公開日: 2020/09/22
更新日: 2022/08/26
アルマイト処理されたアルミニウムのバイクパーツが一般に流通し始めたのは90年代初頭である。航空機から転用されたステンメッシュホースに付属していたバンジョーボルトや高額なブレーキキャリパーにユーザーは心を躍らせた。その後、アルミの切削・加工技術の進化と共にアルマイト需要も拡大。美しくアルマイトされたアルミパーツは、現在のカスタムバイクとパーツメーカー躍進の原動力となった。今回ご紹介する光研電化は、1991年からバイクパーツのアルマイト処理の専門業者として、数多くのカスタムビルダー、パーツメーカーの商品を手掛けているエキスパート。エンドユーザーのパーツ単体でのサービスも行っている。
その華麗な仕上がりからドレスアップの印象が強いアルマイト処理であるが、目的はそれだけではない。アルマイトとは電解液につけたパーツに電流を流し、アルミ表面に陽極酸化被膜を作る処理である。アルマイト自体は無色であるが、酸化被膜にある微細な坑に染料を浸透させることによって着色し、その後坑を閉じる。溶解によって表面積は減少するが、酸化被膜の形成によって相殺され、アルミパーツは処理前よりも強度・耐久性が向上する。アルマイトは対象とするパーツのアルミ材質の選定、処置前の洗浄がとても重要である。塗装面に他の金属や物質を定着させるメッキや塗装とは本質的に違うのである。アルミニウムは鉄に比べて、軽く、腐食に強く、加工しやすい。しかし強度は鉄の3分の1であり、熱による変形・溶解の限界は鉄よりも低い。アルマイトにはアルミの持つ弱点を補いながら、長所である軽量・防錆・伝導性を最大限に生かす狙いがある。
光研電化では、装飾をメインとしたドレスアップパーツには「アルマイト」、摺動部など耐久性・耐摩耗性が求められる重要部品には「硬質アルマイト」を推奨している。通常のアルマイトの2倍の強度を持つ硬質アルマイトの着色は困難とされてきたが、同社は独自の技術により全6色から選択できる。更に特筆すべきはフレームやスイングアームといった、これまでは塗装でしか対応できなかった大型のパーツの処理も、工場ラインに大型の電解液処理プールを持つ光研電化であれば可能であるという。これによりカスタムバイクの可能性は更に大きく広がった。退色してしまったワンオフパーツや、他店で購入もしくはアルマイト処理をして色ムラなどを起こしてしまったパーツなども再処理することもできる。アルマイトは前述した通りアルミ表面に陽極酸化被膜を形成する技術である。よってベースとなるアルミパーツ表面の状態が重要になる。アルマイトを依頼される際には対象パーツに使用するアルミニウム合金成分を把握し、ホームページを十分にご参照頂きたい。
株式会社コーケン
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