イベント日本二普協

『Basic Riding Lesson』は初心者が安心して学べる!

公開日: 2025/12/23

更新日: 2025/12/25

日本二普協・埼玉二輪車普及安全協会と埼玉県警察の主催する『Basic Riding Lesson』が、2025年11月1日に埼玉県鴻巣市にある埼玉県警察運転免許センターの教習コースで開催された。今回は女性および免許取得1年未満の初心者を対象としており、23名が参加。レッスンでは白バイが併走するエリアがあるなど、受講者が楽しみながらバイク操作を学ぶ様子が見られた。

ビギナーやリターンライダーに向けて大きく舵を切った『ベーシックライディングレッスン』

ビギナーやリターンライダーに向けて大きく舵を切った『ベーシックライディングレッスン』
ビギナーやリターンライダーに向けて大きく舵を切った『ベーシックライディングレッスン』

ベーシックライディングレッスン(以下、BRL)の前身は、グッドライダーミーティング(以下、GRM)。GRMでは、「さらにライディングの技術を磨きたい」という向上心あふれるベテランと、「まったくバイクが初めて」「免許は取ったけど思うように乗れない」という超がつくほどの初心者が混在していたという。

「クラス分けをして対応しようとしましたが、それでも初心者の人からすると『このレベルにはついていけない』。逆に、技術をさらに磨きたい人からすると『毎回同じ課題なのでレベルアップしてほしい』。GRM受講者にアンケートを取っても両極端な回答が寄せられていました。この先どうやって進めていこうかとなった時、二普協としては、ビギナーの方などに安全に一般公道を走っていただくというのが基本だよねということになり、2年ほど前に方向転換しました」(日本二輪車普及安全協会・福島俊史氏) 

免許は取ったものの、なかなか練習する場所もない。でも、公道を安心して走っていける技量を身につけたい。また、しばらくバイクから離れていてリターンしたけど、運転に自信が持てないなどの人たちをメインターゲットとしたのが、BRLなのだ。

「方向転換したことで受講者数が減るかなと思いましたが、ほぼ横ばい。ただ、その中身は大きく変わって、初心者やリターンライダーの方の割合が増えてきています」(福島氏)

方針を変えたことで離れる人もいる。ともすれば受講者減少につながりかねないが、そうなってはおらず、初心者の方々などが増えてきているとのことで、どうやら狙い通りの状況となっているようだ。

バイクの操作技術を学ぶだけではなく、交差点でのヒヤリハットも疑似体験

安全な環境でヒヤリハットを疑似体験
安全な環境でヒヤリハットを疑似体験

埼玉県では2025年に5回のBRLが開催され、いずれも会場となったのは鴻巣市にある埼玉県警察運転免許センターの教習コース。一本橋や波状路、スラロームにクランク、急制動など、運転の基本操作を学ぶ場所ならではのカリキュラムが組まれており、言ってみれば教習所での実技教習をギュッと凝縮したような内容だ。そして、それらは教習所を卒業してしまうと、なかなか練習できない、練習する場所のない内容でもある。特に一本橋は、公道をただゆっくりとまっすぐ走るだけでは「落ちるかも」という緊張感を持てないため、教習所ならではのレッスンだと言える。

昨年11月1日のBRLは、女性および免許取得後1年未満の超初心者限定で開催。23名が受講し、『入門者クラス』と『初心者クラス』の2クラスに分けて実施。前述の通りメインターゲットはバイクの運転に不慣れな人や自信のない人。基本操作を再度確認したいというライダーの参加も可能となっていた。

主催に名を連ねる埼玉県警察からは女性白バイ隊員が来ており、クランクエリアでは白バイが併走。エリアを走り終えると、その都度、白バイ隊員が「こうしたほうがいい」などとアドバイス。バイク操作の厳しい練習を積み重ねてきた白バイ隊員から直接、アドバイスをもらえることは、そうあることではないので、受講者には大いに参考になったものと思われる。

