公開日: 2025/05/27
更新日: 2025/06/11
ホンダ「レブル250」Eクラッチ搭載モデルにバイクジャーナリスト小林ゆきさんとBDSバイクセンサーイメージガール竹川由華さんが試乗インプレ! クラッチレバー操作が要らなくなった新機構のEクラッチ。さらにハンドル位置やシートが変わった新型レブル250にも注目です!
小林―――Eクラッチに初めて試乗します。ではこれからクラッチレスでスタートしてみたいと思います。クラッチを使っていない状態で発進してスロットル操作を一切せずに足元のシフトだけで操作をしてまいります。ちなみに皆さんクリープしないか疑問に思っていると思うんですけれども、Eクラッチの場合クリープは一切しません。
今1速に入っている状態です。2速発進ができるかできないかという話で技術説明があったんですが、2速に入れても発信できるんですけれどもクラッチ板に負担がかかるということで、2速にいれたままだと「下げて」という矢印がメーターに出ます。なので、できるだけ1速で発進してくれということでした。
では狭いところを左右に曲がったりスロットルワークで加減速がどんな感じになるか試してみたいので、少しクランクがあるようなエリアに行ってみたいと思います。ハンドルをちょっと曲げている状態からの発進やクラッチ操作がないことで、いろいろ考える手間が初心者の方は難しかったりするかもしれませんが、まずクランク1本目。3速だと設定が高くて加速されるのを減速という感じでいやいやされました。
今回のレブルからシートの硬さが高反発になったのと、ハンドルの位置が変わってだいぶ手前に引けるようになったので、クランクで左右に曲がる際も一体感がすごく感じられます。今までのレブルはスポーツタイプのバイクに慣れた人でも独特のハンドリングだなと感じる方がいたり、私も小回りするにはハンドリングが難しいよねと思う節があったので、変化を感じますね。
ちょっともう1回元気よくクランク走行してみます。3速にしてそのまま突っ込むと、いろいろ回転数とかスピードに応じて考えてくれるので、ライダーがバイクに置いて行かれることがないです。3速の使い方というのがこの面白いですねトルクフルで勢いのある場面もあれば、ちょっと抑えてくださいよって判断してくれている速度もあったりして。3速で渋滞しているようなところをトコトコ走るのはなかなか面白いと思います。
Eクラッチですが、あえてクラッチを使うということもできます。では交差点からクラッチ仕様で走行してみましたが、途端に普通のバイク! 2速から上は少しタイムラグ感じるかな? クラッチ操作に対して完全にアナログ対応というわけではないような気がします。交差点をUターンしますが、シフトダウン操作が少しふにゃっという遊びがある感じがします。
竹川―――試乗前にいろいろ説明を受けましたが、クラッチはアクセルを開けたままシフトチェンジができるみたいでずっとアップダウン中もアクセルを握って走行しています。左手の操作が無い分、簡単に左足でシフトチェンジができるのでとても楽ちんです。今回、木更津で試乗させていただいてるんですけど、信号が多い時とかに左手の動かす操作がないだけで、筋肉の疲労はちょっと減りますね。またアクセルを開けたままシフトアップできるので、加速感がすごく楽しいです。
コーナリングとかもシフトチェンジが結構難しくて怖かったりするんですけど、シフトが合ってない時はメーターで「今合ってないですよ」って教えてくれるのでわかりやすくて、前回CBR650のEクラッチも試乗させていただいたんですけど、その時とはまた違った楽しみ方をできているんじゃないかなと思います!
小林―――ということで、レブル250のEクラッチに乗ってきました!
竹川―――私はCBR650の時にEクラッチ体験させていただいてるんですけど、今回改めてクラッチを握らなくてもシフトチェンジができるっていうのが本当に楽しかったです! クラッチを握らなくてもアップもできるし、止まってもエンストしないしすごいなと思いました。いつもだとアクセルを開けたままダウンなんてしないから変な感じだったんですけど、それも含めてすごく楽しくて、またレブル自体の乗り心地も良くなっていたので、さらにレベルアップしたなという感じがしました。
小林―――改めてEクラッチを説明しますと、シフトのアップダウンは足での操作が必ず必要で、アクセルを開けたら勝手にシフトが上がってくるわけではありません。全くクラッチレバーを握らなくてもアクセルを開けっぱなしでシフトのアップダウンができるのに加えて、クラッチを従来どおりの操作も実はできると。普通にクラッチ操作で発進もできるし、シフトのアップダウンもできる仕様になっています。
私も話では聞いていて、みんなからEクラッチ良いよ良いよと聞くからほんまかいな!? と思って、今回初めて試乗しましたがスタートしただけでびっくり。まずクラッチ使わないで発進してみたら、スクーターに乗っている感覚。ギクシャク感とか一切ないし、駐車場を出るときも確認のために減速したり停止したりするんですけれども、そういう動作が全部スムーズで当たり前にできちゃう。
試乗中に極低速で歩くぐらいのスピードでどうなっちゃうのかしらとか、クラッチを使ってハンドルロックするぐらいの感じでUターンしてみて、どこまでやったらエンストするのかなとかやったんですけれども、びっくりするぐらいギクシャクしないし、1速でエンストしないアシスト機構がついているかのごとく、最終的な部分は今までのマニュアルと同じような感じで、ベテランのライダーさんもおそらく違和感なくこのバイク乗れるんじゃないかなと思いました。
小林―――以前のレブルとシート高自体はあんまり変わらないんですけど、やはりハンドルの位置が遠かったことで、少し小回りするのに難しい面もあったんですが、改めて足つきチェックをしていきたいと思います。私のスペックは身長160cmの短足です。ではまたがります。
竹川―――皆さん気になっているのが、Eクラッチエンジンが外付けになっているので、これがどういう風に乗り心地に影響するのかですよね。
小林―――今足の内側に何か触っている感覚はあるんですけれども、あまり気にならないぐらいかなと思います。
竹川―――少し触れる感じはあるってことですか?
