カワサキカワサキモータースジャパンZ650RS

カワサキモータースジャパンメディア10社合同インタビュー。二輪メーカー初の女性社長、桐野英子氏の原点はGPX250R

公開日: 2021/12/27

更新日: 2022/02/03

株式会社カワサキモータースジャパン 代表取締役社長 桐野 英子


初の女性社長、自らもライダー、H2の企画担当、8年間のフランス勤務経験・・・。話題性が豊富なだけに注目度も高いカワサキモータースジャパンの桐野社長。合同インタビューで同氏の人物像に触れる機会を得た。そこでは日本人とフランス人の技量の違い、プラザ店の今後の展開など、様々な話を語った。

川崎重工業株式会社は昨年10月、「モーターサイクル&エンジンカンパニー」を分社化し、カワサキモータース株式会社として発足した。また同時に、国内の販売会社であるカワサキモータースジャパン(KMJ)のトップには、カワサキ初の女性社長となる桐野英子氏が就任した。

昨年11月17日、カワサキモータースジャパンは兵庫県明石市の本社で二輪業界紙誌、ユーザー誌など10社を招待し、事前に募った質問と当日、参加メディアからの質問をもとに、合同インタビュー形式で会見を行った。その内容について、ポイントを紹介する。

フランス人ライダーの運転が上手なワケとは?

――― 桐野社長の経歴について教えて下さい。
桐野
 1991年4月、川崎重工業株式会社に新卒で入社しました。配属はモーターサイクル&エンジンカンパニーでした。それ以来、一貫してオートバイのビジネスに携わってきました。2001年から2009年までの8年間、フランスに駐在し販売会社の代表を務めました。ちょうど通貨がフランからユーロに変わる時だったのですが、フランスの販売会社が大赤字を出していまして、大変苦しい時代を過ごしました。でもそれ以降は為替も安定し、販売台数も向上した。この時のトピックとしては、手軽にできるER6のワンメイクレースをフランスで始めたことですね。日本に帰国後、営業部門に戻り、その後、商品企画に移りました。ここでは、Ninja H2の商品企画やジェットスキーなどパフォーマンス系のモデルを担当しました。その後、マーケティング部に移り現在に至ります。

――― 今までどのようなオートバイに乗って来たのでしょうか。
桐野
 大学時代に普通二輪免許を取り、オートバイを買いに行きました。私が欲しかったのは白い4気筒の400ccのオートバイ。でも実際は全然違うモノを買うことになりました。バイクショップの店主に散々説得され、買ったのは黒の2気筒モデル「GPX250R」でした。その後、限定解除をしましたが、GPX250を新車で買ったので、もう大型を買うお金がない。思案していたところ、バイクショップの店主から、ウチのお客さんに、乗らない大型バイクを何台も持っている人がいて、それを譲ってもいいと言っている。250が売れた時の金額で譲ってくれるそうだよ、と話を紹介してくれたのです。すぐその話に飛びつき、オートバイを見もせずに譲って頂きました。インジェクションのZ750GPです。色はなんとオールペンのグリーン。元々私は白いバイクを探していたわけですから、「今度は緑かぁ」との思いに襲われました。暫く乗っていましたが、フランス駐在の時、会社の人にタダで差し上げました。いまはNinja650です。

――― 日本とフランスのカワサキユーザーに、大きな違いはありますか?
桐野
 公道を走っているオートバイを見た時、ビックリしました。みんな乗るのが上手なのです。郊外からパリ市内へ通勤する場合、クルマだと大渋滞で40㎞ぐらいの距離でも3時間ほどかかってしまう。電車もありますが、日本のようにインフラが整備されていないので、2時間はかかる。でも、オートバイだとそれがないので利用者が多いんです。週末を除き毎日、往復80㎞の距離を走っているので、上手になるわけです。

――― 全国的に見るとプラザ店のない地域があります。
桐野
 現在、カワサキプラザは全国に80店あります。目標は、プラザとサービス協力店合わせて120店まで増やすことによって、ほぼ全国のお客様に対応できると考えています。

「正規取扱店以外にはパーツを卸さない」。そんな事実は一切なし

――― 納車の遅延解消に向け、どのような施策を行っているのでしょうか。
桐野
 皆様には大変ご迷惑をお掛けしております。製造については、1つのパーツならいいのですが、いまは複数の部品の調達が不安定な状況にあるので、時間を要しているのです。プラス、世界的な物流の混乱ですね。通常よりもリードタイムが長くなっています。これら複数の要因があるのです。対策としては、親会社のカワサキモータースの営業部門が一部の作業を手処理で行うなどの対応を行っています。

――― 純正部品をカワサキ正規取扱店以外には卸さないという噂が、まことしやかに囁かれています。
桐野
 SNS上でも話題になっており、ご心配をおかけしております。ただ、決してそのような事実はありませんし、この先、お客様がカワサキの部品を入手できなくなるようなこともありません。

――― カワサキモータースから2030年売上高1兆円とのビジョンが発表されましたが、国内市場における戦略は。
桐野
 カーボンニュートラルに向けた対応として電気、ハイブリッドもありますが、全て電気にするのではなく、必要な地域において、必要なモデルを電動化、あるいはハイブリッドにしていく予定です。電気だけではなく、あらゆる選択肢を用いてカーボンニュートラルに取り組んでいきます。こうしたなか、カワサキモータースジャパンでは、四輪の販売を開始しようと考えています。これまで日本では四輪は販売していませんでしたが、実は非常によくできた乗り物です。びっくりするほど出来がいい。アメリカを中心に四輪市場が拡大しているのです。カワサキモータースジャパンが販売を開始したら、試乗会をさせていただきますので、ぜひ、乗って見て頂きたいと思います。販売網についてはいま構築中です。新たに販売網を作り上げ今年度中にセットアップする予定です。

――― 分社化の目的は、マーケットニーズの変化への対応とのことですが、具体的に「ここがこういう風に変わる」といったものは。
桐野
 弊社が親会社の一部門だった頃は、すべて決済が必要でした。そのためにまず用語が通じない、状況を説明しても理解してもらえない、といたこともありました。簡単に言うと注文書がないものを作り販売するものがオートバイのビジネスなのです。でも、本社は「確定の注文書」に基づき商売をするわけですから、そこから決済を貰うのは大変でした。でも、分社化によりある程度、裁量を与えられるようになり、自由度をある程度与えてもらえるようになりました。その結果、市場のニーズに合った、お客様のご要望に応えられるような対応が可能になるというのが、目指すところです。

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