は一段高いステージに展示されており、ブースを訪れた人の視線を集めていた。「Z H2 」は2020年初夏に導入予定とアナウンスされている。

 もう1台の「W800」は、今年12月1日に発売予定のモデルで、名前や見た目の通り、Wブランドの血脈を受け継いだレトロモデル。カワサキのブースでは、全体的に年齢が高めの人が多いように感じた。

 スズキのブースでは、日本初出展(ジャパンプレミア=以下、JP)の「ジクサーSF250」「ジクサー250」に注目が集まっていた。いずれも「第44回東京モーターショー2015」に参考出品したコンセプトモデル「Feel Free Go!(フィール・フリー・ゴー)」に採用された新開発の油冷エンジン搭載モデル。

 油冷エンジンは、スズキの伝統とも言えるだけに、スズキバイクファンの呼び名の1つ「スズ菌感染者」だけではなく、他メーカーユーザーと思われる来場者も、油冷エンジンやジクサーの2モデルにジックリと見入っていた。

各メーカーの車両を通して、いろいろな未来のカタチが見えたモーターショー

世界初出展のホンダ「CT125」
世界初出展のホンダ「CT125」

 ホンダは四輪二輪合同で出展しているため、ブースにはクルマも展示されており、スズキ同様、人で溢れていた。その中でも注目を集めていた二輪モデルは、WPのコンセプトモデル「CT125」と、JPの「ADV150」。

 特に「ADV150」は市販予定モデルということもあり、跨って実車の感触を確かめる人が多く見られた。このほか、ホンダではWPが、電動でいずれも市販予定の「BENLY e:」「GYRO e:」。JPが、「CRF1100L AfricaTwin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission」「Gold Wing Tour Dual Clutch Transmission〈Air Bag〉」などだ。

 ホンダブースでは、WPやJPモデル展示のほか、CBシリーズ60周年を記念し、歴代モデルなどが並べられた企画展示の「CB History Theater」も行われており、これが大好評。白髪混じりの人から20代と思われる若者まで、年齢性別問わず多くの人が訪れていた。CBもそうだが、すでに市販されている「スーパーカブC125」にも、JPの「ADV150」と同じくらい人が集まっていた。ここでも、カブの根強い人気を確認することができた。

ヤマハの次世代パーソナルモビリティ「MW-VISION」
ヤマハの次世代パーソナルモビリティ「MW-VISION」

 4メーカーのうち、最も未来感があったのはヤマハだろう。二輪ではないが「あれは何?」とSNSなどでも話題になっていたのが、障害物を検知して自ら避けて走行する自律ソリューションビークル「Land Link Concept」。地上を走るドローンのようなスタイルが特徴的なWPモデルだ。

 このほか、WPでは電動の「E01(エンジン出力125㏄相当)」「E02(エンジン出力50㏄相当)」。LMWテクノロジーを用いた次世代パーソナルモビリティの「YAMAHAMW-VISION」。同じくLMWの「Tricity300」。中でも、「Tricity300」は注目度が高く、非常に多くの人がフロント周りを細かく見ていた。11月4日にはヨーロッパの2020モデルとして発表されており、ミドルクラスのLMWとして市場の動向が気になる1台でもある。

 JPとしては「YZF-R1」「Tenere700」が展示された。いずれも2020年に日本市場への導入が予定されている。カワサキの4スト250㏄4気筒「NinjaZX-25R」、ヤマハの「YAMAHA MW VISION」など、各メーカーの出展車両を通して、近い未来から想像の中の未来まで、いろいろな未来のカタチを見せてくれた、今回のTMS。今年導入されるモデルや来年導入予定のモデルも多数あり、これからの市場の動きには期待がかかる。

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