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3分でわかる中古二輪車ビジネスの“ツボ”「私はここを見ています」車両をチェックする時のポイントとは?

公開日: 2023/05/30

更新日: 2023/12/14

コロナ禍以降、バイク人気が上向きになっている。やがて、それらの車両は、廃車まで乗るという人のバイクを除き、買い替えの際に下取りしたり、バイクを降りるという人ならば買い取ったりする車両となる。そういう時、どこを重点的にチェックするのだろうか。

『車検のない排気量だから、ここを重点的に見る』というチェックポイントは特にない

「ウチは、特別なことはしていません」

こう話すのは、東京都内に店を構える二輪販売店。とは言え、車検のあるバイクであれば、少なくとも2年に一度は整備されるが、250cc以下のバイクだと最悪の場合、乗りっぱなしでロクにメンテナンスもされていないというケースもある。チェーンはカラカラに乾き、スプロケットは針のように尖り、外装は日に焼けてツヤもなく、ところどころに剥がれやひび割れが…なんてバイクもあったりする。

そこまではいかないにしても、キレイに見えるバイクでも、爆音マフラーや基準を満たしていないパーツが取り付けられている車両も見受けられる。さらに、自分でメンテナンスをするユーザーの場合、品質の悪い工具を使えばボルトの頭やネジの山をなめてしまっていることもある。

「そのあたりは、外して付けてという単純な交換で済みますし、パッと見ただけでも、要交換かどうかが判断できます。外装にしても、キレイでも汚れていても結局は洗って各部を確認しますので、汚れているかどうかも大きな問題ではありません。なので、250cc以下のバイクだから『ここを重点的に見る』というのは特にありません」

なるほど。チェックポイントに関することは後述するとして、こんな話もしてくれた。

「余談ですが、例えばハンドルのバーエンドにキズが付いていた場合、キズの付き方で立ちゴケか走行中の転倒か、おおよそ見分けがつきます。たぶん、バイクの仕事に携わっている人なら、みんなそうなんじゃないかな。お客さんとしては、少しでも悪く思われないようにと、転倒のキズでも『立ちゴケしちゃって』と言ったりする人がいますが、それはむしろ逆効果。気持ちは分かりますが、事実を隠す人、というイメージを持ってしまいます。そのことは、お客さんにストレートに言うこともあります。その上で、このキズだけで査定が大きく上下することはありませんから大丈夫です、と伝えています」

優に1万台を超えるというバイクを見てきた目が、『直感』的に異常を察知する

「さきほども申し上げましたが、車検のないバイクだからという特別なチェックポイントはありません。エンジンの異音はどうか、フレームや足回りに異常は見られないか、細かいところではハンドルストッパーに変形などが見られないか、とかですね。外装パーツなどとは違い、エンジンなどは異音がするから外して新しいエンジンを取り付けて、なんてことは気楽にできませんしね(笑)。あと、走行距離疑義車や減算歴車かどうか。きっと、どこの販売店さんに聞いても、同じような答えになるような気がします。もちろん、旧車や2スト車両などは、特別なチェックポイントとかがあるかも知れませんけど、ウチで扱う一般的な車両だと『ここがチェックポイント』という特別な部分は思い当たらないかな…」

特別なことをするのではなく、チェックしておくべきポイントをしっかりとチェックしておく。その基本的な部分がやっぱり大切なのだと改めて実感した。そして、話を聞いた販売店からは、次の言葉を最後に聞くことができた。

「あえて言うなら、『直感』です。バイクを見た時に『なんか、このバイク、おかしい?』って感じるバイクは、だいたい何かの問題を抱えていることが多いですね。例えば、フレームやホイールが歪んでいるとか。理由は分かりませんが、バイクショップという仕事柄、優に1万台を超えるバイクを見てきているので、正常なバランスが目と意識に焼き付いているのかもしれません。ただ、直感が働く働かないに関係なく、フレームの歪みなどはチェックしていますので、ピン! と来なかったから歪みに気づかなかったということはないんですけどね(笑)」



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