カワサキ試乗インプレ小林ゆき動画

KAWASAKI「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」試乗インプレ 後編!

公開日: 2023/07/31

更新日: 2023/08/07

「Ninja ZX-25R」のオーナーであるバイクジャーナリストの小林ゆきさんが、ZX-25Rと「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」を比較しながらサーキット走行してきました!

見た目のレーシーさとは裏腹にオールマイティーな走り!

見た目のレーシーさとは裏腹にオールマイティーな走り!
見た目のレーシーさとは裏腹にオールマイティーな走り!

まず、またがった瞬間25Rよりステップの位置が低い? と感じたのですが、カワサキの人に確認したら、ステップは同じだけどシート高が15mmで違うということで、ハンドル・シート・ステップの位置関係はほぼ一緒ということでした。シート高が15mm違うだけで、だいぶ足元にゆとりがあるように感じられます。

では、サーキット走行いってきます! ZX-4RRは外観がレーシーですから、どこまで攻められるか皆さん興味があると思いますが、普段使いはどうなのかという所で、サーキットを走りながら語っていこうと思います。

フルカウルでセパハンと言うと、とってもレーシーな感じで、カワサキの10Rや6Rと同じく速さに特化しているバイクのように見えるかもしれませんが、走ってみるとオールマイティーでちょうどいいバイクだと思います。4気筒なので、単気筒・2気筒などのドコドコ感はないですが、シルキーさを感じます。特に3速から2速に落とした時のシフターの滑らかさ。タイムラグみたいなのが全然ないんですよね。慣れたらクラッチレバーを上げる必要はなくて、この辺は25Rよりもすごく進化を感じます。ツーリングの時にシフターも使ってしまう感覚で走ると手の疲れも楽ですね。腕だけじゃなくて、背筋とかも使いますから、全般的にこの疲れがなくなるんじゃないかな。

少しずつタイムを上げながら走っていますが、ブレーキもほんとに高級なサスが付いていてちょっと触ったらシュンと沈んでいく感じです。コーナー途中で2速に落としても、実に滑らかにシフトダウンをしてくれます。サーキットを走っても、この豪華装備によって走りが助けられるというのは分かりましたが、やはりサスペンション、そしてディスクあたりが一段と高級感を感じるような装備になっておりますので、パワーが上がっているにもかかわらず、気持ちに余裕が出てくるような走りができます!

そしてエンジン音ですが、往年の400ccよりも太くて迫力のある格好いい音がしていて、大きなバイクを操っている感じがするんですよね。車体的に25Rと一緒ですからそんな大きくない訳ですが、ビッグバイク乗っているような感じでとても気持ちがいいですね。

25Rとは完全に別物なスポーツツアラー!

クイックシフターに進化を感じる!
クイックシフターに進化を感じる!

私はZX-25Rを所有しているので、ほぼ車体が共通でエンジンが400ccになったバイクが出たと聞いて比較してどうなのか、ということくを言おうと思っていましたが、またがってバイク起こした瞬間や走り始めて最初のコーナーを曲がった瞬間にもう別物だなと感じました!

25Rは最初のとっつきで結構クイックで軽いところがすごくチャーミングポイントだったんですが、それに対して4RRは、車格が一緒なのに運転すると、まるでビッグバイクを操っているかのような、そして足回り・ハンドリングに関して非常にベーシック。カワサキの得意な分野である、スポーツツアラーのようなツーリングもスポーツも楽しいよね、という流れをハンドリングで感じます。そしてエンジンですが、やはり400ccですし、パワー・トルクも十分で、またがってライダーが受ける感覚がおそらく外から聞いている音とライダーがマシンから受ける音の感覚全然違うと思います。25Rも結構近いものがありましたが、4RRは本当に迫力がある音なんですよね。なので、運転しているライダーにとっては、スゴク満足感が高いのではないかなと思います!

外観からサーキットライドに特化したものなんじゃないかと誤解される方は多いと思いますが違います!! ツーリングにベストな、ちょうど良い感じがすごくあって、ライディングに対する余裕が全然違います。私はGPz900R、Ninja H2のハイパワーなバイクも乗っていますが、4RRは扱いきれる大きさで、もうちょっとパワーが欲しいみたいな時に下からモリモリ感じられます。

もう1つ、ツーリングにいいところは、ポジションが実は楽だというところ。意外とハンドルの距離が短いんですよね。なので、セパハンでスゴイ前傾している訳ではなくて、背筋を伸ばした楽な姿勢でポジションが取れるのと、4気筒のシルキーな走りで疲労感の軽減もしてくれます。それからレースの為に付いていると思いきやクイックシフターに進化を感じました。25Rでも結構恩恵を受けていましたが、より繊細でタイムラグがないんですよね。なのでクラッチ使っちゃおうと思うところが全然なくなり、ペダルの操作だけでシフトの上げ下げができます。

色々いいところはあるんですが、400ccのこの車体にハイパワーなエンジン、そして高性能な整備に高級なサスペンションやトラコン。液晶もカラーになって色んな機能がついて115万5000円(メーカー希望小売価格)で買えちゃうことに驚きです! 本当にオススメの1台です!

前編はコチラ!

【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
◎Kommonちゃんねる



カワサキの記事一覧試乗インプレ記事一覧
その他のインプレ記事も盛りだくさん。

バイクショップの求人
BDSバイクセンサー

人気記事ランキング

制限速度が半分に!? 2026年からの新しいルール

時代に合わせて少しずつ変化している道路交通法。来年以降の二輪に関わる改正道路交通法施行令にはどの...


50cc時代に幕。2025年4月1日、『新基準原付』スタート!

道路交通法施行規則が改正され、4月1日より適用される。これにより、原付一種にしか乗れないユーザーで...


2024年キャッシュレス決済比率は42.8%。導入の課題は決済手数料分のコストをいかに確保するか

かつて“現金大国”と呼ばれた日本だが、いまや財布を持たなくても不自由なく生活できる時代となりつつあ...


125ccクラス最新スクーター“11台”足つき比較インプレ! <ホンダ・ヤマハ編>

大好評の足つき比較企画“第3弾”「125cc最新スクーター11台足つき比較」! 今回もユーメディアの横浜新山...


2024年二輪国内保有台数。全体はマイナスだが、原付二種以上の合計では過去最多を記録!

2024年の二輪国内保有台数が約1028万台となっていることが、経済産業省『二輪車産業の概況』によって分...


二輪免許取得者数33万6943人でコロナ前の水準に戻る。年齢別ボリュームゾーンは20~24歳

二輪免許の取得。これは免許区分に関わらず、バイクに乗る、という意志の表れである。つまり、この数字...


2024年新車国内出荷台数、約32万台でコロナ禍以前の水準に

2024年の新車国内出荷台数は32万0300台(二輪車新聞調べ・推定値)となり、コロナ禍以前の水準となった...


スズキ「アドレス125」足つきインプレ! 2025年モデルはフルモデルチェンジ!?

新型アドレス125をバイクジャーナリストの小林ゆきさんと、BDSバイクセンサーイメージガールの竹川由華...


セブンイレブンが全国の店舗で値引き販売実施! 目印は緑色の「エコだ値」シール

日本全国に2万1551店(2024年4月末時点)もの、コンビニエンスストア「セブンイレブン」を展開するセブ...


国交省がオートロック解錠の共通システム開発を支援。置き配の活用を進め、再配達削減を目指す

宅配便業界では現在、深刻なドライバー不足による過重労働や運送コストの増加などが問題となっている。...


DYM
SEO Ranking