公開日: 2023/11/23
更新日: 2023/12/05
日本自動車工業会は11月22日、各社トップである正副会長全員が出席し、4年振りとなるリアル形式での記者会見を開催。10月26日~11月5日にかけて開催された「ジャパンモビリティショー」の結果や、会長交代の人事などについて発表した。
冒頭、豊田章男会長は次のように語った。
「先日、第1回ジャパンモビリティショーが多くの方々のご支援とご尽力のもと、盛況のうちに幕を閉じた。お客様の数は日を追うごとに増え、最終的には目標を上回る111万2000人。日当たり10万人の方々にご来場いただくことができた。主催者としては、“成功”と言ってよいのではないかと思っている。この場をお借りして、ご来場いただいたお客様、すべての関係者の皆様に心より感謝を申し上げる」
続いて、新体制について発表。喫緊の課題である「物流・商用領域」に全員で取り組むことが未来への重要な一歩になるとの認識のもと、大型車の世界で豊富な経験をもついすゞの片山さんに、次期会長をお願いした。副会長は、日本のフルラインアップのそれぞれの代表として現副会長6名に継続していただく。カレンダーが変わる来年の1月より、この体制で片山会長をしっかりとサポートしていく、と豊田会長。
また、2024年5月までの任期満了を待たずに、1月から新体制をスタートさせることについては、
「日本には二輪、軽、大型、乗用と、フルラインアップ体制が整っている。これが世界にない強み。この体制を生かすためには、いま、CASE技術をはじめ、自動車業界には100年に1度の変化が起こっている中で、その都度、一番適材適所の方が引き受けるのがいいのではないか、という議論が随分進んだ。その結果、5月スタートよりも、カレンダーが変わる2024年。特に、物流は2024年問題があるため、解決すべき課題ともタイミングを合わせた形で、新体制でやったほうがよいのでは、との考えから、1月のスタートにさせていただいた」と語った。
続いて、次期会長に決定した片山正則副会長が挨拶。下記のように決意を表明した。
「自工会では従来より、多様な選択肢、マルチパスウェイの必要性を“敵は炭素であり内燃機関ではない”という言葉で世界に訴えてきた。理解の波は着実に広がりつつある。地域の事情や特性を生かしたカーボンニュートラル実現の活動は、多くの仲間作りにつながってきており、例えば、カーボンニュートラル燃料等の議論が進んできている。今後の2年間で自工会は、今まで以上に地球環境保護への責任を果たし、エネルギー効率の向上、電動車の普及など、環境への貢献を積極的に進めていく。また引き続き、550万人の仲間から850万人(モビリティ関連企業の枠を拡大)の仲間作りに向けて邁進していく」
いままで自工会の会長職は、1967年の発足以降トヨタ、日産、ホンダ各社のトップが担当する輪番制を採用してきた。けれども2024年1月からスタートする新体制では、トヨタ、日産、ホンダ以外で、かつ商用トラックメーカーとしては初となる片山氏が就任する。これは、豊田会長が行ってきた自工会の変革が成し遂げられたことを意味している。
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