公開日: 2024/12/06
更新日: 2024/12/16
国内外のブランドが群雄割拠するライディングギアの世界で求められるのは安全性・機能性・デザイン性。これらを妥協せず製品を作り続けるフラッグシップ企画室の上野時夫さんにお話しを伺った。
公道で使用するライディング専用ブーツにエンドユーザーが求めているものとは何か。
究極のライディングブーツを挙げるとしたら、レーシングブーツとモトクロスブーツだ。競技用に特化したこれらの製品は、究極の操作性と、不慮のアクシデントを想定して強固に作られている。あくまで競技における絶対性能が優先であり、歩行時の快適性や、脱ぎ履きのしやすさは優先されない。
一方、公道で使用するライディングブーツに求められるのは、純粋な「靴」としての歩行性能と日常生活での使用における汎用性である。例えばツーリングライダーは、現地でバイクを降りて観光やアウトドアも楽しむ。つまり歩行する機会も多い。通勤で使用するなら、脱ぎ履きもスムーズでなければならない。
つまり、単純に競技用を公道用にリファインしただけの商品では敬遠されてしまう。しかもそれなりの高額商品であるので、代替品として履きなれたスニーカーでバイクに乗るユーザーが多かった時代もあった。
フラッグシップ企画制作室の上野さんは転倒時にライダーの足を衝撃から守れないスニーカーの危険性についてこう語る。
「くるぶしは転倒時に最もダメージを受ける危険性が高い部分です。スニーカーに分類される商品ではライダーの足を守れない。弊社ではスニーカーとブーツの境界線をハッキリと定義しています。ライディングブーツを名乗るなら、ライディング機能はもちろん、転倒時の足の保護、特にくるぶしを守らなければいけないのです」
近年のトレンドは、ハイテクスニーカーやアウトドアシューズに負けず劣らずのデザインでありながら、ライディング機能を併せ持つ商品であるという。フラッグシップが心血を注いで開発したフィールドライドシューズは、まさに現代のライダーのニーズに完璧に応えた、新時代のライディングブーツと言えるだろう。まず注目すべきはカジュアルなデザイン。パッと見の印象ではライディングシューズとは気が付かない。
最近の主流が、ワイヤーをリールで調整するスピンオンというシステム。これがアッパーと甲の2か所の装備されている。微妙なサイズ調整はもちろん、走行時にはタイトに、歩行時にはルーズにといった使い方もできる。アッパー素材は人口皮革とナイロン、内部に透湿防水フィルム・ヴォクサームを内蔵。防水=防寒であるというのがフラッグシップの考えである。シフト用のガードや耐油性(油などによる劣化防止)、ソールのグリップ感など、ライディングに必要な機能は完璧だ。
もう一つ重要なのが、歩行する上での「靴」としての機能である。フィールドライドシューズはセメント方式(接着剤によってミドルとソールを繋ぎ合わせる)だが、アウトソール(靴底)とミッドソール(二層目)とインソールの間に「シャンク」を内蔵している。シャンクは板バネとも呼ばれ、靴底の変形防止や婦人靴のヒールの固定、歩行の補助に内蔵される。シャンクは土踏まずを支え歩行エネルギーを補助しながら、靴全体に安定感を生んでいる。
「靴は見えない部分こそ大事なんです。アッパーとボトムのバランスは歩行時とライディングには欠かせない大切な要素です。そして何よりも重要なのがサイズ合わせです。弊社製品に関わらず、ブーツは必ず現物でサイズ確認を行って下さい。可能であれば色々なブランドを履いて弊社の作るシューズ、ブーツと比較して欲しいです。そして、最終的にご自身が納得した商品を購入していただければ幸いです」
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