公開日: 2021/04/30
更新日: 2022/09/06
ホンダは3月25日、「東京モーターショー2019」で世界初出展した「ジャイロe:」を、法人向けに発売開始した。同モデルは"毎日の配送をより便利で安心なものに ビジネスe:スリーター"をコンセプトに開発。昨年登場した「ベンリィe:」に続く、ホンダe:ビジネスバイクシリーズの第二弾だ。
ジャイロe:は、ベンリィe:の車体をベースにジャイロアップの後二輪まわりを組み合わせた原付一種の電動スクーター。三輪ならではの特長を活かし、荷物運搬時の低速走行や旋回時に安心感ある走りを提供する。交換式バッテリー「ホンダモバイルパワーパック」2個を動力源とし、定常的なルートや距離での使われ方を考慮した、一充電あたり72㎞(30㎞/h定地走行テスト値)の航続距離を実現。また、後進アシスト機能を備えることで、より利便性が高いモデルとなっている。
車体には、スイングしても荷台が地面と平行で荷崩れしにくい低床大型リアデッキ(63㎝× 45㎝)を採用。最大積載量は30㎏で、前側にストッパーカバー、横と後ろの3箇所にストッパーバー、8箇所にロープフックが設定されている。また、リアデッキ部の不意な動きに対して前側車体で抑えるスイングダンパーを装備。荷物積載時のライダーへの負荷を最小限にとどめている。
さらに、スイング時に適度な復元力を発生させるナイトハルト機構を搭載。開発責任者であるホンダものづくりセンターの中川英亮さんは、
「二輪車に対し違和感のないライディングを実現し、初めて三輪車に乗る人にでも抵抗なく扱えるように開発しました」と説明する。
その他、フロントフック(最大1㎏)やインナーポケット、アクセサリーソケット、パーキングロック機構を採用するなど、ビジネスシーンでの使い勝手を考慮したデザインとなっている。
試乗を行ったバイクジャーナリストの小林ゆきさんは、次のように語る。
「フロント周りが『ベンリィe:』と一緒になったことで、ハンドリングが大分軽やかになっています。ただその分、いままでのジャイロとは重心のバランスやリーンの雰囲気が変わっているので、バイクに乗り慣れている人ほど注意が必要になると思います」
メーカー希望小売価格(税込)は55万円、カラーリングは「ロスホワイト」と「ファイティングレッド」の2色展開。業務運用上の各種動態管理を可能とする二輪車用コネクテッドサービス「ホンダフリートマネジメント」対象モデルとなっている。
ジャイロシリーズは、日本の集配業務に欠かせないモデル。コロナ禍によるデリバリー需要の拡大を受け、その存在価値はますます高まっている。ジャイロe:が普及するまでにはまだ時間を要するが、ビジネスの現場からも電動化への動きが着実に進んでいる。
人気記事ランキング