公開日: 2021/08/26
更新日: 2022/09/06
バイクが売れている。2020年新車販売台数は軽二輪が7万4000台(全軽自協調べ)で、前年比27・5%の増加となった。小型二輪も好調で2021年7月で9600台と前年同月比43%増を記録している。しかしながら、人気機種の中には納車に半年以上かかるケースも珍しくない。同時に中古車価格も上昇し、新車価格を上回る価格で取引される車両が多数存在する。この現象はコロナ禍における「3密」回避の手段としてだけではなく、純粋な趣味としてバイク人気が再燃している事実を明確にしている。
90年代と違うのは、リターンライダーと若者ライダーの2世代が現在のバイクブームを牽引しているということ。人気モデルの傾向は幅広く、世代による隔たりはない。しかしファッションの好みは年齢によって明確に違う。そこにバイク・アパレルは対応を迫られている。ファストブランドの台頭によって、若い世代は価格に対する感覚が厳しい。一般衣料と比較して高額なライディングウエアをどのようにユーザーに普及させるのかが大きな課題となる。それは利益追求という観点のみならず、ユーザーの安全を守るという二輪業界全体で考えるべき問題でもある。
今回紹介するS.K.Y.incは9ブランドを展開。ネットによる通信販売はもちろん、関東(北関東を含まず)だけでも48店舗の二輪量販店で購入することができる。2001年の創業以来、全国の量販店にGREEDYを中心に展開し、ライダーと共に歩んできた。
GREEDYはカジュアルなデザインに安全機能をしっかりと付加したラインアップで、幅広い年齢層に支持されているS.K.Y.の看板ブランド。この夏の新作GNS-032 メッシュツーリングジャケットは肩・肘・脊椎・胸部の4点パッド標準装備。他メーカーの胸部プロテクター、hit-airチェストプロテクター、RSタイチ社製CPSシステムにも対応する。ライディングウエアとしての機能と安全を両立しながら15万400円(税込)はとても魅力的な価格である。
取締役の会田剛士さんはこう語る。
「ファストファッションによって高価なブランドが淘汰され、コロナ禍で国内ブランドの存続すら危ぶまれている時代です。今後のバイク・アパレル業界に課せられたテーマは、どれだけユーザーに寄り添えるかだと考えます。世代が二極化した市場で、何を購入すべきか迷うユーザーのために、自分が着たらこうなる、このバイクに合わせたい、あの場所に行くならこれを、といったような具体的なイメージ発信をしたいのです。ウェブや動画、SNSなどを使いこなしながら、メーカーからの一方通行ではなく、ユーザーとのコミュニティを作り、訴求していきます」
若い世代とリターンライダーの共存。この状況が二輪業界にとって追い風であることは間違いない。幅広い年齢層と多種多様なライダーの趣向にバイク・アパレルは対応できるのか?今秋のS.K.Y.incの動向、新商品に注目したい。
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