小林―――むしろEクラッチがついてないレブルってエンジンが細いので、足回りはスカスカといった感じですけど、スポーツライドする人間からいうと内側が触っていることで、ちょっと安心感というかステップをしっかり踏み込めている感じがします。
そしてポジションなんですけど、新型レブルはハンドルが手前に引けてシートがちょっと高反発のものになったってことなりました。シートって柔らかいものよりも硬い方がむしろ疲れにくいっていう話もあって、今回高反発シートになったことで、あんまり沈み込まない分お尻の位置とハンドルの位置がより自然になったような気がいたします。例えばUターンでしっかりハンドルを切る時も、今までだったら手が届かないよみたいなことがあったんですけど全開に来ても切っても大丈夫でした。
あとEクラッチについてもう一点加えるとしたら、由華ちゃん止まっている時ニュートラルにした?
竹川―――しなかったです! 1速のままでした。
小林―――そうだよね! これは安全運転的な観点なんですけれども、やっぱりみんな止まるのが不安、立ちゴケが不安だから両足出さなきゃという人が多いと思うんですけど、ニュートラルに入れる必要がなくなったので、ずっと右足をブレーキ踏んだままにできる。そういう意味でEクラッチはこれからの安全運転思想に対していいんじゃないかなと思いました。ということで、短腕短足族の私がまたがってみましたけども、ナイスバディーの由華ちゃんがまたがるとどんな感じか足つきインプレお願いします!
竹川―――お願いします! 私は身長162cmなんですが、まずお尻を着かなくてもまたがっただけで両足が着きます。そしてシートに座ると膝が曲がるくらいべた足です。やっぱりハンドルの位置がすごい良くなったので、腕に余裕がありますね。動かしやすいし、車重も他の車両と比べたら軽いので、女性の私でも簡単に起こすことができます。Eクラッチは確かにふくらはぎの下ら辺に当たってる感じはするんですけど、全然気にならないですね!
小林―――あと見た目には変わっていないんですけど、車体自体が樹脂に変わったみたいですね。そして「コンフォートピリオンシート」というカスタムのタンデムシートが純正より2cm分厚くなったそうです。せっかくだから由華ちゃんタンデムしてみようか!
竹川―――待ってました! では失礼します。後ろに乗りましたが・・・あれ? なんかライダーと距離感があってめちゃくちゃ快適です! 2人の間にワンちゃんとか入れるんじゃないかなっていうぐらいのスペースがあります。
小林―――シートの後ろに座り直してもだいぶ広い。
竹川―――ヘルメットがぶつからないのがすごくいいですね。いつもタンデムする時、お父さんの頭にヘルメットぶつけて怒られるんですよ。でもこれぐらい余裕があると安心ですし、座り心地もすごくいいです。
小林―――クルーザー型だと割とちっちゃいシートが多いから、後ろの人はお尻が痛くなったり、狭くて大変だったりするかもしれないけど、タンデムをさせている側としても大分快適です。
追加情報で、長年ベテランバイクジャーナリストとして活動してきた小林ゆきは見逃さなかったです。ハンドルグリップのスイッチ周りが楽になりました! 最近HONDAさんってウインカーとホーンの位置が変わったので押し間違いがあったんですけど、今回のレブルは位置が変わりましたね。先程技術者さんに確認しましたところ、やはり自然に親指を伸ばしたところにウィンカーが来るように設計したそうです。
竹川―――すごいですね、全然気づかなかったです!
小林―――まとめると、バイクジャーナリスト的に言えばEクラッチは今後も色々なバイクに付けられそうな機構なので、これによって初心者さんが気負わずに乗れるバイクが増えるでしょうし、交通安全にも寄与するような新しいシステムだと思いました。走りの楽しさも損なわないので、ますますライダーがみんな楽しめるんじゃないかなと思いました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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【竹川由華さん略歴】
滋賀県出身のアイドル。愛称はゆうかりん。第二回サンスポGOGOクイーン審査員特別賞受賞。バイク好きの両親の影響で、自身でもツーリングに行くバイク女子。愛車はGPZ750・CBR250RR。2022年3月「BDSバイクセンサー」のイメージガールに就任。バイク好きアイドルとして活動の幅を広げている。
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◎びわこのゆうか
ベタ足&自然なハンドル位置! (シート高=690mm/車両重量=174kg)
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