公開日: 2020/06/25
更新日: 2022/08/26
カスタムペイントの世界は多種多様である。塗装機械や塗料の進化によって、小規模のバイクショップや自動車板金工場でも安価にペイントを施す事が可能となった。しかし、現代においても、キメの細かい職人技は必要であり「令和の職人」の存在は欠かせない。
「カスタムペイント・カオスデザインファクトリー」の仲田忠雄代表はまさに、令和の職人と呼ぶに相応しい。若い頃からバイクに人生の全てを捧げてきた。そんな男の生き様は、様々な作品に昇華され、多くのライダーを惹きつけて止まない。
―――ペイントを始めて今年で何年目になりますか?
「90年代は自動車やバイクを扱う板金塗装会社で修行しながら勤めていました。もう20年目になります」
職人は多くを語らないが、自身のHPでは「いつもかっこいいバイクが好きだった。レーシングマシンもかっこよくなければ嫌だった。綺麗にカラーリングしたマシンは華がある」と記述している。
―――ご自身の現在の愛車は何ですか?
「80年代から90年代前半のバイクが大好きで96年式のRGV250Γ、最近は初期のGSX-R400(1984年式)のSTD車を入手しました」
―――現在は主にどんな依頼が多いですか?
「私自身がレースが好きなので、レーサーマシンやヘルメットのペイント依頼をよく受けます。同じような依頼はありません。作業の一つひとつがファーストトライです」
―――カスタムペイントの醍醐味とは何でしょうか?
「リクエスト頂いた通りに仕上げるのはもちろんなのですが、『お任せします』と依頼された仕事で、誰にも思いつかないようなグラフィックを現実にした時の達成感は最高です。依頼主のその時の喜びの表情を見ると、『あー頑張ってよかった!』と思います」
そんな仲田さんの工房には所狭しと様々な塗りかけの外装や、ヘルメットが並んでいる。カスタムバイク業界でいつの時代も問題視されるのが納期だ。「皆さんがレースや展示会等のイベントに向けて依頼されるので納期は厳守しなければなりません。とにかく責任重大ですが、時間に追われて適当な仕事だけは絶対にしないように心掛けています」
究極のカスタムペイントの世界。オーナーの愛車への思い入れだけでなく、レーサーの飽くなきスピードへの探求心までも鮮やかに表現するカオス・ファクトリーの技術は、まさにプライスレスだ。
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