コラムビジネス

インバウンド数と消費額、ともに右肩上がり。2025 年までに受け入れ態勢の大幅な改善目指す

公開日: 2023/03/07

更新日: 2023/03/07

最近、日本に訪れる外国人観光客(インバウンド)を観光地等で見かける回数が増えていないだろうか。日本はコロナ禍によって一度は途絶えた外国人観光客の受け入れを昨年6月10日から再開。以降、訪日客数は増加傾向にあり、今年1月には149万7300人を記録(日本政府観光局調べ)。コロナ禍前の2019年同月比で56%の割合ではあるが、水際措置の見直しを行った中国を除けば76%にまで回復している。

1月の訪日客数について国別でみると、最も多いのは韓国で56万5200人、2019年同月比では72.5%の水準であった。2位は台湾で25万9300人、同66.9%。3位は香港で15万1900人、同98.4%と続いている。

また、2019年1月の数字を上回る国も出てきた。ベトナムは5万1500人で、同45.6%増加。さらに、シンガポールは2万6700人で、同17.7%増加しており、このことからもアジア圏からの訪日が多いことが伺える。

課題は日本の受け入れ態勢を整えること

今年1月の訪日客数が150万人であったことを踏まえると、このままの水準で推移すれば年間で約2000万人という数字も見えてくる。日経新聞の記事によると、訪日客数が1973万人だった2015年のインバウンド消費額は3兆4771億円。今年は前年(約8991億円/観光庁調べ)より2兆円超の上積みに繋がる可能性があるという。

国土交通省は2月9日、2023~2025年度までの新たな観光立国推進基本計画について有識者会議を実施した。その中で、2025年までにインバウンド1人当たりの消費額を、コロナ禍前の2019年比で25%増加となる20万円に設定。また、1人当たりの地方部宿泊数は同10%強の増加となる1.5泊と定め、インバウンド旅行消費額5兆円の早期達成および、コロナ禍前の3318万人(2019年実績)越えを目指している。

この実現に向け国交省は、地域一体となった観光地や観光産業の再生、宿泊施設のリノベーション支援、デジタル技術を活用した既存の観光サービスの質向上、観光人材の育成や確保などを推進。さらに、2025年までに「日本版持続可能な観光ガイド」に沿った取り組みを行う地域を、現在の12地域から、100地域に増やす目標を掲げている。

上記のように、訪日客数は回復傾向にあるが、日本は人手不足という課題を抱えている。いくら訪日客数が増加しようとも、受け皿がキチンとしていなければ、また日本に行きたいと思ってもらえない可能性もある。

日本は昨年、2年に1度発表される世界経済フォーラムの「観光魅力度ランキング」で、初めて世界1位を獲得した。2025年には大阪・関西万博が開催されるため、今後多くの外国人観光客が訪れることが予想される。

英語での案内表記を地方でも増やしたり、英語を話せる案内人の育成など、受け入れ態勢を整えることが早急の課題となっている。日本の“おもてなし”力が問われている。

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