公開日: 2026/02/03
更新日: 2026/02/13
国内メーカーの“125cc・水冷フルサイズ”というカテゴリーにおいて、しばらく続いた空白期間。その沈黙を破り、ついにヤマハが「WR125R」をリリース! 本格的なオフロード走行と日常的な扱いやすさを兼備したWR125Rを、バイクジャーナリストの小林ゆきさんが一般道~未舗装路で試乗インプレ。「サイコーだよこのバイク!」と叫んでしまうほど絶賛していました!
ヤマハのニューモデル「WR125R」の試乗を開始します。まず、またがった瞬間に実感するのは、875mmというシート高の高さです。新車であることも影響しているかもしれませんが、シートそのものは非常に硬い印象を受けます。止まった状態で、手で触れるとスポンジの厚みを感じますが、実際に座ってみると、硬い板の上にいるかのような感触です。走り出しの段階では、足回りも非常に硬く感じられます。今回の試乗車は走行距離が300km程度と、まだ慣らしが終わっていない状態です。
激しいわだちを乗り越えた際の挙動には驚かされました。フロントの21インチ・スポークホイールとサスペンションが衝撃を巧みに吸収し、腕にダイレクトな衝撃が伝わることはありません。斜めに段差を乗り越えても一切の不安がありませんでした。
コーナリングに関しては、明確なオーバーステア特性を備えています。フロントからグイグイとイン側へ曲がっていく感覚があり、緩やかなコーナーでも積極的に旋回しようとします。これはキャスターが28°とそこそこ寝ている角度であることとフロント21インチ、リア18インチというホイールサイズとタイヤのバランスによるものでしょう。
オンロードでのスポーツライディングも非常に楽しく、アクセルを開けて積極的に曲がっていく特性は、舗装路を走る機会が多いユーザーにとっても大きな魅力となります。
ハンドル位置や座るポジションは非常に良好です。オフロード走行を強く意識した装備となっており、シートの前後移動が非常にスムーズに行えます。ヤマハの設計思想通り、オフロードブーツを履いた状態でも足の動きを妨げない作りになっており、ステップ周りに引っかかる部分がありません。
ハンドル幅はオフロードらしい広さですが、標準的な着座位置に対して遠すぎず、オフロード初心者でも扱いやすい設定です。車体そのものは大柄ですが、シートとハンドルの位置関係が適切であるため、150cm台の小柄な方でも過度なプレッシャーを感じることはないでしょう。
本モデルにはタコメーターが標準装備されています。この排気量やパワーに対して、そこまで回転数を上げていない状態ですが、上り坂のコーナリングでアクセルを開ければ力強いトルク感がついてきます。最近のインジェクションは素晴らしいですね。エンジンにはVVA(可変バルブ機構)が搭載されています。
フロントブレーキとフロントサスペンションのバランスがとてもいいですね。フロントサスペンションには、あえて正立フォークが採用されています。一般的に125ccクラスの廉価モデルでは、コスト削減の対象になりやすいサスペンションやシートですが、WR125Rの足回りは非常に高品質です。ブレーキ操作に対するサスペンションの沈み込みがリニアな感じで完成されていると感じます。
WR125R、久々の登場ですね。国内メーカーの「125cc・水冷フルサイズ」というカテゴリーでは、まさに待望のリリースとなります。ヤマハさんにはもともとこのクラスの歴史がありましたが、今回はしばらくの空白期間を経ての登場となりました。モトクロス参戦などで培われたヤマハ独自の技術的な蓄積があると思います。
足回りについてですが、初期の沈み込みが不安定で、挙動が「グニャグニャ」としてしまうバイクは少なくありません。しかし、このバイクはむしろその「硬さ」が味方をしてくれている印象です。例えば、少し雑なブレーキングをしてしまったとしても、その跳ね返りでグラグラすることも一切ありません。硬さは初心者にとって大きな武器になるんですね。これは私にとっても新しい発見でした。
やはりシート高がある分、視線が高くなりますね。見晴らしが良いことで、ツーリングがより豊かに感じられる気がいたします。
車両重量は130kg台と、125ccのオフロード車としては重い部類に入ります。しかし、この重さが極低速走行時のどっしりとした安定感に寄与しています。走行中は重さを感じさせない軽快なハンドリングを実現しつつ、停止するか否かの微速域では高い安定感を発揮するという、絶妙なバランスを実現しています。
未舗装路(ダート)に入ると、WR125Rの本領が発揮されます。スタンディング姿勢をとった際、リアブレーキのペダル位置が絶妙な高さにあり、コントロールが非常に容易です。舗装路で感じたサスペンションの硬さが、ダートでは路面をしっかり捉えている感じがいたします。
この『行けるか行けないか』という瀬戸際の時に、125ccのサイズ感であれば、最悪降りてUターンすればいいという安心感があります。しかしながら、足元がフルサイズということで、立ち座りしても背が高いのがはっきり分かります。
初心者であっても、最新エンジンの粘り強さのおかげで、クラッチ操作に頼りすぎることなく荒れた路面を走り抜けることができます。バンク角を深く取らなくてもセルフステアが自然に働き、バイクが自ら曲がろうとしてくれるため、転倒の不安を感じることなく林道走行を楽しむことが可能です。
WR125Rは、単なるデュアルパーパスモデルではなく、明確にオフロード性能に特化したモデルです。スペック上の「15馬力」という数字を見て、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。しかし、実際に走らせてみるとその心配は無用でした。最新のインジェクションによる調教が素晴らしく、低回転域の粘りから高回転まで綺麗に回り、数字以上の力強さを感じさせてくれます。
シート高は確かに高いです。私のような小柄なライダーは、乗り降りや停車時に相応の技術が必要になります。しかし、一度走り出せば軽量な取り回しのおかげで、十分にコントロール可能です。
大柄なフルサイズ車体は、これまで125ccクラスに窮屈さを感じていた高身長のライダーにとって最高の選択肢となるでしょう。一方で、小柄なライダーにとっても、その軽さを活かした取り回しや、リンクパーツとローシートの組み合わせによる最大70mmのローダウンという選択肢が用意されているため、そこまで下がれば、結構なんとかなるのではないかと思います。
当初、サスペンションは少し硬いと感じました。しかし、ひとたびダートに入ると、それが驚くほど効いてきます。オンロードではフロントが先行するような独特なハンドリングの癖も、オフロードでは絶妙な「セルフステア」として機能します。自ら無理に曲げようとしなくても、バイクが素直に、そして安定してコーナーをクリアしてくれます。
日本国内で既に1000台もの受注が入っているという事実が、このカテゴリーがいかに待ち望まれていたかを物語っています。他社ライバルもありますが、ヤマハがこの本気の一台をリリースしたことには深い意味があると感じました。
足つきインプレに関しては別動画もございますので、そちらを見てください。
ということで、WR125Rをたっぷり試乗してまいりました。ぜひ参考にしてください!
サスペンションは少し硬いと感じたが、ダートに入ると驚くほど効いてくる!
人気記事ランキング