国内新車出荷台数コロナ

2021年新車国内出荷台数。前年比16.3%の大幅増となったが、40万台の大台には届かず

公開日: 2022/01/31

更新日: 2022/03/11

2021年の新車国内出荷台数が38万2000台となる見込みであることが分かった(二輪車新聞調べ)。40万台にはわずかに届かなかったが、前年比で16.3%の大幅増となり、全排気量クラスでプラス、計5万台以上の上乗せとなった。特に著しい伸びを見せたのは小型二輪で、前年比63.4%もの増加を見せた。

出荷台数38万2000台で、前年より5万台以上も増加

新型コロナウイルス感染症が騒がれ始めたのは2020年2月頃。あれから丸2年が経とうとしているが、今もなお、マスクの日々が続いている。

こうした中、3密を避けられる移動手段や趣味として脚光を浴びた二輪車だが、2020年の国内4メーカー新車国内出荷台数は、春頃の落ち込みが大きく影響し、下半期に台数を伸ばしたものの、前年比微減という結果となった。

2021年は、2020年後半の勢いを持続したまま新年に突入したので、出荷台数の増加に大きな期待がかかっていたが、その結果はどうだったのか。1月に発表された、昨年の出荷台数速報値(二輪車新聞調べ)では、全排気量の出荷台数合計が38万2000台となる見込み。40万台の大台には届かなかったものの、台数で言えば5万台以上も増加し前年割れした排気量クラスもない。実に、前年比16.3%の大幅増となったのである。

ただ、実際はもっと台数を伸ばせていた可能性は十分にあった、昨年、販売店からよく聞いたのが、「新車が入ってこない」ということ。埼玉県のある販売店は次のように話す。

「ウチでは昨年、中古車の販売台数が大きく伸びました。でも、それは中古車の人気が高いから、という理由だけではないことは感じていました。新車が入ってこない分の代替え需要なので、『中古車で』という方が増えました。もし、新車がコロナ前のように潤沢に供給されていれば、ウチの新車と中古車の販売比率は間違いなく変わっていたと思います」

こうしたケースは決してレアケースではなく、もし「新車が欲しい」というユーザーに対し待たすことなく販売できていたら、2014年以来の40万台が見えていた可能性もある。それが残念だ。

6割以上のプラスとなった小型二輪車の人気は、今も継続中

<center>小型二輪車の販売台数トップとなった「SR400」</center>
小型二輪車の販売台数トップとなった「SR400」

前段で述べた物流の問題を抱えながらでも、前年よりも5万台以上も伸ばしたのだから、二輪車人気は持続する可能性は十分にある。

これは、出荷台数ではなく販売台数のデータだが、2021年における小型二輪車の新車販売台数は8万3571台(全軽自協調べ・海外メーカー等含む)。前年比で24.0%もの大幅増だ。これを月別に見てみると、例えば、昨年末の3か月(10~12月)は、10月が前年同月比8.1%増、11月が同36.2%増、12月が同26.3%増と、後半3か月だけを見ても勢いに全く衰えが見えない。年間を通しても、前年割れとなったのは1月のみという好調さ。

さらには、年間の販売台数が8万台以上となるのは2007年以来のこと。それどころか、年間8万3571台以上の数字を見つけるには、2001年まで遡る必要がある。20年前の水準に戻っており、現在もプラスを続けている、それが小型二輪車クラスなのだ。

また、小型二輪車は、出荷台数においても数字を大きく伸ばしたクラス。推定値で6万台。前年比63.4%もの大躍進だ。この6万台に達するというのは、実に23年振りのこと。

小型二輪車(251cc以上)の販売台数ランキングを見ると、トップとなったのはヤマハの「SR400」。ヤマハを代表する人気モデルの一つだったが、昨年1月にファイナルエディションを発売。その人気は凄まじく、2022年になった今も、モノによっては200万以上の販売価格でネットに掲載されているほどだ。

2位はカワサキ「Z900RS/カフェ」。市場投入以来、安定して高い人気を誇る。

3位がホンダ「GB350」。2021年のニューモデルで、3月に登場。その親しみやすい雰囲気からか、発表と同時に注目され、各メディアやバイク系ユーチューバーがこぞってインプレッションを掲載、あるいは動画を投稿した。BDSのユーチューブチャンネル「バイク動画BBB」でも、GB350の動画を公開しているが、同車関連の動画はどれも再生回数が多い。2月に公開した足つきインプレ動画は、21万回を超える再生回数となっており、そこからも注目度の高さを伺うことができる。

