公開日: 2021/06/29
更新日: 2022/09/06
昨年以降、国内4メーカーの、原付一種を除く昨年以降の新車販売台数は、ほぼすべての月で前年同月比プラスとなっている。この傾向は、以前から伺えたが、コロナ禍により加速度を増した。軽二輪・小型二輪ともに前年同期比120%超えとなった。
先頃、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)より5月の新車販売実績が発表された。これによると、1〜5月における軽二輪の累計新車販売台数は3万0011台となり前年同期比120.5%と大幅に伸長。メーカー別累計実績ではカワサキが3231台で同224.8%と驚異的な伸びを見せた。この背景には昨年9月に発売された4気筒エンジン搭載のスーパースポーツモデル、ZX‐25Rの好調販売がある。リリースからわずか4カ月で5400台を受注し、これは年間販売目標を超える実績となった。
その他、レブル250やNMAX、V‐Strom250なども昨年に引き続き人気が高い。
一方、小型二輪についてはどうか。同じく1〜5月の累計は3万0468台で前年同期比では122・3%と軽二輪とほぼ同等の伸長となった。メーカー別ではホンダが7836台の153・6%と大幅に販売実績を伸ばしたが、カワサキは生産遅延が影響し軽二輪とは真逆の6257台、90・3%にとどまった。車種別ではZ900RS/カフェやCBR650Rなどがけん引した。
月別実績で見ると、軽二輪は1月以降、毎月、前年同月比においてプラスとなった。3月は5155台の103・0%にとどまったが、それ以外の月においては2ケタ増を記録している。最多販売実績は4月の1万0121台で前月比は130・2%となった。
小型二輪の月別台数は、1月に3306台、96・6%と100%を割ったが、3月以降は2ケタの伸長。5月には5955台、141・9%とさらに台数を増やしている。これらのことから、いま現在もユーザー需要は旺盛であり、需要の減退は全くうかがい知ることはできない。
次に原付の実績を見てみよう。これは新車国内出荷台数(2021年1〜3月累計 二輪車新聞調べ)だが、原付一種は2万8259台で前年同期比87・8%となった。メーカー別では1万2952台の同115・4%となったヤマハを除き、各メーカーとも台数を大幅に縮小。スズキは1959台の同44・9%と半減した。一方、原付二種については、全メーカーが台数を増やした。全体では3万2617台の146・4%。メーカー別ではホンダが最も多く2万1708台の156・7%となった。
やはり原付一種の減少速度は抑えようがないことが、わずか3か月という短い実績からも読み取ることができる。その反面、原付二種は一種の減少率を上回る勢いで増加している。
原付二種に乗るには小型限定普通二輪免許以上の免許が必要となるため、クルマの免許があっても二輪免許のない人は、教習所に通い取得するのが一般的。つまり手間と時間、そしてお金が掛かるわけだが、免許取得者数は大きく伸びている。2019年の2万7294名に対し2020年はおよそ3万1000名。伸び率は114%ほどとなってる。
このことから、教習受講に抵抗を感じていないということが分かる。原付二種クラスは趣味性の高い排気量区分ではないが、需要全体の下支えになれば、大きなプラスである。ステップアップも決して考えられないわけではないため、この先の台数アップに大いに期待が掛かる。
人気記事ランキング