ニューモデル販売店取材

日本市場をターゲットに開発されたGUNNER50。その強烈なインパクトはバイク初心者をも魅了

公開日: 2021/04/30

更新日: 2022/09/21

最近、SNSを中心に話題となっているGUNNER50。日本市場を綿密にリサーチし、需要特性を分析したうえで、日本市場に向けてリリースされた。メーカーのデザインコンセプトは「日本人が驚くものを開発する」。これが的中し、20代のバイク初心者を含めた幅広い層から支持を得るに至った。

若者の7割以上が「見た目」でバイクを選択

<center>クロニクル店舗外観。ガンナーの初回ロット分は完売</center>
クロニクル店舗外観。ガンナーの初回ロット分は完売

ある統計によると、最近の若者がバイクを選ぶ基準は「見た目」が最も多く、全体の7割以上を占めるという。排気量やカテゴリーにもよると思われるが、動力性能などで選ぶ人の方が少数なのだ。

千葉県松戸市に拠点を構えるGPX千葉(moto shopクロニクル/山口雅史社長)は、タイの人気メーカー「GPX」の正規ディーラー。国産車とはまた違ったルックスが人気だが、そんな同店が総代理店として新たに扱い始めたのが「GUNNER(ガンナー)」。見た瞬間、「何これ?」と誰もが思うほど強烈なインパクトを放つ。実際、SNS上で話題になり、若いユーザーを中心に問い合わせが増加しているのだ。moto shopクロニクルでは現在、販売代理店を募集している。そこで、山口社長に、ガンナーの魅力について聞いた。

初回ロット20台を販売しトラブル報告は1台もなし

<center>クロニクル 山口雅史 社長</center>
クロニクル 山口雅史 社長

――― PHOENIX・ENGINEERING(フェニックス エンジニアリング)はタイのメーカーですね。
山口
 はい。昨年設立されたメーカーです。元々、GPXの製造に携わっていたのですが、自社ブランドとしてPHOENIXを立ち上げました。実はガンナーは日本のマーケットだけを見て開発されたバイクなのです。

――― 排気量50㏄というのは、そういうところに理由がある。
山口
 GPXもそうですが、アジアのメーカーは、日本で発売して日本で認められたい、という強い思いがあります。知名度が高まった後に、大きい排気量をリリースするのが流れです。

――― 開発コンセプトは?
山口
 まずデザインですが、『日本人が驚くものにしたい』がメーカーの第一義的な考え方です。ここを基準に、どういうものだと日本人に受け入れられるか、について細かくリサーチをしたようです。例えばキックだけではなくセルも装備したり、コストは掛かるけど制動力を優先し、ドラムではなくディスクブレーキにしたり、などです。

――― 製造にあたり、メーカーが拘った点は、どういったところでしょうか。
山口
 このバイクのコンセプトは"ちょい乗り"です。取り回しの良さがポイントとなるので、ハンドルの切れ角を深くすることで、最小回転半径を小さくしました。パーツ供給に関する質問をよく受けますが、これについては弊社で必要数をストックしています。この1月、初回ロットの20台を販売しましたが、トラブル報告は1台もありません。

ガンナーの一番の魅力とは

<center>足着き性をチェック。157cmの女性がまたがると、少しカカトが上がる</center>
足着き性をチェック。157cmの女性がまたがると、少しカカトが上がる

――― では、ガンナーの一番の魅力は。
山口
 一般的に最近のバイクは性能が良すぎるので、昔のバイクと違い、いじる範囲が狭まっています。レーシングキャブやハイカムを組んで出力をアップする必要はないし、純正サスも高性能。でも、ガンナーはあえてカスタムする余地を残しています。例えば75㏄のボアアップキットがボルトオンで1万円程度の金額で装着でき、それだけで2〜3馬力アップします。また、キャブやブレーキパッドの交換、LEDバルブへの換装やフォークオイルの粘度変更など、比較的リーズナブルな費用で性能が向上し、その効果を体感できるのです。実際、福島と神奈川、広島のガンナーの代理店さんは、お店でもどんどんカスタムし、お客さんと一緒になって楽しんでいます(笑)。いまの時代にあってインジェクションでなくキャブレターなので、メインジェットを交換し、トップスピードを8キロアップさせたりしています。

――― タイでのガンナーの発売予定は。
山口
 タイでは50㏄は売れないので現在、150㏄エンジンを搭載したガンナー150を開発しています。車名はガンナーですが、車格は大きく変わりますね。

――― この先、日本では100㏄モデルを追加販売すると伺いました。
山口
 この7月に第2便が入って来ます。割り当ては40台。かなり人気が出ると予測しています。

――― 今後の展開を楽しみにしています。

<center>主要諸元</center>
主要諸元

GPX千葉では現在、販売代理店を募集している。興味のある方はご一報を。

moto shop クロニクル
千葉県松戸市栄町西2-920-1  TEL:047-367-3838
https://chronicle521.com/



販売店記事一覧ニューモデル記事一覧

SE Ranking

人気記事ランキング

2023年新車国内出荷台数 ~原一、10万台を割り込んだが原二の躍進で37万9800台と前年比3.0%のプラス~

2023年の新車国内出荷台数は国内4メーカー合わせて37万9800台(速報値・二輪車新聞社調べ)。原付一種が...


二輪自動車整備士の講師が教えるバイクメンテ教室! ~ブレーキ編~

日常点検、皆さんやられてますか? 危険なトラブルの早期発見になる非常に重要なことです。今回は【ブレ...


原付免許の定義が変わる!? 現在検討中の法改正について詳しく解説!

法改正で原付免許の定義が変わるかもしれないといった話題が、最近インターネットで出ていたのをご存じ...


2023年1月より電子車検証導入。二輪業界では、何がどう変わる?

来年1月、車検証が電子化される。二輪業界では何がどう変わるのか、販売店やユーザーのメリットは何か。...


保有台数や世帯普及率に見る二輪業界の現状

新車供給が8~9割の水準に回復したことで、中古車相場も適正化に向かい始めた。その結果、コロナバブル...


SNSで情報拡散し人気上昇のスペイン発「レオンアート」。原二なのにブレイクアウトより大きい!

125ccとは思えない車格のバイクをラインアップするスペインの二輪ブランド「レオンアート」。広告活動を...


未経験でも簡単施工を実現。使いやすさと時間短縮に成功したWAKO'S(ワコーズ)のタンクライナー

バイク乗りなら誰もが知るブランドであるワコーズ。そのワコーズが使いやすさと効果が得られまでの時間...


オフ車選びに悩んでいる方必見! 人気オフロードバイク足つき比較

HONDA「CRF250L」、YAMAHA「WR250」「セロ-250」、KAWASAKI「KLX230」! 250ccクラスのオフロード車4台...


2002年創業のサイドカー専門店、ブリストルドックスの専門スキルを紐解く

一般のカスタムのようにパーツをボルトオンすれば完成するほど、サイドカーの製作は甘くはない。東京都...


原付一種の新たな枠組み策定を巡る討論加速。2025年11月以降、原付一種はどうなる?

昨年11月、原付一種を除く継続生産車は「第四次排ガス規制」適用の期限を迎えた。これに伴い、ホンダの...