公開日: 2026/08/11
更新日: 2026/08/17
バイクの平均車齢は現在、16.55年。どんどん伸び続けているが、これを止めることは残念ながら難しい。若者がバイクに乗らなくなり、その分、ベテランライダーの長期保有が進んでいること、車両の耐久性が向上していることなどがその要因。その他、欲しいバイクがない、という理由もあるだろう。
そのため、400cc以上の車両についてはもう一度、車検に通すという選択肢が主流となる。つまり新規需要へのアプローチには期待できても、代替えに関しては、スパンが長くなっているためアプローチのハードルが高まっているということ。「いま乗っているバイクを大切に長く乗り続ける」というユーザーが増加傾向にあるのが、ここ数年の傾向と言えるだろう。
この状況は世の趨勢なので、打ち破るのではなく肯定するアプローチが効果的と考えられる。具体的にはバイクのケアをいままで以上に充実させ、乗り換えたい車両が見つかるまで長く乗ってもらおう、というアプローチ。例えば、「リフレッシュキャンペーン」の展開だ。
これについてライターの隅本辰哉さんは、12か月点検や車検をフックとし、エンジンオイル、ブレーキフルード、エアフィルター、ブレーキパッドなど消耗品の交換の他、別メニューとして、①プレミアム洗車およびパーツコーティング、②エンジン内のクイック洗浄のパッケージ化を推奨する。
「まず①は手洗い洗車と高圧洗車、経年劣化により白く変色したカウルなどの樹脂パーツのツヤ出しなど、特殊なケミカルを使った施行です。洗車はプロユースの中性シャンプー、樹脂パーツのツヤ出しには、誰もが知っている樹脂パーツ復活剤を使います。リアフェンダーやスクーターのステップ、インナーカウルなどの変色が進んでいる樹脂に塗ります。この特徴は、シリコン化合物がガラス状の被膜を作るところにあります。この強固な被膜はその時だけのツヤだしではありません。最低でも半年以上はツヤが持続します。仕上げには、ボディ全体にガラスコーティングを施せば完了です」
②の「エンジン内のクイック洗浄」は、非分解式プロ用スプレーを使った施行メニューだ。
「専用器具を使い、エンジンをかけた状態で吸気バルブに洗浄液を注入します。目的はカーボン除去。インテークマニホールドや吸気バルブ、ピストンヘッドや燃焼室に付着しているカーボンを化学分解し洗浄したうえで排ガスと一緒に排出します。この、費用対効果の高い定番メニューを組み込むのです」
ここでのポイントは、ショップが日常的に使用している定番ケミカル品を活用している、というところにある。これを車検や点検の時にメニューに組み込みパッケージ化するだけで、作業時間はさほど増やさずに客単価を上げることが可能となる。いかにして新しい売上導線を作り、リピーターを増やすかが今後、不可欠な要素となるだろう。また、このサービスは、結果的にユーザーに長く乗り続けてもらうことにつながるのだ。
価格の目安については、例えば各メニュー単体での金額合計が3万円だとしたら、そこから1割マイナスして案内するだけでも効果は大きい。パッケージにしなくても、点検と同時実施なら3000円引き、といった打ち出しでもいいだろう。ケミカル品は比較的低コストなので粗利が大きくなるのが強み、と隅本さんは強調する。
確かに支払った分の価値をユーザー自身が実感できるのは、見た目の変化ではないだろうか。例えば、髪の毛を一気に短くした、髪の毛を明るく染めた、などを思い浮かべれば、納得できるだろう。
目に見えないところに手を加え、大きく改善しても、見た目に変化はない。でも、外装がキレイになると、「おっ」と変化に気付く。つまり「顧客心理」を突くパッケージとの組み合わせがポイントとなるのだ。
この仕掛けを成功させるためには、ありがちではあるが、樹脂パーツコーティングのビフォア・アフター例をショップに展示し、作業動画や画像などをチャットツールでユーザーに送るのも手だ。
こんなサービスもある、と隅本さんは続ける。洗浄系燃料添加剤のキープがそれ。
「洗浄系添加剤5本を特別価格で販売し、それを店でキープします。そしてユーザーにはガソリンを満タンにした時、5回に1回ほどの頻度で来店してもらいます。目的は、定期的に店に来てもらうキッカケづくり。なので、販売して利益を出すことは考えなくて大丈夫です。一般的にユーザーはショップに何か用がないと行きにくいと感じるものなので、この添加剤は来店需要の動機付けです。大義名分がある状態を作ってあげるのです」
来店ついでに簡単な点検をすることで、不具合の早期発見や消耗品の交換時期等に関するアドバイスもできる。自分と自分の愛車についてよく知っている店、という認識を持ってもらうことができればオールオーケーなのだ。
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