インストラクター・飯島広光氏(BE COOL819代表)
インストラクター・飯島広光氏(BE COOL819代表)

また、インストラクターの多くは二輪車安全運転大会の経験者なので、上達のメソッドを熟知しているだけに指導や指摘が的確。実際、受講者からもそのような声があがっており、不安なく公道を走るための早道として、レッスンにリピート参加する受講者も多いという。

「今回は、女性ライダー主体のレッスンということもあり、3つあるセクションに配置されたインストラクターの各リーダーは女性です」(インストラクター・飯島広光氏/BE COOL819代表)

女性インストラクターが多いと、女性受講者に与える安心感も大きいのではないだろうか。

操作技術だけではなく、『安全』に関する仕掛けもあった。

「交差点にトラックとクルマを置き、トラックの横を抜けると右折しようとする対向車がいた、というもの。実際に一般公道で起きそうな場面を想定し、交差点でのヒヤリハットも疑似体験してもらいました」(飯島氏)

確かに、ベテランだろうが初心者だろうが、トラックの横を抜けたらすぐそこに反対車線の右折車、なんてシーンには公道で遭遇したくないはず。疑似体験だとしても「こういうことも起きうる」と身をもって知っておくことは、バイクライフを送る中で決して無駄にはならない。

さらに、BRLの大きな特徴と言えるのが、実技時間を詰め込みすぎていないこと。開講式から閉講式までの6時間弱で実技走行は2時間ほど。途中、タイヤ講義などが盛り込まれているが、バイクに不慣れな人にはちょうど良い配分だったのではないだろうか。受講者から聞けた声が「疲れた」ではなく「楽しかった」だったのが、その証拠。そのことからもBRLは、ライディングを『楽しく学びたい』というユーザーにおすすめできるレッスンのひとつと言えるだろう。

参加者の声を紹介!

一本橋が練習できるのは、教習所ならでは
一本橋が練習できるのは、教習所ならでは

約30年ぶりのリターン。BRLをもっと早く知りたかった!
J.Eさん(レブル250/60代女性)
40年前くらいに限定解除してFZRとかに乗っていました。その後、結婚して子育てとかあって約30年間乗っていなかったのですが、娘が警察官となり白バイ隊に配属。日常的にバイクを練習している姿に影響を受け、「もう一回、私もがんばってみようかな」と、レブル250を去年購入して今回、初めて参加しました。買ってから乗るのは今日で4回目くらい。操作をすっかり忘れていましたが、指導を受けるうちに段々と思い出してきて、最後のほうは楽しく走ることができました。こんな良い講習会があるって知っていたら、「もっと早くからバイクにリターンしたのに!」と感じています。

参加するたびに上達を実感。一本橋では今日一番のタイム
M.Kさん(CBR250R女性)
免許は大型二輪を持っています。2〜3年前からBRLを受講するようになって、今年だけでも4回目です。来るたびにUターンとかがうまくなっているのが分かるんです。でも、今回もニーグリップの甘さを指摘され、上達したつもりでも基本がしっかりとはできていないことを痛感しました。そこを指導してもらったことでUターンがすごくしやすくなりました。一本橋もコツを教えてもらって試したところ、14.3秒。今日一番のタイムだと言われて嬉しかったです。

Uターンの目印を作ってくれたことで、コツがなんとなくつかめた気がします
I.Nさん(レブル250女性)
普通二輪の免許を取って1年ちょっと。もっとバイクを楽しみたいのですが、運転に自信がなくまだ不安なんです。なので、練習をしようと思って去年から参加しています。去年は2回、今年は今日が初めてです。Uターンや一本橋とかに苦手意識があるんですが、すごく的確な指摘やアドバイスをしてくれるし、Uターン練習ではコーンをひっくり返して曲がる時の「ここだよ」という目印にしてくれたりしてるので、走りやすいです。まだまだコーンの目印がないと「うまくできないかな?」とは思うんですけど(笑)、今日の朝よりも今のほうが上達していると自分自身、実感しています。



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