コラム

学校の先生の残業代、約50年ぶりにアップ。キッカケは公立学校教員の長時間労働

公開日: 2024/04/25

更新日: 2024/05/01

学校の先生の長時間労働が問題となっている。2023年、文部科学省が小中学校の教員3万5000名に対し勤務実態調査を行ったところ、国が定めた残業の上限を超えて勤務する教員は、小学校で64.5%、中学校では77.1%にまで登ることが判明した。

また、2023年10月〜11月における特定2週間の勤務時間を調査したところ、一日当たりの平均勤務時間は、平日で中学校が11時間1分、小学校では10時間45分、土日は中学校が2時間18分、小学校では36分であった。

こうした状況を受け文部科学省は、教員の処遇の改善や働き方改革を進めることを表明。4月12日、同省中央教育審議会は残業代の代わりに教員に支給されている「教職調整額」を、基本給の4%から10%以上の水準に引き上げる案をまとめたと発表した。これにより教員待遇が見直される見通しとなった。

「教職調整額」は1971年、教員給与特別措置法により支給が決まったもの。それから50年以上もの時間が経過するが、支給額が勤務の実態にそぐわないという意見が継続的に上がっていた。

2023年度の採用倍率は3.4%と1979年から半減

学校の先生という職業は、かつて人気の職業の一つであった。では現在はどうか。その前に2022年度に実施した公立学校の教員採用試験の倍率を確認してみよう。結果を見ると、6年連続で低下しついに3.4倍と過去最低を更新した。過去の倍率の推移については、1979年が6.2倍でその後、緩やかに下がりながら1991年に3.1倍まで下落。その後、上昇に転じ2000年には13.3倍となった。

以降、下降線をたどり2023年には3.4%となったため、1979年実績から半減したことになる。同年の小学校教員は過去最低の2.3倍。この数字を見ると、不人気職業になったようにも見える。

こうした推移について文部科学省は、2000年度以降の採用倍率低下は退職者の増加による採用者数増や既卒受験者が減少したことが大きい、と分析している。つまり、人気低下が理由ではない、との見解だ。

1年ほど前、ベネッセコーポレーションが実施した「中高生のなりたい職業ランキング」では、「教師・教員・大学教授」が1位となっている。もしかすると、教師の労働環境が悪化している事実は、あまり認識されていない可能性もある。

もう一つ考えられるのは、教員試験の合格発表時期。例年10月なので、すでに多くの学生の就職が決まっている時期。もし受からなかった場合のリスクを考え、受験を断念することもあるだろう。

今回の「残業代アップ」により、倍率がどこまで改善されるだろうか。待遇面での改善も大切だが、急務なのは働き方改革だろう。

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