公開日: 2023/08/31
更新日: 2023/09/12
機能とファッション性を見事に両立し、ライダーのみならず、幅広く認知されているのが、英国ブランドBELSTAFFだ。100年に及ぶ伝統と、確かな技術で生産される商品は、多くの著名人に指示されている。
昨年2022年は、バイクの売り上げが大変好調であった。250cc以上の小型二輪区分の販売台数は10万0889台(全国軽自動車協会連合会調べ)で、これは1998年とほぼ同じ水準である。しかし好調だった販売台数は10月を転機に鈍化し、現在に至っている。
二輪業界としては昨年のプチ・バイクブームを「コロナパンデミックの不随現象」として一過性のものにしてはならない。新規ユーザーへのアフターサービスの充実と更なる若年層の獲得。これは2023年の重要課題とは言えないだろうか。
注目すべきは女性の免許交付件数が2021年は前年比約130%も増加(警視庁データ)したという事実。小排気量が中心とはいえ、女性ライダーの増加は歓迎すべき明るいニュースだ。二輪業界としても女性ユーザーを対象としたイベントやサービスの充実が求められている。せっかくバイクを購入しても、取り巻く環境を整備し継続的な楽しみを提供しなければ女性はもちろん、若年層もバイクに乗り続けてはくれないだろう。
新規ユーザーの心をしっかりと掴むためには単なる「スポーツジャンル」としてではなく、バイクの世界を「ファッション」として楽しめる要素も提供しなくてはならない。
着ることによってある種の優越感まで得られる、伝統ある英国プロダクトに「BELSTAFF」(ベルスタッフ)がある。ベルスタッフは1924年にイギリスで創業。世界で初めてワックスコットン(オイルが塗り込まれた防水生地) を開発した。チェ・ゲバラやスティーブ・マックイーン、サミー・ミラーなどが愛用した。現代でも多くのハリウッドスターたちが銀幕の中でベルスタッフを纏っている。
他にもライダーに愛されている英国ブランドに、ルイスレザー、エアロレザー、ドクターマーチンなどがある。これらは単なるバイクウェアではなく、洗練された「ファッションブランド」として支持されている点を見逃してはならない。
ベルスタッフの定番人気商品トライアルマスターは、重厚なレザーではなく、先述のワックスコットン。そのため女性にも馴染みやすい。日本人、特に女性はブランドに弱いと言われているが、そうではない。「価値を見極めている」のだ。ブランドの魅力は時に「ベルスタッフを着たいから英国車を選ぶ」といった逆転現象を生むことさえある。
ハード面ばかりに囚われ、単なるファッションと、バイクウェアを軽視してはならない。ファッションとは文化であり、日本に確固たる「モーターサイクル文化」を定着させるためにも、二輪業界や販売店も本当に良いものを見極め、ユーザーに提供する見識を持たねばならない時代が来ている。
Motorimoda
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