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3分でわかる中古車ビジネスの“ツボ” 女性ユーザーをターゲットとすべき理由とは?

公開日: 2025/03/20

更新日: 2025/03/24

女性限定でツーリングを行うことで、足つき性など、気になる点も見えてくる。そんな時は、ローダウンキットやローダウンシートへの変更などもアドバイスできるので、メリットは多い、と販売店A。女性ユーザーが増えたことで、店の雰囲気も変わったという。このように、女性をターゲットにすることは、利点が多いのだ。

2023年女性免許取得者数、2019年比では130%超

※写真はイメージです
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「バイク女子」という言葉が使われるようになって、かれこれ数年が経つ。この言葉は「〇〇女子」あるいは「〇〇ガール」から来たもので、希少な趣味を持つ人や特殊な職業に就いている人などを表現したもの。「歴女」や「山ガール」「理系女子」(リケジョ)などが、その一例。「バイク女子」についても、その流れであると思われる。

言葉の定義としては、バイクに興味・関心のある20代から30代の若い女性を指す。バイクに乗っていなければ「バイク女子」ではないかというと、決してそんなことはない。

今回、この「バイク女子」について取り上げたのには、理由がある。それは女性の免許取得者数の推移に着目したからである。2023年運転免許統計(警察庁発表)の大型二輪と普通自動二輪における免許交付件数(併記)を見ると、コロナ前の2019年は大型二輪が4836人、普通二輪は2万5609人だったのに対し、コロナ禍の2020年以降、毎年増えており、2021年には前年比で大型が131.9%、普通二輪は132.2%と大幅に増加した。以降、2022年までは拡大基調にあったが、2023年には86.9%、89.3%とそれぞれ下げた。小誌が発行される3月には2024年実績が発表される。おそらく減少が予想されるが、直近データである2023年と2019年の対比で見ると大型二輪が131.0%、普通二輪は131.4%と取得者は依然、多いことが分かる。ピークは越えた感はあるが、興味・関心のある人は、まだまだ多いことがうかがえる。

つまり、女性をターゲットにした施策を打つことが、顧客獲得の近道ということが言える。やや古いデータではあるが、ヤマハが女性ユーザー600人を対象に行ったアンケートによると、バイク女子の2人に1人が「バイクに関心あり」、さらに3人に1人が「免許取得も視野に入れる」としており、20~30代女性の35%が「バイク免許取得を考えたことがある」と回答している。このアンケートはいまから10年前のモノなので、同様のアンケート調査を行えば、この数字はさらに高まっていることが考えられる。

また、いまから数年前、「レンタル819」が女性利用者の年齢を調査した結果、圧倒的に20代の女性が多く利用していることが分かった。実に40%が女性なのだ。さらに、昨年開催された「バイクの日」に自工会が行った来場者アンケートの結果、全来場者のうち22%が女性であることが判明している。

ゲスト出演した“タレント効果”があったのも事実だが、モーターサイクルショーと同様、展示車にまたがり写真を撮る女性の数も確認できた。来場がバイクに興味をもつキッカケになることも考えられるだろう。

レディースツーリングの開催で不安感、怖さを払拭

レディースツーリングの開催で不安感、怖さを払拭
レディースツーリングの開催で不安感、怖さを払拭

女性ユーザーの来店が増えれば、男性ユーザーも増える。結果的に自店のユーザーの人数に比例し販売・修理需要は増え、収益は高まる。

では、どうやって増やすのか。ズバリ、ターゲット年齢の女性だけを対象としたキャンペーンの展開だ。一例を挙げてみると、「女性限定バイクライフ応援キャンペーン~20代女性なら、店頭車両価格から2万円引き~」「バイク女子限定バイクライフ応援キャンペーン~20代女性なら、整備工賃30%オフ~」

こんな感じだろうか。あまり手間をかけずにできるのは、以前も「中古車ビジネスの“ツボ”」でお伝えしたが、クーポンの活用だ。自店のSNSにQRコードをアップし、LINEで読み込み、友達追加でクーポン送信、こんな流れが手っ取り早いだろう。

女性ユーザーの顧客が増え始めたら、ぜひ実施していただきたいのは、レディースツーリングの開催。これについて、販売店Aはこう語る。

「ウチではコロナ禍をキッカケに女性限定ツーリングを始めました。いまは軽二輪と小型二輪の2つに分けています。キッカケはお客さんからの要望でした。女性は男性ばかりのツーリングに行くのは不安なんです。なかにはちょっと怖い、という人も。ウチは家内もバイクに乗るので、彼女が担当しています」

目的を明確に設定するのがポイント、というのは販売店B。

「向かった先で『〇〇を楽しむ』『〇〇を食べる』といった、女性なら間違いなく喜んでくれる行先(目的)を選びます。例えばいちご狩りやブドウ狩りを楽しんだり、限定ランチや人気店のスイーツを食べに行ったり、などです。決める時は、男性だとさほど喜ばないもの、という視点で考えています」

女性限定でツーリングを行うことで、足つき性など、気になる点も見えてくる。そんな時は、ローダウンキットやローダウンシートへの変更などもアドバイスできるので、メリットは多い、と販売店A。女性ユーザーが増えたことで、店の雰囲気も変わったという。このように、女性をターゲットにすることは、利点が多いのだ。

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