公開日: 2023/10/27
更新日: 2023/11/01
ホンダは10月7・8日の2日間にわたり、埼玉県ふじみ野市にあるホンダテクニカルカレッジ関東で二輪サービススタッフの知識や技術力を競う技能コンテスト『ホンダ・グローバル・モーターサイクル・テクニシャン ・コンテスト』を開催した。第1回大会となる今回、世界13カ国からサービススタッフが集い、頂点を目指して課題に挑んだ。
自工会ではかねてマルチパスウェイという考え方を発信し続けているが、日髙委員長はこれについて、大きな流れとしてバッテリーEV化はポイントとなっている。けれども製品や地域特性ごとに様々な制約や条件がある中では、多様な選択肢を準備することこそが、真に効率的なカーボンニュートラルの道、と見解を述べた。
続いて国内二輪に関しては、「コミューターについては通勤や通学などに用途が絞られることもあり、バッテリーEVへ置き換わっていく可能性は高い。一方、ツーリングなどを主とする中・大型車については、バッテリー性能、コスト、充電インフラなど様々な課題がある。また、内燃機関特有の音や振動などライダーの感性に関係する要素は重要であるとも認識している。もちろん、バッテリーEVにしか出せない良さもある。インフラや利用環境整備など、社会全体で育てていくことが大切。加えてカーボンニュートラル燃料等を用いた内燃機関やハイブリッドEVといった多様な選択肢も、二輪車にとってはとても重要」とした。
コンテストのスケジュールは、7日が筆記試験の『知識競技』(競技時間60分)。測定機器の使用方法や定期点検の基礎知識など、診断や修理の知識や注意点に関する問題が50問出題(4択式)された。8日は『実車競技』(競技時間80分)と『単品競技』(競技時間60分)。華やかな開会式後、ほどなくして競技が開始された。
実車競技は実際に車両を使う競技で、250cc未満の『コミューター競技』と250cc以上の『ファン競技』に分かれ、それぞれ故障診断や点検で発見した不具合の修理を行った。競技には、コミューターに『スーパーカブ110』、ファンに『C650R』がそれぞれ使用された。単品競技は、締め付け作業や交換作業など指示された5つの作業を早く正確に完了させることが目的。作業スピード、工具を正しく正確に使えているか、安全に気を配って作業しているかが採点のポイントとなる。
実技での出場者の目つきは真剣そのもの。開会式の華やかさとは真逆で、淡々と黙々と作業が進んでいく。その傍らで様子をチェックする審査員。おそらく、お店で修理や点検作業を行っている時の何倍もの緊張感を出場者は味わっているだろう。16時10分、会場にブザーが響き渡り全競技が終了。その後、東京都豊島区のホテルメトロポリタン池袋に会場を移し、結果発表と表彰式が行われた。コミューターカテゴリーの1位となったのは、インドネシアのMasngudin選手。ファンカテゴリーの1位となったのは、台湾のWu Chun-Yi選手。
国や地域の大会を勝ち抜いてきた出場者なので、カメラ越しに競技を見ていて、正直、レベルの差は感じなかった。全員、車両と真摯に向き合っていたように思う。そして、この真剣さがホンダ全体のサービス力アップにつながっているのだと実感した。次回の開催は、4年後が予定されている。
コミューターカテゴリー インドネシア Masngudin選手
とにかく練習を重ねてきました。理論、実務の両方の領域で学んできましたが、スポーツのように体力面の強化も欠かしませんでした。様々な面の練習を行ってきたことが優勝に繋がった一番の要因であると考えています。
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