公開日: 2023/08/16
更新日: 2023/08/16
2022年にフルモデルチェンジを行ったヤマハXSR900。バイクジャーナリストの小林ゆきさんが試乗インプレを行いました!
またがってエンジンをかけた瞬間、これは乗りやすいと思いました!
車体が装備重量195kg。軽さとパワーが非常にバランスのいいモデルになっていて、特に効いているのが、リアサスの位置と前後の重心バランス。サイドスタンド状態からバイクを起こした時に、車体をより軽く思わせる構造とういうのがよく感じられました。
ネイキッドの迫力ある見た目は、例えばリアタイヤの太さなんかで表現したりしますが、敢えて180サイズを選んだのが大正解。ハンドリングの軽さも出ますし、物理的に重さも軽くできます。
以前だったらスーパースポーツにしか付いていなかったような電子制御が全部ついています。オートシフターがアップ・ダウン方向、両方使用可能です。
スロットルは電子制御なんですが、これはちょっと何百kmも連続走行すると結構手首が痛くなるような重さを感じます。電子制御である限りは、安全性を優先してある程度重くしなければいけないのだと思います。ですが、クルーズコントロールという強い装備が付いています。のんびりツーリングであるほどクルコンが効いてくるわけですが、ボタン操作で使い方が簡単なので、安全性も高く、しっかり役立つハイテク装備です。
現在、回転数はほんの2000回転で走っていますが、アクセルをオンオフしてもギクシャク感はなく、非常に滑らかな加減速。そして、ドライブモードは4段階でトルクの強弱を変えることができ、1番強い状態だとパワー感や速さというより、下からくるトルクの力強さに面白さを感じます。
では、段階を下げるとトルクが薄くなるのかというと、そうではなく、1番弱いモードにして3速3000回転くらいの極低回転でも3気筒ならではのドコドコ感を感じられます。やはりビッグバイクの醍醐味でもありますので、その辺を残しつつ決してトルクを薄くしているわけではないですね。恐らく、5000回転も回すと面白さがもっと出てくるのかな。走りながらモードを変えられて、いろいろ試しがいがあるのが、このXSR900の面白さです。
一般道をゆっくり走っても楽しいというのが、良いバイクだと思います。ハイテク技術を盛り込んで走りの面白さも楽しめるように造られており、それがヤマハさんの狙いなんだろうなという風に感じました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
◎Kommonちゃんねる
ドライブモードは4段階でトルクの強弱を変えることができる
人気記事ランキング