その他、カワサキ「Ninja400/KRTエディション」、ホンダ「レブル1100/DCT」、ホンダ「CB400スーパーフォア/スーパーボルドール」、ハーレーダビッドソン「FLHCS/FLFBS/FXBRS/FXFBS/FXLRS/FXBBS」などが上位にランクインした。

原付一種と原付二種、その台数差が4500台に急接近

「CT125・ハンターカブ」と「クロスカブ110」は、キャンプツーリングの足としての人気も高い
「CT125・ハンターカブ」と「クロスカブ110」は、キャンプツーリングの足としての人気も高い

躍進と言えば、原付二種も忘れてはならない。出荷台数の速報値は12万5000台で、前年比22.9%の増加。小型二輪クラスが6割以上増加しているので目立たないが、原付二種も2割以上の大幅増となり、4年連続しての10万台以上を記録した。また、12万台以上となるのは、2008年以来のこととなる。

そして、何よりも大きな注目ポイントが、原付一種との台数差。2020年は約2万1000台差だったが、2021年はその差はわずか4500台にまで短縮。2021年の出荷台数は見込みの数字だが、2020年の原付一種出荷台数を超える台数となっている。もう完全に射程圏内なのだ。もしかしたら今年、クラス別シェアでトップの座を原付二種が奪い去るかもしれない。

先ほど、新車の入荷に関する話を聞いた販売店でも「ウチは250ccから400ccがメインですが、125ccクラスは店頭に置いておくとすぐに売れます。購入されるお客さんに話をお聞きすると、通勤や日常の足に使われるケースのほか、ホンダのハンターカブやクロスカブは、キャンプツーリングの足としての人気も高いと感じます」と話す。

名前の出たホンダ「CT125・ハンターカブ」と「クロスカブ110」は2モデルの合計で1万8000台以上を出荷。原付二種ではほかに、ホンダ「PCX」、ヤマハ「NMAX」、スズキ「アドレス110・125」、カワサキ「Z125PRO」が好調。

原付一種の未来は、原二やEVとの違いをどう訴求するかがカギ

<center>出典:二輪車新聞社</center>
出典:二輪車新聞社

クラス別シェアでトップの座を脅かされている原付一種だが、同クラスも前年比5.8%増の12万9500台となる見込み。このクラスは、原付二種と電動モビリティに挟まれ、厳しい状況に置かれているのは間違いのないこと。しかし、自動車の免許で乗れる、航続距離が長いなど、原付二種や電動モビリティとは違う、原付一種ならではの利点もある。原付一種の未来は、それをどう訴求していけるかが、カギとなるだろう。

そして、軽二輪。出荷台数は6万7500台となる見込み。2020年が6万7481台なので、ほぼ同数。前年比プラスマイナスゼロ。

ホンダの「レブル250」は同クラスの人気モデルのひとつだが、東京都の販売店が「レブル250は人気が高いが、モノが入ってこない。次回の入荷予定数はすでに予約でいっぱい。オーダーを受けてもいつお渡しできるか分からないので、お断りしている」という話を昨年秋あたりにしていた(現在は徐々に改善)。これは当時、複数の販売店から聞いた話。人気モデルがゆえに、コロナ禍における物流の問題に直撃された格好だ。

さて、速報値だが、前年比で約16% の大幅増となった2021年の出荷台数。世界規模のコロナ禍により、すぐには物流などの問題がクリアになるとは思えないが、現在の二輪車人気は小型二輪車の販売台数を見る限りでは、今後も継続していくのではないだろうか。

だが、だからといって安心もしていられない。世界的な流れの一つとして『脱炭素』がある。小誌では何度か触れているが、東京都でも『ゼロエミッション東京戦略』を公表しており、2035年までに都内で販売される新車の二輪車を100%非ガソリン化することを目指している。その時に電動が二輪車の主流となるのかは不明だが、今のままでいられないことは確かなこと。時代の流れや要請にどう順応していくのか。それが二輪業界における、今後の大きな課題だろう。

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