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バイクの春が来た!「第52回 東京モーターサイクルショー」開催。3日間で11万8812人が来場

公開日: 2025/04/24

更新日: 2025/05/05

3月28日(金)〜30日(日)の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で『第52回 東京モーターサイクルショー』が開催された。メイン会場がこれまでの西ホールから東ホールへと移り、総出展者数は180者、出展車両数は584台。外で咲き誇る桜に負けず劣らず、会場ではバイクの華が満開となり、3日間で11万8812人が来場した。

来場者の『属性』が変化? 以前よりも女性と若い人の割合が増えた印象

東屋外駐車場では、警視庁の女性白バイ隊クイーンスターズによる華麗な『ドリル走行』に歓声が上がった
東屋外駐車場では、警視庁の女性白バイ隊クイーンスターズによる華麗な『ドリル走行』に歓声が上がった

春の到来を感じさせるバイクイベントといえば、『モーターサイクルショー』。今年はどんなバイクが展示されるのか、どんなバイクが発表されるのかと、バイクファンにとっては開催が待ち遠しいイベントのひとつでもある。

今年も3月28日(金)から30日(日) までの3日間、『第52回 東京モーターサイクルショー(以下、TMCS)』が『東京ビッグサイト』で開催された。来場者数は、28日(金)が3万0172名(前年比106.8%)、29日(土)が4万9896名(同108.0%)、30日(日)が3万8744名(同98.2%)で、合計11万8812名(同104.3%)となった。

コロナ禍でバイク需要は拡大したが、実はコロナ前のほうが来場者数は多かった。例えば、2019年開催の『第46回 東京モーターサイクルショー』は、3日間で合計14万9524名と、15万人近くのバイクファンが会場を訪れている。ちなみに、2019年当時は「若者のバイク離れ」が話題となっていた年でもある。それでも約15万人が足を運んでいた。

2020年、2021年はTMCSの開催が中止となり再開されたのは2022年。その年の来場者数は12万3439名、翌2023年の来場者数は13万9100名。このままコロナ前の水準まで戻すかと思われたが、2024年の来場者数は11万3905名と前年比で2割弱減少。今年は前年比プラスとなったものの、コロナ前レベルには戻っていない。

この一因として考えられるのは、「バイクへの関わり方」の違いだ。2022年に自工会が開催した『二輪車委員会メディアミーティング』のテーマ『二輪車環境整備と今バイクが好調な理由〜なぜ若者や女性に人気なのか〜』においても、バイクのポジションが『ライフスタイルギア』となり、「好きな趣味にバイクを結びつけて楽しむようになった」と分析していた。

実際、ここ数年のTMCSの様子を見ていても、中高年男性の姿は相変わらず見かけるものの、年々、若い人や女性の割合が増えてきているという印象がある。また、以前よりも明らかに増えたと感じられるのは、女性のバイク系インフルエンサーと思しき人。一人でフラっとブースに来てバイクに跨り感触を確かめ動画を撮影する。このような姿はコロナ前にはあまり見られなかった光景だ。

それだけ客層が変わってきたということだろう。来場者数はコロナ前よりも減っているが、来場者の『属性』が変わってきているので、以前の数との比較はあまり意味のないことかもしれない。それでも、数字はひとつのバロメータであることに変わりはない。若い人や女性の比率がさらに増えていくと、これからにおける二輪業界の明るい材料になるだろう。この状態のまま、来場者数がコロナ前の水準になることに期待したいところだ。

会場が1フロアに集約され、歩いて見て回るのが苦にならない

TMCSの会場は、昨年まで西展示棟1階の西ホール1・2およびアトリウム、4階(エスカレータ1本なので実質的には2階の感覚)の西ホール3・4および屋上展示場とフロアが分かれていたので、広さを感じた。

今回は、東展示棟の東ホール1・2・3ホール、少し離れた8ホールと東屋外駐車場が会場となっており、同じフロアでの開催だったため、やや狭さを感じた(実際には、屋外やアトリウムを除いてホールだけの比較なら、350㎡ほどの違い)。しかし、いろいろと歩いて見て回るのはラクになった印象がある。「あのブースを見逃した」と思っても、上に行ったり下に行ったりする必要がないので、移動が苦にならない。

日本の4メーカーのブースを見ていくと、とにかく人気が高かったのが、ヤマハの『XSR900』。日本限定カラーの「セラミックアイボリー」は写真に収めようにも、次から次へと来場者がまたがり、バイク単体を撮ることが最後までできなかった。オフホワイト系のボディにブラウンのシートがマッチしていて、撮影中に「カッコいい」「欲しい」などの声がいくつも聞こえてきた。

ホンダブースで人気が高かったのは、やはり『CB1000Fコンセプト』。未来感がありながらも、未来過ぎず、しっかりとバイクとしてのたたずまいを見せている。コンセプトモデルなので、これから多少はイメージが変わるのだろうが、発売が待たれる1台だ。このほか、発売されて間もない『Rebel250 E-Clutch』、電動二輪車のコンセプトモデル『EV Fun Concept』、新基準原付の要件を満たした参考出品車『スーパーカブ110Lite』の前にも人が集まっていた。

スズキで注目度が高かったのは、『Hayabusa』のほか、参考出品車の『新型DR-Z4S』『新型DR-Z4SM』。中でもハヤブサは女性人気も高く、何人もの人がまたがっていた。自分で乗るには大きすぎるけど、でも一度はまたがってみたい。ハヤブサは、そんな憧れの1台なのかもしれない。

カワサキでは『MEGURO S1/W230』に女性や中高年男性が注目。「かわいい」「懐かしい」という声が聞かれた。そのほか、国内導入予定モデルの『Ninja1100SX SE』は年齢問わず男性から熱い視線を送られていた。

国内4メーカーのほかにも、ハーレー、BMW、トライアンフ、ロイヤルエンフィールド、ベネリ、インディアンなどの海外メーカーブース、タナックス、サインハウス、エドウィンなどのパーツ&アクセサリーブース、AJや日本二普協などの関連団体ブース、モーターマガジン社や八重洲出版などのメディアブースも人気となっていた。

モーターサイクルショーは、東京のほか、大阪と名古屋(愛知)でも開催されたが、『第41回 大阪モーターサイクルショー2025』は3月21日(金)〜23日(日)まで大阪府大阪市の『インテックス大阪』で開催され、3日間で合計7万4342名が来場。『第4回 名古屋モーターサイクルショー』は4月4日(金)〜6日(日)まで愛知県常滑市にある『愛知県国際展示場』で開催され、3日間で合計4万4253名が来場。3会場合計で23万7407名がバイクの春の祭典を楽しんだ。



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