カワサキ足つきインプレ小林ゆき動画

昭和・平成の名車、KAWASAKI「W1SA」エンジン掛け&足つきインプレ!

公開日: 2024/02/08

更新日: 2024/02/16

BDS柏の杜会場プレミアムコーナーに出品されたカワサキ「W1SA」、いわゆる“ダブワン”! バイクジャーナリストの小林ゆきさんがエンジン始動&足つきインプレを行いました。

70年代当時の“通常”が“レトロ”として人気に!

70年代当時の“通常”が“レトロ”として人気に!
70年代当時の“通常”が“レトロ”として人気に!

W1のSA650で1971年のモデルなんですが、このWシリーズは昔カワサキが目黒という会社を買収してWを継ぐという流れがありました。最近ネオレトロと言われているモデルが人気ですが、源流は70年代60年代のいわゆるオートバイって形のモデルで、「レトロ」と呼ばれていない頃のオートバイだったかなと思います。

今回紹介するW1SAは少しレストアされており、ざっと見てすごくキレイに手入れがされています。ビンテージのバイクは眺めてるだけで酒の肴になりますね・・・(笑)

実は私はW1に乗ったことがなくて、この辺りの車両というとトライアンフに乗ったことがあります。当時右シフトの車両が多くてW1も最初は右シフト・左ブレーキだったんですが、このW1SAになった時に現代のバイクと同じように左シフト・右ブレーキへと変わっていきました。やっぱり染み付いたものってなかなか直せないもので、最初は頭の中がややこしくてしょうがなくて、ちょっとしたカーブに差し掛かるたびに全部を握ったりよく分からなくなっていました。

胸に響くエンジントルクに感動!

胸に響くエンジントルクに感動!
胸に響くエンジントルクに感動!

当然ながらセルボタンがないので、こちらはキックスタートになります! ストロークでキックで、しかもビッグエンジンなので掛けられるのか不安ですが、右キックで頑張って掛けてみたいと思います。

おぉっ!!! 一発で掛かりました!!!!

エンジンの振動がスゴク気持ちいいですね。鼓動というかパルス感がお腹に来るんじゃなくて上半身に伝わってきます。ちょっとエンジンを回してみますが、当時はラバーバンドとかではないので、エンジンを掛けると結構ハンドルに振動が来ますね。ハンドルグリップが何でウニウニしたひだが付いているのか今まで謎でしたが、エンジンを掛けたら分かりました! これで振動を吸収させてたんだなって。

サクっとまたがってしまいましたけれども、W800やW400よりもちょっとコンパクトに感じるかな。ハンドルは純正のままだと思いますがこの角度が握りやすくて絶妙にいい場所にありますね。ハンドルには結構振動が来ますが、逆にお尻の辺りには全く振動を感じないです。シートのちょうどいい硬さとウエートってところでかなり古いバイクなんですけども、全然シートスポンジのヘタリを感じません。

ハーレーのVツインの鼓動感とはまたちょっと違うまろやかな鼓動がします。ただ、やっぱり車両の年式古いので、エキゾーストノートのデシベル的にはやっぱりちょっと大きいですが、鼓動そのもののパルスがスゴクまろやかに聞こえてくるし、単車に乗っている感がスゴイですね。エンジンを掛けただけでかなり感動してます!

車重はあるが意外とコンパクトな乗り心地

車重はあるが意外とコンパクトな乗り心地
車重はあるが意外とコンパクトな乗り心地

W1をこんなに間近で見るのは初めてなのです。ファーストインプレッションはW800と並べると思いのほか、小さいなっていう風に思いました。特にシート高そのものも低そうですし、上から見てもシートの幅、タンクも意外と細いんだなというのが分かります。さらに言うと、座っている位置とハンドルの位置が結構近いですね。当時の車両はものによってはもっとタンクが長くて後ろよりに座る車両も当時はあったかと思いますが、そう思うと結構コンパクトだなと感じます。

ということで私のスペックは身長は160cmの手足短めです。RSタイチさん公認の手足の短さです。わりと小柄ライダー代表なんですけれども、意外と股下とシート高はあまり変わらないように見えます。700mm前半ぐらいなのかなという感じがします。ただ、古い車両ですので多少サスペンションのヘタリがあると思いますが、早速またがってみましょう。

さっとまたがってみましたが、車両の真ん中に座っている状態で左足の母指球、親指の付け根がべったり付いています。膝もちょっと曲がってるかなという感じですね。しっかり膝を伸ばすと、かかとまで着きました。

ただ、車重が199kgあってここから車体を起こすのは厳しいですね。少しだけ左側にお尻をずらして車両を起こしてみると、やっぱり50年ぐらい前の車両なので、フロントフォークがコクッと下がった感触がしました。この辺はレストアの加減といいますか、起こした感じは少しだけズッシリ感があります。ただ当時の車両ってもっと重い車両もありましたので、軽いとは言いませんが扱える重さだと思います!

足の踏み替えとサイドスタンドのチェックをしていきます。まず踏み変えですが、シートの幅が細くてとても滑りのいいシート表皮なのと、エッジがキレイに丸くなっているのですごく楽ですね。

ではサイドスタンドが払えるかですが、すごく長いツノが付いています。これは前のオーナーさんが伸ばしたかもしれないですね。私の短足でもしっかり届いて、サイドスタンドを払いやすくなっていますし、出すのも簡単です! ちなみにセンタースタンドもあるのですが、男性の力でも掛けるのが難しそうだったので今回はやめておきます(笑)

以上、W1SAの足つきインプレでした!

【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
◎小林ゆきブログ
◎X(Twitter)
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車重はあるが意外とコンパクトな乗り心地



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