ツーリングビジネス

「ツーリングに関するアンケート」を実施。4割以上が「ツーリングを控えている」と回答

公開日: 2021/08/26

更新日: 2022/09/06

 日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)とRIDEZ株式会社は、全国の男女ライダー420名に「ツーリングに関するアンケート」を実施。7月15日に、その結果を公開した。それによると、密にならない乗り物である二輪車においても、4割以上の人が「ツーリングを控えている」ことが分かった。

ツーリング予算でパーツやウェアを購入しストレス発散

 バイクはパーソナルな乗り物として注目され、昨年から続くコロナ禍での販売においても「好調」という販売店の声を度々聞く。また、ネットを見れば、バイク系ユーチューバーがツーリングを楽しむ動画をいくつも見つけることができる。

 では、一般のユーザーはどうなのか。ツーリングなどでバイクを楽しんでいるのか。それを示す一つのデータが公開された。それが、インターネットリサーチを行う日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER=ネクサー)と二輪商品の企画や海外ブランドの輸入などを手掛けるRIDEZ株式会社(ライズ)が、インターネットを使って実施した「ツーリングに関するアンケート」だ。

 これは、今年7月9日から12日にかけて実施された調査で、質問項目は5項目。

◎質問1/コロナ禍だからということで、ツーリングを控えていますか?
◎質問2/コロナ禍が収束したら走りたい場所はありますか?
◎質問3/コロナ禍が収束したら走りたい場所があるのは、どの地方ですか?
◎質問4/前問で回答した地方にある、コロナ禍が収束したら行きたい(走りたい・ツーリングしたい)場所を具体的に教えてください。
◎質問5/そこに行きたい(走りたい・ツーリングしたい)理由を教えてください。

 以上が質問項目で、集計対象となったのは事前調査で「バイク乗り(バイクを走らせるのが好き)」と回答した全国の男女420人となっている。ユーザーの動向を知ることができるこのようなデータは貴重なものなので、グラフなどを交えながら紹介していく。

 まずは、質問1。グラフを見て分かるように、44・5%の人が「控えている」と回答。「控えていない」が19・3%なので、倍以上となった。アンケートの回答者ではないが、埼玉県に住む50代ユーザーと話す機会があったので、ツーリングに関することを聞いた。

「毎年、ゴールデンウィークには、伊豆の民宿に一泊ツーリングをしています。同じ宿にお世話になっており、かれこれ20年以上が経ちます。でも、2020年、2021年とも行きませんでした。理由は、その宿が休業していたからです。また、埼玉県は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されるなど、仕事で県をまたいでの移動ならまだしも、趣味のバイクでとなると、個人的に『やめておこうか』と感じていたので、ツーリングは控えています。コロナが流行の兆しを見せていた昨年2月以降、県内のツーリングもしていません。その代わり、オイル交換の際に、今までよりもちょっと高いオイルにしてみたり、ハンドルのグリップがすり減っていたのを交換したり、ウェアを新調したり、いずれカスタムしたいと考えていたヘッドライトのLED化など、ツーリング以外のことでバイク関係にお金をちょこちょこっと使って、走りに行けないストレスを発散しています(笑)」

 このユーザーの話からも分かるように、「控えている」にも、自主的に控えている場合と、行きたい場所が休みなので結果的に控えることになった、など、いくつかの側面がある。アンケートからは「控えている」理由や側面までは見えてこないが、密を避けられるため、新型コロナウィルスへの感染リスクが低いとされるバイクでも、4割以上のユーザーがツーリングを控えているという実態が浮き彫りとなった。

コロナ禍収束後に走りに行きたい地方の1位は、「北海道」

 グラフ2は、質問2の集計結果。なんと、「ある」と答えたユーザーは83・6%にものぼる。どこでもいいからバイクで走りたいというのではなく、ちゃんと行きたいところがあるというわけだ。

 では、どこに行きたいのか。それが質問3と4だ。

 質問3では、北海道や東北など8地方と沖縄の中から行きたい地方を選ぶ方式で、その順をまとめたのが表1。バイク乗りの聖地とも言える北海道がアンケートでも人気が高く、堂々の1位。以下、関東地方、中部地方、近畿地方、九州地方、四国地方、東北地方、中国地方、沖縄と続く。

 質問4では行きたい場所を具体的に挙げてもらっている。1位の北海道は、北海道のどこということではなく、「北海道全体・一周」と、北海道そのものに行きたいという回答が多かった。関東地方で最も多く名前の挙がった人気のスポットは「箱根」。同じく中部で最も名前の挙がった場所は「伊豆」。近畿地方で一番多かったのは「和歌山」。九州地方は、「やまなみハイウェイ」。四国地方は、北海道と同様に「四国全体」。東北地方は、「三陸海岸」。中国地方は「瀬戸内しまなみ海道」。沖縄は「沖縄全島」や「石垣島」となった。回答は地方全体から具体的なスポット名まで、様々な名前が挙がった。

 質問5の理由については、一覧にまとめてある。前出の埼玉県在中の50代ユーザーは次のように話す。

「やっぱり、行きたいのは伊豆ですね。いつもの宿にいつものバイク仲間と行って、泊まりたい。ツーリングを控えているので仲間とも全然会っていませんし。コロナウイルスには少しでも早く落ち着いてもらって、コロナ前と同じように、バイクを楽しめるようになって欲しい。そうしたら、去年と今年の分まで、走り回りたいですね」

 実際のところ、販売店が肌で感じていることと、アンケートの結果が同じような感じなのか、全く違うものなのかは分からない。だが、ユーザーの動向を知る一つのデータとして、このアンケート結果は参考になるものと思う。コロナ禍の中、4割以上のユーザーがツーリングを控えており、8割以上のユーザーがコロナ禍収束後には走りに行きたい場所がある、と答えている。

 二輪業界内には、コロナ禍での二輪人気をバブルのように感じ、収束後の人気失速を懸念する声もある。しかし、アンケートを見る限り、収束後もバイクを楽しむ傾向があることを感じ取ることができる。これは明るい材料だろう。

 そして、何よりも問題なのは、新型コロナウイルス感染症の収束がいつになるのか、だ。ワクチンの接種は進んでいるが、8月現在、全国での1日の感染者数が1万人を超える日が珍しくなくなってきており、ついには感染者の合計が100万人を突破した。感染力が強いと言われているデルタ株が猛威をふるい、さらにはラムダ株も国内で確認されているなど、コロナ禍は一向に収まる気配が感じられない状態だ。

 まだまだ出口が見えない中、ユーザーに、いかにバイクに興味を持ち続けてもらうのか、それが二輪業界の大きな課題の一つだろう。販売店としても、今回のアンケートなどを参考にし、ユーザーがどういうことに興味を持っているのか、どういうことを知りたがっているのか、そしてそれに対してどう情報を提供していくのかを考えていく必要がある。また、回答者ではないユーザーの話にもあったように、メンテナンスやカスタムといった方面に目を向けさせるのも一つの手だ。

 今後もこれまでと同様に、参考になりそうな情報やデータがあれば、その都度、提供していく。

■ 資料:「日本トレンドリサーチとRIDEZ株式会社による調査」
■「日本トレンドリサーチ」該当記事:https://trend-research.jp/8978/
■ RIDEZ株式会社:https://ridez.jp/



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