コラム

普通免許で運転できるトラック登場。2024年問題の解決策となるか?

公開日: 2024/08/30

更新日: 2024/09/04

いすゞ自動車は7月30日より、普通自動車免許でも運転可能な小型ディーゼルトラック「エルフミオ」の販売を開始した。“だれでもトラック”をキーワードに開発された同車両は、物流業界の人材不足による問題を解決できる可能性があり、注目されている。

エルフミオは、燃費性能の高いディーゼルエンジンを採用。十分な速度を確保しつつも円滑な走行を実現している。また、エンジンを軽量化することで、車両総重量を普通自動車免許の範囲内である3.5トン未満に抑えている。普通免許で運転可能な小型トラックはいままで、ガソリン車かEV車しかなく、トラックで最も売れているディーゼル車は、あまり販売されていなかった。今回のエルフミオの登場によって、これまでディーゼル車がないからと小型トラックの購入を踏みとどまっていた人たちへの新たな選択肢となる。

購入は、いすゞの販売会社で行うことが可能だ。また、同社が立ち上げたオンライン販売サイト「ELFmioストア」からスマホなどで購入でき、見積もりやオンライン商談の申し込み、車両契約までネット上で完結することができる。販売価格は、東京地区での希望小売価格(税込)が402万0500円。従来の小型トラックと比べると、約250万円も安くなっている。

「2024年問題」に向けた新たな人材確保に期待

物流業界では現在、「2024年問題」への対策に追われており、今年4月から残業規制が適用されたことによる、トラックドライバーの人材不足が深刻化している。2017年までは総重量が5トン未満の車でも普通自動車免許で運転できたが、同年3月以降に取得した免許では3.5トン未満の車しか運転できなくなった。このことも、人材確保のハードルを上げている。

2024年問題は物流業界にとどまらず、他の業界にも大きな影響を与え続けている。材料や商品を輸送する製造業は、物流の人手不足の影響でコスト増加やスケジュールに遅れが出るなど、問題が多い。現在は、運搬で使用するパレット規格の統一化を進めるなど様々な対策を行っている。

このまま問題を解決できなければ、将来的にドライバー不足が理由で輸送を断られてしまうなど、日常生活の中でも輸送の流れに支障が出てきてしまう。全日本トラック協会のデータによると、何も対策が行われなければ、営業トラックの輸送力は2024年に14.2%、30年には34.1%不足する可能性があるという。同協会では、ホームページ内で2024年問題に関する情報を掲載し、問題解決に向けて利用者に対し理解・協力を求めている。

数々の問題を抱える中、解決の可能性として注目されているのがエルフミオだ。乗用車と同じ扱いで乗れることから人材確保のハードルを下げることが見込まれる。裾野が広がったことでドライバーの増加が期待でき、その結果、運送の効率化や即戦力の確保にもつながるだろう。2024年問題の解決に向けて、エルフミオはどれだけ輸送力不足の解消に貢献できるのか期待がかかる。

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